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たぶん...悪役令嬢だと思います  作者: 神楽 紫苑
第3章 私リリア!運命が動き出したの。
219/318

素晴らしい演技力

昨日217部を書き直しました。

さらに夜中に218部を更新しました。

ジュード殿下と共に邸へ戻ると、私達の姿を見た令嬢方が騒めきだす。

どうしたのだろう…と、目をパチクリし…やらかした事に気づいた。


私とジュード殿下とアレス。

だが、アレスは使用人の変装をしている。

つまり傍から見たら私とジュード殿下が二人きりで庭園に居たのだと思われてもおかしくない。


内心…かなり狼狽えているが、顔には出さないようにし笑顔を作った。

すると、リナリアと目が合った…かと思ったら何故かリナリアは私とジュード殿下の傍まで寄ってくる。


そして美しい所作で頭を下げ、私を見つめた。

その顔は気丈に振る舞っているように見えただろう。

元婚約者と…姉。


「久しいな、リナリア嬢。まさか…君が夜会にいるとは思わなかったよ。」

少し辿々しく話を振るジュード殿下に、リナリアは困った様に笑む。

「本来ならば夜会に参加出来る年齢ではございませんが、お姉様を祝う夜会にどうしても参加したいと父に頼んだのです。」

そう告げたリナリアは今度は私へ顔を向けた。


……言われるまで気づかなかった。

確かにリナリアは夜会に参加できる歳ではなかった…と、リナリアを見た。

リナリアは私の目線に気づき微笑む。

だが、その顔はどこか切なそうにも見える。


「おめでとうございます。……お姉様はその…ジュード殿下と何をお話しなさっていたのですか?」

お祝いの言葉に続け、リナリアは私へと問いかける。

その意図に気づき、私は口角を上げ…出来る限り嫌味に見える笑みを作った。


「ありがとう…だけど、貴女の質問に答える道理はなくてよ!私が誰と何をしていても貴女には関係ないでしょう?」

周囲に聞こえるよう少しだけ声を張ると、私はジュード殿下の腕に腕を絡ませ…ては無いけど周囲にはそう見える様に近づいた。

ジュード殿下はビクリと体を強張らせたが、周囲には気づかれていなかっただろう。

何故なら、すぐに周囲が騒めき出したから…。


会話らしい会話は届かないが、ヒソヒソと何かを話している声が聞こえ…リナリアは周囲を見渡す。

そして、瞳に涙を溜めると私とジュード殿下を交互に見て…唇を噛み締める。


「し…失礼…致しました。」

震える声で一礼すると、リナリアは私達から逃げる様にし会場を出て行った。


素晴らしい演技力だ!

今すぐにでも女優として彼女は舞台に翔けるだろう!


リナリアの演技力に心を打たれた私だが、慌てて我に返り…ジュード殿下へ顔を向ける。

「ジュード殿下、今夜は楽しいひと時をありがとうございました。」

微笑みながら告げれば、周囲は一層…騒めいた。

主にメアリ様のお仲間方が騒ついている。


「ああ、僕もとても楽しかったよ。」

ジュード殿下はいつもの少し嫌な感じに見える笑みを私に向けると、会場を後にした。

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