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たぶん...悪役令嬢だと思います  作者: 神楽 紫苑
第3章 私リリア!運命が動き出したの。
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探査魔法

「どこから話せば…そうだな、結論から言えば犯人は分かっていない。…と、言うのも壊れた塀へ探査魔法を使用したのだが追えたのは君達が見つけた時までだった。」

チャミシル辺境伯は淡々と話す。

私とリオンは理解出来るが、そもそもルービン先生は何の事かも分からないだろう。

チラッと見ると、探査魔法に関して思うことがあるのか…何か考え事をしているように見えた。


「勿論、探査魔法だけで無く聞き込み捜査もした。…塀の穴を発見した二日ほど前の夜間に塀の周辺を歩いていた二人組の目撃情報も出たが、目撃した者は当時酔っていたらしく男女の区別は付かなかったらしい。」

…二人組か…ライルとチャミシル様…とか?

いや、確たる証拠も無いから断言は出来ない。

…そもそも、チャミシル様の関与したとされる証言は言い逃れをしようと思えば出来なくもない。

何か一つでも、決め手となる証拠が必要だ。



「ふむ。恐らく、リリアさんが探査魔法をかけたせいで…それ以前の情報が得られなかったようだね。」

「え?」

先ほどから考え込んでいたルービン先生が、チャミシル辺境伯の話が終わるのを待って話し出した。

その内容に、思わず声を漏らす。

…私のせいって?


「そもそも探査魔法の二重掛けが出来ないんだよ。」

「なっ…では、私があの時…探査魔法を使ったばっかりに?」

ルービン先生の説明に私は慌てて問いかけると、先生はコクリと頷く。


な…何と…。


あぁ…胸が張り裂けそうだ。

クラリと体を揺らすとリオンに小突かれた。


…遊んでる場合では無いな。


「私が再度試みる…というのでもダメなのでしょうか?」

私の魔力が干渉していて情報が得られなかったのかと思い質問してみたが、ルービン先生はあまりいい顔をしなかった。


ふむ。


チラリと隣のリオンを見る。

私の視線に気づいたリオンは、同じのように私を見た。


『ひとつ…試してみたい事があるのですが?』

口に出して言えないが、試すためにはリオンの力が必要不可欠。

その為、リオンにテレパシーで話しかけた。


『僕も同じ事を考えていたよ。』

ニコッと微笑みながらテレパシーを返すリオン。

どうやら同じ事を思ったようだ。


「上手くいくかお約束は出来ませんが、試したい事があります。チャミシル辺境伯はいつまで王都に滞在予定ですか?」

詳しい内容は伏せて伝えたが、チャミシル辺境伯は嫌な顔をせず自身のスケジュールを教えてくれた。

領地に戻る際に一緒に同行させてもらう事にし…一旦この話は保留となった。


「あっ…その…ジェシカ様も一緒に戻られますか?」

チャミシル様も一緒となるとまずい。

その時は別行動にさせて頂こう。


「心配はいらない、娘は冬季休暇も社交の為に王都で過ごすそうだ。」

心なしか…しょぼんとした顔で教えてくれるチャミシル辺境伯。

…寂しいよね。



「調査の件はこの位で良いだろうか?…それより娘の件だ。それも調査が終わらなければ話を聞けないのだろうか?」

探査魔法の事ですっかり忘れていた私達だが、チャミシル辺境伯は違ったらしい。

…いや、忘れてもなかったけど…。

出来たら、ほら…ね?

ウヤッとか…ムヤッとか…誤魔化せたらなって思ったり思わなかったり。


「えっ…とですね。」

「チャミシル辺境伯は人身売買の話って聞いてますかぁーー?」

何とか話し出そうと声を出すと…被せるようにリオンがチャミシル辺境伯へ問いかけた。


しかも!


リーオーンー…そうやっていつもサラッととんでもない事を言うの何でなの?

相談とか無いの?

ほら、報・連・相って言うじゃん!

私が怠ると怒るのに、どうしてリオンはしないのかな?

私はぷんすかと怒ってリオンを睨むも、リオンは気にした風もない。

くそぅ!

そうやってリオンに夢中になってしまい、チャミシル辺境伯の評価に気づかずにいると…。



「あ…あぁ…君達もその事に辿り着いていたのか。」


…………え?

ええええぇ!!

知ってたのーー!?


リオンの質問に答えて良いものかと悩みながらもチャミシル辺境伯は驚くべき言葉を口にした。

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