昼食のお時間。
お祖母様とのお茶を終えるとすぐにお昼ご飯となった。
お茶の時間にお菓子が出なくて良かった…
おそらくお祖母様が調節したのだろう。
ダイニングの席に着くと、お母様とリナリアもきた。
そしてメイド服のサリーとケリーも続く。
お母様の膝に乗ろうとしたリナリアをサリーはヒョイっと持ち上げ、リナリアの席へと座らせる。
既に泣かされたのだろう…リナリアの目蓋は真っ赤に腫れていた。
リナリアのすぐ後ろにサリーが立つと泣きそうだったリナリアは涙を引っ込めた。
凄い…数時間でここまでとは…
お食事が運ばれてきて食べ始めると、サリーはリナリアにフォークを持たせた。
サリーはリナリアの手を持ち、反対の手にナイフを持つと一口サイズにカットしながら食べ方を教える。
反対の手で食べ物を掴もうとすれば、ペシっと軽く叩かれる。
不慣れなフォークで食べるので、ゆっくりと食事が出来ている。
その様子を一同が揃って見守っていた。
今朝までの獣はもう居ない…ちゃんと4歳の女の子がご飯を食べているのだ。
「教会はどうだったのかしら?」
いつまでも見ていてはいけないと思ったのか、お母様は私達に話しかけてきた。
咀嚼し飲みこんでから返事をする。
その様子をサリーは見ていて、頷くと再びリナリアの世話を続けた。
気を抜けば此方にも指導が入るようだ。
「教会でステータスボードを発行していただき、聖女様にもお会いしました。」
教会でのことを思い出し笑顔で答えると、お母様も嬉しそうに微笑む。
「良かったわね、内容については後ほどお義母様に教えてもらうわね。」
「「はい」」
ふふっと笑うと再び食事を再開する。
チラッとリナリアを見れば、何故か私とリオンを睨みながら食事をしている。
何故、睨んでいるのだろうか…?
私たちが見ているのに気づいたリナリアはふんっと鼻を鳴らし、再び食べる。
ゆっくり食べようが…どうやら食べる量は変わらず多い様だ。
『なんで睨まれていたんだろう?』
私はコッソリとリオンにテレパシーを送った。
リオンも気づいていたらしく首を傾げた。
『なんでだろうね?睨まれる様なことって何かしたかな?』
あまり接点がないのに、妹に睨まれるのは何故だろうか…?
思い当たるとしたら…
『なんで私だけ侍女に付きっきりで食べさせられてるの?的なことかな…』
『あぁ…それは思うかも知れないね。』
同じ子供なのに!ってとこだろうか?
食事を終え部屋に戻ろうとするとお母様が私とリオンに近寄ってくる。
「今夜は昨日出来なかったリオンとリリアのお祝いを家族でしましょうね。」
「「はい!」」
優しく微笑まれ、頭を撫で撫でされた私たちはお母様に笑顔で答えると嬉しそうに部屋を出て行った。
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