侍女長 エイミー
侍女長エイミー視点です。
※不快に思われる表現が有ります
クリスティア公爵家・王都別邸 侍女長エイミー
裕福な商家の次女として生まれた私は公爵家の侍女長としてお世話になっている。
今の公爵家の前は貧乏な子爵家で数年働いていて、また違うお邸で侍女をとお父様に頼まれた時は本当にうんざりだった。
でも、それはすぐに晴れやかな気持ちになったの。
旦那様を初めて見た時、こんなに素敵な方の元で働けるのだと喜んだわ。
婚期も逃したし、妾でも良いから私を気に入ってくれないかしらと旦那様の前ではとても頑張っていたの。
それが功を奏したのか、すぐに侍女から侍女長に格上げしてくれた。
侍女長と言っても子供の世話だけしていたら良いみたい。
子供なんて好きじゃないから適当にやっていれば良いだろうって思っていたけど…
リーマス様は旦那様に似て凄く美しい顔をしていたわ。
必要以上にお世話をするようになって、最近は躾と称して色々と触っては楽しんでいたの。
それに、リナリア様も可愛らしくて…ついつい我儘を聞いてしまうわ。
でも…それが気に入らないのか、奥様は私に注意ばかりするの。
素敵な旦那様に可愛らしい子供達までいるからって、人を下に見てるようで気に入らないから返事だけして無視する事にした。
特に無視したからって何もなかったしね。
今日は初めて双子を見たけど、やっぱり美しかったわね。
でも何考えてるか分からなくて少し気味が悪かったわ。
リーマス様が双子を探すため走ろうとしていたから、諫めるフリをして太腿を撫で回した。
赤面して可愛い顔をするから、ついつい触りすぎちゃう。
いつものようにリナリア様がお昼寝すると、お部屋に入り宝飾品を物色する。
子供にはそんなに必要ないのだけど、いつも少し大人向けに作ってもらっては私の懐に入れている
私が在庫管理してるし、贈り物でない限りバレないしね。
宝飾品を物色してて目を離した隙にリナリア様が起きて叫びながら走り出したから、宝飾品を元あった場所に戻すと追いかけた。
あのお転婆は足が速いからすぐに見失うけど、あの大きな声のおかげで見つけることが出来た。
庭に出るとリナリア様は泣き喚いていて、周りにはリーマス様と双子が居た。
私が目を離したからと非難されるのも嫌だからリナリア様を心配するフリをして、他の子達を睨みつける。
さっさとリナリア様を部屋に戻すと、お風呂や着替えなどを他の侍女に任せた。
宝飾品を隠し持つと私は自室へと急ぐ
自室のドアノブに手をかけて入ろうとしたところで、執事のスティーブに声をかけられた。