誕生日の夜
波乱万丈だった誕生日パーティーも無事に幕を下ろした。
夕食を摂る頃になると私とリオンは疲れから船を漕ぐようになり、両親から寝るように言われた。
本当ならば今夜は家族だけでお祝いしてくれる予定だったのに…と残念に思っていると、明日に延期しただけだと教えてもらい安心してベッドへ潜った。
心地良いシーツの感触に、沈むように体をベッドに預ける。
今日は色々あった…
招待していない殿下とか変な令嬢とかが来たし。
リナリアはどうやらジュード殿下と婚約するようだし。
その話で明後日には登城するようだ。
そういえば、クロード殿下が城を案内してくれるって言っていたな。
この世界の邸は古い洋館のようで、見慣れない。
お城はどうなのだろうか?
物語に出てくるようなお城を想像して少し楽しみになった。
そして…再び今日出会った攻略対象を思い出す。
誰1人としてときめかないってどう言うことだろう?
まだ幼すぎるのかもしれないが、6歳ならば初恋の一つでもしていて可笑しくないだろう
確かに美しく整った顔の美少年ばかりだった。
性格だって悪くない…いや、ジュード殿下は例外として。
クロード殿下に惚れるかと思いきや、なんとも思わなかったし…
リナリアがジュード殿下と婚約し、私が狙うとか?
いや、むしろ逆パターンはよくあるし…狙ったところで振り向かなければ意味がない
ダメだ、考えたって答えなんか出ない。
こういう時は分かってることだけ整理するに限る。
攻略対象が分かっただけでも私の断罪を避けるには有難い情報だ。
要は必要以上に関わらなければいい。
領地に住んでるから顔を合わせる事も学園に通うまでは少ないだろうし、学園に通い始めても年齢が違うから躱せるかもしれない。
あとは学園に現れる聖女的なやつとか、元平民とか…そういうのを躱せばいいのかもしれない。
ヒロイン的要素がある令嬢は出来るだけ避けなければいけないな。
よしよし、何となくこれからの対処方法が見えてきたな。
とりあえずは大丈夫そうだ…と安心すると気がつけば深い眠りに入ってしまっていた。
誤字報告・ブクマ・評価をありがとうございます。
今後の展開で色々と構想を練っており、更新が更にゆっくりとなります。
せっかく読んで頂いてるのに申し訳ないです。