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たぶん...悪役令嬢だと思います  作者: 神楽 紫苑
第3章 私リリア!運命が動き出したの。
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証拠をご提示下さい

「私の罪とは一体、何の事なのでしょう?」

人に指を差したまま、ドヤ顔のロマネス殿下にどうしたものかと思いつつ問いかける。

鼻息荒く私を睨み、ニヤリと嫌な笑みを浮かべると…ロマネス殿下が語り出した。


そう…語り出したのだ…生まれてから今までの自分が如何に素晴らしいかを…。

私の罪がどこで出てくるか分からないので、語り始めた最初のうちはちゃんと聞いていたが…流石に十分くらい経つと飽きてきた。

しんどいです…誰か助けて…と隣で私を抱くアレスを見つめる。

…はぁ、格好良いなぁ…と現実逃避してみた。


現実逃避もしたくなるでしょう?

だって自分自慢をするロマネス殿下と、それを恍惚の表情で見つめるチャミシル様。

その背後に見える扉は少し隙間を開け、顔を覗かせるジュード殿下とクロード殿下。

因みにネメアレオン殿下は面白がって、扉から出てきちゃってます。

今はロマネス殿下の後方でリオンと笑いを堪えてますよね?

見えてますからね?後で覚えておくと良い…。


「おい!聞いてるのか!?」

現実逃避しているのがバレたのか、突然目の前のロマネス殿下が私に怒鳴った。

それを庇うようにアレスが私を背後に隠す。


「あ?お前は誰だ?」

「リリアの夫です。」

アレスに怪訝な表情で問いかけるロマネス殿下。

その問いかけに間髪入れずに答えるアレス。


…聞きましたか?

私の夫ですってよ?

キャァーーー!!って、やりたいのをグッと我慢しロマネス殿下に目を向ける。


「…おっ…と?…どういう事だ!リリアは私に惚れていたのでは無いのか?」

とんでもない事を呟くロマネス殿下に、私は思わず顔を顰める。

気持ち悪いからそんな勝手な妄想しないで欲しい。

そして口にも出さないで欲しい…気持ち悪い。


「リリアは私の妻だ…変な言い掛かりはやめて頂きたい。」

ギュッと私を抱きしめ、ロマネス殿下を睨みつけるアレス…好き。

何これ…格好良すぎるんだけど…好き。

って、惚けている場合ではなかった。


「…ところで、私の罪って何でしたっけ?」

アレスの胸をそっと押し、私はロマネス殿下に問いかけた。

いい加減…本題に入ってもらわなくては。


「お前は、私と恋仲のジェシカ嬢に嫉妬し…ジェシカ嬢へ数々の嫌がらせをしたらしいな!」

「してませんけど。…それに私が愛しているのはアレスだけです、勘違いしないで下さい。」

ビシッと決めたつもりのロマネス殿下に、私は首を振って否定する。

勘違いも甚だしい。


「お前がやったという事は分かっているんだ!」

スルーした。

私の返答をスルーし、話を続けるロマネス殿下に思わず溜息が出そうになる。


「では、私がやったという証拠をご提示下さい。」

仕方無いから付き合ってやるか…と、嫌がらせの証拠を求める。


「……………。」

私の言葉に何故か固まるロマネス殿下。

何故…黙るんだ?分かってるって断言したなら証拠があるだろう?


「……………証拠を出して下さい。」

一向に証拠を出さないロマネス殿下に再度問いかけると、ロマネス殿下は困ったようにチャミシル様を見る。

チャミシル様は私を睨み返す。


「まさか…証拠も無しに私を断罪しようなどと思ってませんよね?」

ニッコリと微笑むと、チャミシル様は眉間に皺を寄せ叫んだ。


「貴女が私を虐めていたのは知っています!被害者の私が言うのだもの、それ以上の証拠は無いわ!」


………え?馬鹿なんですかね?

あれ?ジュード殿下の話じゃ、成績はそこそこって言っていたよね?

え?馬鹿なんですかね?


「ならば、その被害にあった日付け、内容…あと怪我などしていたら診断書もご提示下さい。」

被害者ならば分かるでしょう…多分。

私が何をしたか知らないけど。


「そ…そんなものは無いわ!」

ブクマ・評価・感想・誤字報告ありがとうございます。

タイトル…悩みに悩んで、ちょっと妥協しました。

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