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たぶん...悪役令嬢だと思います  作者: 神楽 紫苑
第3章 私リリア!運命が動き出したの。
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王城の一室で

王城の一室に通され、殿下方を待つ。

此処は王族のプライベート区域で、通常は王族しか入れない。

…勿論、王族とは自国の王族。

他国の王族など以ての外だ。


その筈なんだけど…。


「何で居るんです?」

「居たら悪いのか?」

上座に座るネメアレオン殿下に笑顔で問いかけると、笑顔で聞き返された。

…少しは成長したようだ。


「私以外にも…そこにも他国の王族が居るぞ?聞かないのか?」

と、リシェ様に目を向ける。

うん…彼には聞かない。


「おい、聞かないのか?」

無視して目線を戻したところで再び問いかけられる。

…でも、聞かない。


実は今日、リシェ様とリナリアはオステリア国王夫妻に婚約する事を告げに来ていた。

二人は私達が王城に来るよりも早く、王城に到着し報告を済ませていたのだ。

因みにリナリアは報告後に王妃様にお茶に誘われてしまい、此処には居ない。


「リシェブール王太子殿下、無事にご報告を?」

ネメアレオン殿下の眼力が強い為に渋々、リシェ様に声をかけると…リシェ様は嬉しそうに「あぁ。」と頷く。

このお方も…今はすっかりリナリアに骨抜きにされているな。

…前からか。


そんな話をしていれば、クロード殿下とジュード殿下が部屋に入ってきた。

ジュード殿下の背後にはバーバラ殿下が居た事に驚いた。


「すまない…私事で父上に報告していて遅くなった。」

そう頭を下げたのはジュード殿下で、その背後のバーバラ殿下は嬉しそうにジュード殿下に微笑んでいる。

どうやら、リシェ様同様…バーバラ殿下の事を報告していたようだ。


「リシェも、おめでとう。まさか先を越されるとは思わなかったよ。」

「あぁ、ありがとう。」

国王陛下か王妃様から話を聞いたのか、クロード殿下は嬉しそうにリシェ様にお祝いの言葉を贈る。

そんなクロード殿下にリシェ様も嬉しそうに微笑んだ。

その様子を見ながら、ネメアレオン殿下が首を傾げる。


「近々、リシェブール王太子殿下と私達の妹が婚約するんです。」

一人だけ知らないのも…と、コソッと教えるとネメアレオン殿下が目を見開いた。


「王太子だというのに…婚約者が居なかったのか?」

思っていたのと違う事で驚くネメアレオン殿下。

まあ、ネメアレオン殿下が驚くのも無理は無いわね。

そもそも成人してるのに婚約者が居ない方がおかしいのだ。

…つまり、クロード殿下にも婚約者が居て良い筈なんだけど。


「ネメアレオン殿下は、婚約者の方は何人いらっしゃるのですか?」

驚くという事はネメアレオン殿下には既に決まった相手の一人や二人は居るのだろう。

ここは聞いてあげなければ失礼かと思い、声をかければ…飲んでいた紅茶を吹き出した。


汚いけど、放置も良くないからと…スッとハンカチを差し出す。

警戒心も無く手に取って慌てて口元を拭うと…怒られた。

…解せぬ。


「一人だけだ!」

「「……え?」」

ネメアレオン殿下の答えに、何故か私と一緒になって首を傾げるリオン。

聞いていたらしい。


「「え?」」

改めて驚きの声をあげると、更に怒られた。


「「……あぁ!“運命の番“がいるんですね!」」

一人って事はそうだろう…と、声に出すとリオンと被った。

今日はシンクロ率が高いな。


「………がう。」

「「がう?」」

鳴き声かな?ライオンだから…ガウガウしてるのかな?と聞き返す。

すると、ネメアレオン殿下は不機嫌そうに腕を組み…そっぽを向いた。


「私のは“運命の番“じゃない!」


ネメアレオン殿下の呟きに…室内が静まり返る。

防音の魔法のせいか…それはもう静かな時が流れた。

ブクマ・評価・感想・誤字報告ありがとうございます。

リナリアの番外編を忘れないうちにと書けるところだけ書いていたら、甘すぎて砂吐きそうです。

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