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たぶん...悪役令嬢だと思います  作者: 神楽 紫苑
第3章 私リリア!運命が動き出したの。
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スケジュールがいっぱい

王都に戻る途中、休憩を取っていれば聖女様の使い魔が姿を表した。

突然の事だった為、ジン様とビルショート様が攻撃しそうになるのを慌てて止めた。

身の危険を感じたトニーは物陰から此方を窺っているので、私は両手を広げ受け入れる体制を取る。

暫くすると警戒しながらも近づいて来てくれた。


トニーは手紙を私に渡してきたので、いつものようにお菓子を返す。

嬉しそうに私に頬擦りし…帰って行った。

…帰って行ったという事は、この手紙に対する返信は不要なのだろう。


トニーが帰ってからも暫くは休憩を続けるようなので、私は受け取った手紙を開いた。


ーーーーーリリアに客が来てるよ。

明日、時間を作って教会に顔を出しな。

クロードとジュードも連れて来ると良いーーーーー


……え?これだけ?

三行だけ?

って、明日!?

殿下方の都合とか…大丈夫かな?


「え?それだけ?」

私の横に座っていたリオンが手紙を覗き込むと、ポロリと呟く。

…人の手紙を盗み見しちゃダメでしょ!


「あー…ちょっと、相談して来るね。」

リオンの言葉をスルーし、私はエドモンド様に近づく。

それに気づいたエドモンド様は顔を上げて私を見た。


「少し…ご相談がございます。」

何て切り出そうかと悩みながら声をかければ、エドモンド様はコクリと頷いた。

話をしても良いって事で…良いのかな?


「先程、聖女様から手紙を頂き…そこには明日、クロード殿下とジュード殿下と共に教会に来るようにと書かれてありまして…。お二方のご都合はいかがでしょう。」

…多分だけど、エドモンド様なら何とかしてくれるだろうと思って問いかける。

エドモンド様は少しばかり俯き、暫しの沈黙の後…顔を上げた。


「…気づいていたか。ふむ…明日の何処かで時間を作るよう伝える。」

「ありがとうございます。」

エドモンド様は殿下方から連絡させると付け加えると、そろそろ出発しようと立ち上がった。

一連の事にジン様とビルショート様は苦笑いを浮かべていた。


『ねぇ、なんでエドモンド様に相談したの?』

馬車のサイドに私とリオンが移動すると、リオンがテレパシーで話しかけてきた。

それに対し、私は首を傾げる。

てっきりリオンも気付いていると思っていたが、そうでは無かったらしい。


『殿下方のお父様だからスケジュールの調整くらい出来るかなって思って。』


私の言葉にリオンからの返事は来なかった。

代わりに…馬車の反対側で「えぇ!?」と驚きの声が聞こえてくる。


暫くすると再びテレパシーで『帰ったら話があります!』と少し怒ったように言われてしまった。

……何故、怒るんだリオン。

気付いていると思ったんだよ…。

いつもは私よりも鋭いじゃない!



そして、その出来事以外は特に何事も無く…予定通り陽が沈む前には王都の城門前に到着できた。

馬車の窓からエドモンド様が顔を出し、私とリオンに「二日間、ありがとう。」と声をかけると…馬車は城門を潜り王城へと向かって走り出した。


私達の護衛は此処で終了だ。

近日中に冒険者ギルドに報酬をもらいに行こう!

…時間、あるかしら?


今更ながら自身のスケジュールがパンパンになっている事に気づく。

…なんで、こんなに忙しいかな!

もっとゆっくりしたーい!!

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