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たぶん...悪役令嬢だと思います  作者: 神楽 紫苑
第3章 私リリア!運命が動き出したの。
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夜会の会場

王城に到着すると、リシェ様とリナリアは会場へは向かわず別室へと入って行った。

お兄様を筆頭に会場の入り口に向かうと、すれ違う人達が騒めき出す。

“クリスティア家よ!“とか、“リーマス様だわ!“と言った女性のキャアキャアした声が聞こえたかと思うと…。

私とアレスが通り過ぎると“え?“と声を漏らす。

その後に続くのは“婚約を解消したのでは?“だろうか…私は無意識にアレスの袖をギュッと掴んだ。

私の様子にアレスは心配そうに顔を覗き込む。

心配かけちゃダメだとアレスに笑顔を向けると、アレスも笑顔で返してくれた。

次の瞬間!!


「「「「「きゃあぁぁ!!」」」」」

何故か黄色い悲鳴が巻き起こる。

何事かと目だけで周囲を窺えば、何故か私達を見て喜ぶ女性陣。


“やっぱり!噂は本当でしたのね!!“

“婚約者では無くなったって…あれは夫婦になったという事でしたのよ!“

“だってアレス様もリリア様もとても仲が良かったでしたから!“

“お互いを見つめ合うお二人の姿は私達の憧れでしたものね!!“


聞こえてきた声に私もアレスも頬を赤く染める。

なんだ…これ…恥ずかしいぃ…。

俯きそうになる私に、アレスは組んでいた腕を外し…何故か私の腰へと手を回す。

ちゅっと私の頬へキスを落とし、嬉しそうに顔を綻ばせるアレス。

そんなアレスを見つめていると、再び黄色い声が上がった。



会場の入り口に到着すると、アレスが招待状と名前を告げる。

受付の方が確認し、扉の横の人へと私達の到着を告げ…その人が会場に向かって大きな声で私達の名を叫んだ。

その声を合図に入場すると、周囲から拍手や歓声が上がる。

…なんとも恥ずかしい仕組みだ。


私とアレスは飲み物を手に会場の奥へと進む。

その先にはもう一つ扉があり、そこから王族が入場するような仕組みになっているようだ。

今後の流れとしては、開始時刻になると王子方が入場しダンスを一曲踊る。

その後に開幕を宣言し、招待された者は高位の者からダンスを踊る。

一曲終われば、今度は順々に挨拶回りとなる。

挨拶の順番も高位貴族からとなる為、公爵家の私達は最初に王子方へ挨拶に行かなければならない。


そんな訳でアレスと二人、夜会の開始時刻を待っていたのだが…。

入り口の方で一際大きな歓声が上がった。

驚く事に…ロマネス殿下がチャミシル様をエスコートしながら会場へ入ってきたのだ。


…あれ?王族ってこっちじゃないの?と奥の扉とロマネス殿下を交互に見て首を傾げていると、二人は私とアレスの元へ向かって歩いてくる。

そして私達の前まで来ると、ロマネス殿下は左手でチャミシル様の肩を抱き、右手の人差し指を私へ向け大きな声で叫んだ。



「リリア・クリスティア!今日この場を借り、私がお前の罪を暴いてやる!!」


…………は?

声を出さなかった私を誰か褒めて欲しい。

驚きのあまり目は見開いたが、口は開けなかった。

そんな私を是非、称賛して頂けないだろうか。


色々と言いたい事はあるが…最初にこれだけは言わせて欲しい。


せめて、開幕の宣言までは待つべきだ…と。

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