表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
たぶん...悪役令嬢だと思います  作者: 神楽 紫苑
第1章 私リリア!7歳になるの。
38/318

歴代最強の侍女長

いや…トナカイの名前が「トニー」ならば、セーフなのか?

うーん。…うん?

聖女様の使い魔が気になり…暫くその事で頭がいっぱいになった私は、待たせていた馬車に乗り込み公爵家へと戻る。

馬車で数分の距離だ…歩いても着く。

だが、貴族という者は歩かないらしい。

体に悪そうだが、ステータスのようなものだと思う。

あとは…王都は危険で命を狙われたり、誘拐の危険も多い。

そういう意味でも馬車に乗るようだ。


公爵家のエントランス前には一台の馬車が停まっていた。

見れば領地の本邸から来た馬車のようだ。

馬車は直ぐに移動すると、私たちの馬車がエントランスの前に停まる。

馬車を降りれば二人の侍女が頭を下げており、その後ろには別邸の執事・スティーブがいた。


「おかえりなさいませ。」

執事のスティーブはまだ若く、お父様よりは少しだけ年上だ。

そして一緒にいた侍女を見れば一人は恰幅の良いおばちゃんで、もう一人はまだ若く20歳にも満たない感じだ。


「旦那様、ご無沙汰しております。」

恰幅の良いおばちゃんはお祖父様に挨拶をすると、お祖父様も頷き返していた。

お祖父様の後にいたお祖母様が嬉そうにおばちゃんに抱きつく。


「久しぶりじゃない!また会えて嬉しいわ、サリー!!」

「奥様もご無沙汰しております。お変わりない様で何よりでございます。」

おばちゃんは嬉そうにお祖母様とも挨拶を交わした。

そして、その後ろにいた私とリオンに目を向けるとカーテシーをする。


「お初にお目にかかります。以前、こちらで侍女長を勤めておりましたサリーでございます。」

私とリオンは顔を見合わせニッコリと微笑み挨拶を返した。

「初めまして、リオン・クリスティアです。」

「初めまして、リリア・クリスティアです。」

サリーは嬉しそうに微笑んだ。


「まだ1歳にも満たない頃に一度お会いしましたが、立派に育たれましたね。」

「そうなの!私の自慢の孫達よ?」

サリーの言葉にお祖母様はとても嬉しそうに胸を張った。


「ご紹介が遅れました。こちらは私の娘で、本日から此方に侍女見習いとしてお世話になりますケリーでございます。」

後ろに控えていた若い女性がカーテシーをし微笑んだ。

「お初にお目にかかります、ケリーでございます。本日より宜しくお願い致します。」

「「宜しくお願いします」」

リオンと一緒に返事をすると、直ぐに微笑み返してくれた。


「うむ、サリーとケリーには公爵家の次女リナリアを躾けてもらう。」

お祖父様はサリーに頼むと言って、邸へと入っていく。

私たちも行こうとするとマリーとアリーが邸から出てきた。

「おかえりなさいませ」

二人は私達に声をかけると、傍にいたサリーを見た。

「母さん、ケリー、お待ちしてました。使用人室へは私が案内するわ」

アリーの言葉に吃驚して目が見開き、思わずサリーとケリーを見てしまう。

リオンも同じ様に驚いてキョロキョロとしていた。


「ふふっ驚いた?彼女達は親子なのよ?」

お祖母様が嬉しそうに私とリオンの頭を撫でて教えてくれる。

呆けているとサリーが再び私たちの前に立ち、顔の前で人差し指を立てる。

「リオン様、リリア様?驚いたからと言って直ぐに顔に出してはなりませんよ?」

「「はいっ!」」

サリーは「よろしい」と言って柔らかく微笑む。

そして私たちは歩き出し中へと入って行く。

その間、彼女達は後方でお辞儀をしていた。


「今ので分かる通り、彼女は歴代最強の侍女長。彼女が居ればリナリアは立派な淑女になるはずよ?…よっぽどの事が無い限りね」

「…よっぽど…?」

歴代最強の侍女長に躾けられない事は無いそうだ。

そう…よっぽどが無い限り…

これってフラグ?


「さて!お茶にしながら、二人のステータスボードの質問に答えてあげるわよ」

「「はい!!」」

お祖母様はご自身の部屋へ入り、私たちも一度部屋に戻ると動きやすい服装に着替え、頭も結い直してもらう。

私の身支度を整えると、マリーは隣の部屋へ行きリオンの身支度を整えた。

誤字報告・ブクマ・評価ありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ