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たぶん...悪役令嬢だと思います  作者: 神楽 紫苑
第3章 私リリア!運命が動き出したの。
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現れたのは?

「リリア嬢…か?そこで何をしているんだ?」

中庭でジュード殿下を待っていた私に背後から声がかかる。

そこに居たのは…ロマネス殿下だ。

…何故、声をかける…。

そこはスルーしろよ…と内心で悪態を吐きながら、笑顔で一礼する。


「ジュード殿下をお待ちしております。」

そう…私は何故か来ないジュード殿下を待っている。

そろそろ来てもいいと思うんだけど…?


「そうか…。」

そう一言呟くと、ロマネス殿下はキョロキョロと周りを見渡し…そして首を傾げた。

誰かをお探しなのだろうか?


「此処で…何か見なかったか?」

つい先程まで凄いの見てました…とは言えないよね?

でも…もしかして、それの事を言っているのかな?


「見たと言えば見ましたが…誰かと待ち合わせでしたか?」

何とは言えないけど、正直にお答えすれば…ロマネス殿下は考える素振りを見せた。

話そうかどうしようかと悩んでいるようだ。


「…チャミシル嬢は見たか?」

「えぇ、少し前にカフェの方へ向かわれましたよ?」

私はチャミシル様と約束していたのかと納得していれば、ロマネス殿下は何故か眉を寄せる。

約束していたのに、来たら先に行っていたなんて確かに嫌だよね。


「チャミシル嬢は、誰かと一緒だったか?…彼女に″助けに来て″と言われて来たんだが。」

「え?」

思っていた言葉では無く思わず驚いてしまう。

チャミシル様は…最初からメアリ様に絡まれるのが分かっていて、ロマネス殿下を呼んでいたのだろうか?


「確かに他の令嬢方といらっしゃいましたが…既にその方々とも別れましたよ?」

まさか自分が邪魔してしまったとは言えないし。

…それにしても、チャミシル様は思ったよりも計算高い女性なのだろうか?

自分が詰め寄られている所に想い人を呼び…助けさせるなんて。

だから私の助けは不要だったのね。


「そうか…リリア嬢が見たと言うのは、その令嬢達とチャミシル嬢の事だな?」

「あ…いえ、それもですが…。」

何やら納得しているところ悪いのだが…私が見たと言ったのは、実は違う事だったりする。


「その…ロマネス殿下の頭上からマイマイガの幼虫がぶら下がっているんです。」

「なっ!?…早く言え!!」

虫が見えたのか、ロマネス殿下は慌てて私の方へ駆け寄ってきた。

勢いよく来たせいか…小石に躓き、私とぶつかる。

か弱い令嬢ならば倒れ込むのだろうが、私の場合…何故か普通に受け止めてしまった。

…不本意ながら抱きしめる形となってしまったが、ロマネス殿下は虫に夢中で気づいていない。


「…重いので、そろそろ離れてもらえますか?」

私の言葉に気づき、ロマネス殿下は私へと振り返る。

わぉ!目の前に顔がある!


「わっ…悪い!!」

何故か顔を真っ赤にしたロマネス殿下は、私から慌てて飛び退いた。

初々しい反応に、思わず笑ってしまいそうになる。


「なっ…何故、ニヤついてる?それより、リリア嬢はカフェに行かなくて良いのか?」

ロマネス殿下は私の態度に少しだけムッとし、話を逸らした。


「えぇ、ですから…ジュード殿下をお待ちしてますの。」

「ん?だから、ジュード殿下は既にカフェに居ると言っているんだが?」

人の話を聞けよ…と思いながら笑顔で答えれば、何故か不思議そうな顔で驚くべき事実が告げられた。


何故だ!何故、さっき答えた時に教えてくれない?

そういう事は早く言ってよ!


まさか…″約束していたのに先に行かれる″をされたのは私の方だったらしい。

仕方なく、ロマネス殿下に一礼するとカフェへ向かって歩き出す…。

なのに、何故か後ろからロマネス殿下も付いてきた。


「今日は君達と一緒にランチにするよ。」

少し嬉しそうに言うロマネス殿下に、私は見えないように溜息を吐いた。

ブクマ・評価・感想・誤字報告ありがとうございます。

今日も遅くなって申し訳ないです。


昨日の更新は読み直したけども書き直せそうに無いのでそのままにしました。

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