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たぶん...悪役令嬢だと思います  作者: 神楽 紫苑
第1章 私リリア!7歳になるの。
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誕生日パーティーの開幕。

王都にきて3日が経ち、いよいよ今日は私たち双子の誕生日パーティーです。

パーティー会場は王都に来た最初の日に見た、花々が咲き乱れる庭園だった。

お祖母様の結界なのか、外なのに心地よい温度に保たれている。

雨だったら室内だったのかも知れないが、今日は私たちを祝福してくれるかのように晴れやかだった。


そして、さすが公爵家のパーティーと言える程に高位貴族が勢揃いしている。


そして、父が挨拶と共に私たち双子を紹介する

先日、仕立て上がってきた双子ファッションをした私たちを招待客は好奇な目で見ている。


白と淡いオレンジのストライプ生地、首元のジャボはたっぷりとボリュームがあり瞳の色より少し濃い色の石が付いている。

リオンと揃いのベストの後ろは編み上げになっている

その下のスカート部分は淡いオレンジ色が中心で左右に広がりその下には上のストライプ生地が襞が多めのフレアスカートの様にふんわりとしている。

裾や飾りには真っ白なレースが使われており、足元はリオンとお揃いの編み上げブーツになっている。

リオンは同じ淡いオレンジ色のストレートのハーフパンツとなっていて、裾は折り返され裏地にはストライプ生地が使われている。

この世界には珍しい服装…それも双子で合わせる事など無いと思う。

少しだけ恥ずかしいが、とても素敵に出来上がったドレスが台無しになるので俯かず胸を張った。


一通り挨拶を終えると、私たちに紹介したい人達が居るからと兄に手を引かれ少し離れたところにいた集団へと案内された。


明らかに目立つ集団を見て、私は後退りしたくなった。

どう見ても…攻略対象にしか思えない。

ここは関わるべきか悩みどころだ。

関わらなければ平穏に暮らせる可能性があるかも知れない…が、逆に知らないところで知らない奴に断罪される事もあるかも知れない。

それならば相手の情報は多い方がいいのかもと思う。


思わず唸りそうになっていると、リオンが心配そうに手を握ってきた。

『大丈夫?逃げ出そうか?』

逃げ出してはまずいが、その優しさはとても嬉しい。

『大丈夫だよ』と笑顔を返すと更に心配な顔をして『逃げたい時は言ってね?』とリオンは苦笑いした。


「皆んなに紹介するよ、僕の弟妹のリオンとリリアだ」

兄は5人の男の子たちに私たちを紹介してくれた。


クリス・ウェンスキー

同じ公爵家の長男で、兄と同じ歳だ。

薄い金髪は短めで、目尻が少し下がった瞳は淡い青色をしている。

外務大臣の息子で、本人も他国に詳しいらしい。


ジル・マティーニ

侯爵家の長男で、兄と同じ歳だ。

シルバーの髪はサイドが少し剃り上がっていて、切れ長の緑色の瞳をしている。

第一騎士団の団長の息子で、まだ幼いながらも剣術の才能があり将来は騎士団に入るそうだ。


ルシアン・ウォーカー

侯爵家の次男で、兄と同じ歳だ。

緑がかったシルバーの髪は長く三つ編みをして肩から前に垂れており髪と同じ色の睫毛がすごく長く、その睫毛に隠された瞳は深い青色をしている。

魔術師団の団長の息子で、歳の離れた兄も魔術師団に所属しているそうだ。


ラムシル・モヒート

伯爵家の長男で、兄よりも1歳下だ。

薄い茶色の髪は襟足が少し長めで所謂ウルフカットの様な感じで、瞳は髪よりも少し濃い茶色だ。

宰相補佐の息子で、学年が違うが兄とはよく話をするそうだ。


アルフレッド・レモンチェッド

伯爵家の長男で、兄と同じ歳だ。

檸檬色をした綺麗な金髪は長く、深い緑色の瞳をしている。

竜騎士団の団長の息子で、彼もまた幼い頃から竜を世話している。


ザッと紹介されたが、間違いなく攻略対象だと思う。

皆さんハイスペック過ぎるし、この集団だけ近寄れないオーラ出てる。

なんだろう…お酒が飲みたくなってくるような名前だな。

今はまだ飲めないけども…


何故か私とリオンは彼らに囲まれ身動きが取れなくなってしまった。

これが囲い込み商売というやつか!?

に…逃げられないっ!


「リーマスからは聞いていたけど、二人は本当にそっくりだね。こんな可愛い弟妹がいて羨ましいよ。僕のこともお兄様って呼んでくれても良いからね?」

クリスは私とリオンの頭を撫でようとしては、その手をリーマスに叩き落とされている。


「君たちのお祖父様は騎士団では伝説だからね、聞けば二人もお祖父様に習っているんだって?」

剣術に自信があるジルは今にも手合わせをと言ってきそうな勢いだ。


「いやいや、お祖母様だって魔術師団では有名だよ?君たちも魔法は少しは使えるのかな?」

ルシアンは魔法を見せて欲しいのかチラチラと伺ってくる。


5人ともが私たちを構おうと狙っていて、全てお兄様に阻止されている。

それを遠目で女の子たちが羨ましそうに睨んでるのに気づき…とても居心地が悪い。


『逃げたくなってきたね』

同じことを思ったのか、リオンは私にテレパシーを送ってきた。


『どうにか上手くして逃げたいね』

どうしたものかと悩んでいると会場の入り口の方が騒がしくなった。


招待客は全て揃っているはずだが、新たな人影が見える。


そして…会場中が固まった。


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