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たぶん...悪役令嬢だと思います  作者: 神楽 紫苑
第3章 私リリア!運命が動き出したの。
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テスト初日

テスト一日目は午前に三教科行われた。

やはり数日前からのテスト勉強のおかげかスラスラと問題が解けるのは爽快で。

思っていたよりも早く解き終わったが、テスト終了時間までは他の生徒の邪魔になってはいけない為…退出する事が出来ない。


…何度もテストの解答を見直したが、さすがに暇になった私は窓の外を眺める。

あと二日で冬季休暇だ。

…外は冷たい風が吹いているのか、時たま窓が揺れた。


……冬季休暇は何をしよう。


“事件を終わらせたい“とは思うが…他国の王族が絡むので焦るのは禁物だろう。

…でも、いい加減…終わらせたい。


それにはチャミシル辺境伯と国境に行き、塀の調査をしなければいけない。

上手くすれば、誰の仕業か判ると思う。

そこまで来たら、あとは“犯人は貴方ね!“的な台詞で犯人を問い詰めるだけだ。

…って、どこでするんだろ?


王城の一室かな?

やはり国王陛下やクロード殿下、ジュード殿下やリシェ様も揃わないといけない。

後は事件関係者…ハンザン様やライルも。

ペルノや他の獣人達も呼ばないとね。

ロマネス殿下は王城にいるから良いとして、チャミシル様はどうやって呼び出そう…。


そういう手配って誰がするんだろう?

漫画やゲームだとなんか自然に集まるんだよね。

推理小説なんかも…なんやかんやタイミングよく推理ショーが始まったりするし、場合によっては次の事件を防いだりする。


むむっ?…これは、難解だぞ?



やっぱり、お父様に相談するのが手っ取り早いのかな…とは思う。

こういう事がやりたいの!って…説明するのは恥ずかしいんだけどね。

…説明した段階でお父様なら国王陛下に相談して私達が居ないところで全て終わりそうな気もする。

それはそれで…なんか…つまらないんだよね。

ここまで自分たちで頑張ってきたものを、一番美味しいところを持っていかれるみたいで嫌だよね。


うーん…どうしたものかね。


思っていたよりも考え事に没頭していたのか、気がつけばテスト終了の鐘が鳴っていた。

私は慌てて解答用紙の名前の欄だけ確認し、提出する。


三教科が終わればランチタイムだ。

同じように解答用紙を提出したリオンが隣に戻ってきたのでカフェへと移動する。


「テストの途中から外ばっかり見ていたけど、何か面白い事でもあったの?」

カフェに向かう途中、先程のテスト時間中の事をリオンが聞いてきた。

その問いに私は首を左右に振る。


「今後の事を考えていたの…早く事件が終わればいいなって。」

「そうだね、早く普通の生活に戻りたいね!最近はリリアがあまり料理しないから、お菓子が食べられないしね…。」

私の言葉にリオンは頷き、そして…シュンと肩を落とす。

なんだ…その可愛い顔はっ!?

獣人じゃ無いのに犬耳が見えるぞ!

尻尾まで見えそうだぞ!

クーンッて鳴き声まで聞こえそう…って、その上目遣い!?


この計算尽くされた“あざとポーズ“…リオンだから出来る代物だ。

私には無理…というか、どこかで照れちゃうから出来ない。

双子なのにっ…双子なのにっ!!


「…冬季休暇に入ったら、また何か作るよ。」

リオンのあまりの可愛さに、私は鼻を押さえながら答えるとリオンは嬉しそうに微笑んだ。

きっと、見えない尻尾を盛大に振っているに違いない!



「あれ?…なんかカフェが騒々しいよ?」

私が一人…悶えていると、リオンはカフェを覗き込んで私の手を引いた。

喧騒に気づいた私も、同じようにカフェを覗くと…中で誰かが言い争っているようだ。


「…どうしたんだろう?」


更に覗こうと背伸びをすると、そんな私をリオンは自身に引き寄せ腕の中に収める。

ふぇ!?だ…だ…抱きしめられた?


「…見ない方が良い。」

リオンにしては珍しく…低い声で囁く。

双子の兄にドギマギしながら、その言葉の意味が理解できず…私は顔を上げた。

目に映ったのは、これまた珍しく険しい顔のリオンだった。


そして…そんなリオンに声をかけようと口を開きかけた時だった。


「キャアァァァァ!!!」

一人の令嬢の叫び声がカフェに響き渡った。

ブクマ・評価・感想・誤字報告ありがとうございます。

…成長したリオンも格好良いのでしょうね。

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