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たぶん...悪役令嬢だと思います  作者: 神楽 紫苑
第3章 私リリア!運命が動き出したの。
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眠れない夜

翌日は、王都の別邸にティアさんが来てドレスの最終確認を行った。

私のドレスは、アレスが夜会用にプレゼントしてくれた。

領地に戻ったアレスはティアさんに頼み、私のドレスを何着も用意していた。

その一つだ。


何でも、事件解決後は夜会が多くなると踏んでいたとか…と言うのは建前で。

私に着せたいドレスが幾つもあって、決めきれずに増えていったらしい。

嬉しいやら照れ臭いやら…でも嬉しい。


リオンがエスコートするキャティ様のドレスは、お祖母様が用意していたようだ。

こちらも、リリアが学園に入って寂しかったらしくキャティ様に目をつけたらしい。

自分が用意出来なかった事にリオンは落ち込んでいたが、そもそもキャティ様はまだ成人していないから頻繁に夜会に出るような事もないのだけど。


つまり、今回は特別なのだ。

そうでなければリシェ様はリナリアをエスコート出来ずに落ち込んでいただろう。

国王陛下の計らいなのだとか。



そして、夜会前日。

私とリオンは再び王城に来ていた。

警備に関する打ち合わせだ。

私達が残りの二人を捕らえる事が決まり、それならば打ち合わせにも参加すべきだ…となってしまった。


打ち合わせには騎士団長のジン様と御子息のジル様、魔術師団長のビルショート様と御子息のルシアン様が同席している。


何故、副団長では無く御子息を同席させたのか…。

そして、何故…魔術師団長は次男であるルシアン様を連れているのか。



警備の打ち合わせの前に、私は今回の事件を思い返し…自分が犯した失敗に気がついた。

その事をリオンに打ち明けると、驚いた顔をし…「そんな…まさか…。」と最初は半信半疑だった。

だが、この打ち合わせの後に国王陛下から話があるとお父様に言われた事で確信へと変わったらしい。


失敗をしたからといって…今更だ。

私達は開き直り、今こうして打ち合わせをしている。


そう…この面子も恐らく“あの方“が指示したからなのだろう。



その後、通されたのは複合魔法の件で訪れた時と同じ部屋だった。

中に入り暫くすると国王陛下とお父様…そして、更に驚くべき方々が入室してきた。

私とリオンは互いに顔を見合わせながらも、何とか国王陛下方と話を済ませ…最後に謝罪した。


それに対し国王陛下方は怒る事もなく、私達の過ちをお許し下さった。

いや、それどころか気を遣わせた…とか色々と謝られた。

居た堪れなくなり、最後はお父様に助けを求める事になり…。

「その件に関しても改めて夜会の翌日に話そう。」と国王陛下に言われ、私達は夜会翌日も王城に呼ばれる事になった。



その夜…私は寝付けず、バルコニーに出ていた。

季節はすっかり寒くなり、暖かめのガウンを羽織り外を見つめる。

吐く息も白く…空気は澄んでいる。

遠くに見える領地の先に聳え立つ山の上に、大きな月と煌めく星。


見える景色は確かに異世界なのに…どこか懐かしく感じるから不思議だ。


「……リリアも眠れないの?」


背後から声が掛かり、振り返ると苦笑したリオンが私の方に歩み寄ってきた。

「緊張…では無いのだけど、落ち着かなくて。」

リオンと同じように苦笑いを浮かべる。


そして私達は事件の話や、明日の事を話…いつしか脱線して今までの事を互いに思い出しながら、いつしか夜は更けていったのだった。

ブクマ・評価・感想・誤字報告ありがとうございます。

今日の内容は色々と伏せていて、読み辛く…申し訳ないです。

何か閃かれても心に留めておいて頂ければと思います。

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