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たぶん...悪役令嬢だと思います  作者: 神楽 紫苑
第3章 私リリア!運命が動き出したの。
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テヘッとしてもダメ

リオンの話を聞きながら、チャミシル辺境伯の顔色は見事なまでに変化していた。

だが変化したのは色だけで、表情は崩れなかったのは流石だと思う。


因みにリオンの話とは、以前からジュード殿下の追っかけだった事。

最近ではロマネス殿下にもご執心の様子だという事。

そのせいで、ジュード殿下親衛隊隊長のメアリ様方に中庭に呼び出されていた事など…主に学園での事だった。


その内容ですら、私の口からは言えないかな?といった感じなのに…そこはリオン。

淀みなくスラスラと暴露した。


…まぁ、さすがに事件のことまでは言えないよね。


「…と、ソフトな感じですとこんなもんです。」

ふぅ…と、息を吐くと…リオンは紅茶を飲んで喉を潤す。

最後にとんでもない爆弾を落とした事に気づいていないようだ。


落ち着くリオンを他所に、私を含む三人はそれぞれに凄い形相になっていた。

チャミシル辺境伯は怪訝な顔。

ルービン先生は困惑した顔。

そして…私は一人、アワアワしていた。


だって!だって…そんなソフトとか言ったら「じゃあ、ハードは?」ってなるじゃん?

そんな事になったらどうするのさ!


「ソフト…という事は、ハードもあるのか?」

ほらぁ!

チャミシル辺境伯が怪訝な顔でコッチを睨みつけてるし!!

…ちょっと怖いんですけどー?


チラリとリオンを見ると、リオンはキョトンとした顔をし…私を見て…テヘッ?

テヘッてして舌をチラ見せしても、状況は変わらないんだよ?


「…リリア嬢の方が詳しいのかな?」

リオンが私を見たせいで、チャミシル辺境伯は今度は私へと向き直った。

ロックオンってやつですか!?


うぉい!

そんな睨まれても困るし!

再びチラッとリオンを見ると、そんな私に気づいたのか…またテヘッとしている。

そんなので誤魔化せるかーー!!


……後で覚えていろよ?



「あー…と、チャミシル辺境伯は…もし、万が一!ジェシカ様が犯罪を犯したらどうしますか?」

まずは、チャミシル辺境伯へ問いかけた。

この答え次第で方針を決めようと思ったからだ。


いつかはバレるんだ!

それが今なだけ…捕らえられる前なだけ、まだ良いのでは無いだろうか?

…とは思うが、それはチャミシル辺境伯の答え次第では話せない。

もし…もし、娘の犯罪を庇うと言うのであれば伝えるのは今では無いだろう。

そうなった時、この問いの意図を聞かれたら…頑張って濁してから撤退しかないかな?


「ふむ。そうだな…私自身が辺境の地を任されている以上、身内であっても犯罪者は許す事は無い。…この問いかけが出たという事は娘は何か罪を犯したという事だな?」

チャミシル辺境伯は険しかった表情を緩め、私とリオンを見た。

私とリオンは表情を変えないまま押し黙る。

するとチャミシル辺境伯は、一度頷き…再び話し出した。


「今日、私に会いに来たのは先程の事件の事だけではないようだな。…例の国境の塀と関係があるのだろう…先日の夜会でリリア嬢と話した時、あの場で話す事では無いのかもしれないと逡巡した。その時の表情を見ていたのだろう?」

夜会での態度は、そういう事だったのかと納得する。

てっきり…娘がやった事を隠したいのだなと思ってたので少し驚いた。


「君達の話の前に…まずは、あの塀の調査結果を伝えた方が良さそうだな。」

そう言ってチャミシル辺境伯は使用人に声をかけ、使用人がお茶を入れ直し退室するのを確認すると…話し始めた。

ブクマ・評価・感想・誤字報告ありがとうございます。

リオンの必殺技は”リリアへ丸投げ”に違いない。


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