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たぶん...悪役令嬢だと思います  作者: 神楽 紫苑
第3章 私リリア!運命が動き出したの。
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本物の番の痕

後半…イチャイチャしてます。

結婚式の後、私とアレスは改めて聖女様へとお礼を言うと…聖女様は嬉しそうに微笑んだ。

「二人の結婚に立ち会えて私の方がお礼を言いたいくらいさ。」

幼い頃、こっちの世界で初めて会った転生者の聖女様。

その存在はとても大きく、そして沢山の相談に乗ってくれた人生の先輩だ。


「さっきも言ったけど、私の魔法は命懸けだからね?ちゃんと幸せになるんだよ!」

そう言って聖女様は私をぎゅっと抱き寄せた。

お母さんでもお姉さんでもおばあさんでも無い…他人だけど近い存在。

堪えていた涙が再び溢れそうになったが、聖女様がそれを許さない。


「さて、これから“本物の番“になっておいで?やり方は教えてあるだろう?」

私から離れた聖女様はニヤリと笑って私をアレスへと振り返らせると、背中を押した。

その勢いで前のめりになったが、直ぐにアレスが私の体を支える。


「どうせなら、退場はお姫様抱っこでもしてもらいな!」

嬉しそうな楽しそうな愉快な声で聖女様が叫ぶと、周囲が私達に注目する。

私は真っ赤になって、慌ててアレスから離れようとしたが…アレスの腕はそれを許さなかった。

スッとドレスごと私を抱き上げたアレスは「今日はありがとうございました。」と大きな声で一礼し、邸へと歩き出す。


「え?ちょっ…!?重いって…重いでしょ!?お…降ろして、アレス!」

「ジッとして、リリア。」

抱き上げられた恥ずかしさとか色々で大混乱の私を他所にアレスはニッコリと笑って答える。

暴れると抱きかかえるのに迷惑かもしれないと…仕方なく身を縮ませると、アレスは私の額へと唇を落とした。


「ふぇ!?」

吃驚して変な声が出てしまい、額を押さえながらアレスを見上げると…アレスは嬉しそうにふふっと笑う。

「今日のリリアは特別…今までで一番可愛いね!」

そう言って今度は私の唇にチュッとキスをした。

「にゃ!?」

驚きと恥ずかしさに変な声が出て…その度にアレスがクスクスと笑う。

何これ…何この甘いやつ!!

…こんなの知らない!こんなの…こんな風に甘いのなんか初めてだよ!

大混乱の中、気がつけば私の部屋へと到着し…私はゆっくりとベッドに体を降ろされた。


やばい…この状況ってかなり危ない!

ど…どうする?…これ多分だけど年齢制限無い作品なんじゃない?

いや、何の作品だか分かんないけど…。

でもでも!キスは許されるけど、それ以上はアウトじゃない?

し…暫くお待ち下さいって看板立てとけばいいの?

どうしたらいいのーーーーー!?


「混乱してるとこ悪いけど…リリアは“本物の番“になる方法を一緒に聞いてたよね?」

「…ふぇ?」

私を押し倒すような体勢で、アレスは私の瞳を覗き込む。

吃驚して再び変な声で返事をすると、アレスは苦笑いを浮かべて私の頭を優しく撫でた。


「大丈夫…やらしい事なんかしないから。十八歳まではって約束だからね?今からするのは互いの首を軽く噛み合うだけだよ。」

アレスの言葉に冷静になると、私はゆっくりと上半身を起こす。

“やらしい事はしない“という言葉が実は少し残念に感じたのは内緒だ。


「リリアから、僕の首に噛み付いてくれないかな?」

アレスはタイを緩め、襟元をはだけさせると私が噛みやすいように襟を掴む。

それだけで鼻血ものだった…何この色気!

エロい…エロいですよ!アレスさん!!

おずおずとアレスの首に唇を近づけ…唇を当てればチュッと音がする。

少しだけ口を開けて歯を当てて噛む。

力加減が分からなくて何度目かでやっと血が滲み…それを口に含んで舐めとった。

「んっ…」とアレスの喉が鳴る音が聞こえて、一気に顔が熱くなる。


唇を離し、噛み痕にハンカチを当てれば…アレスは色っぽい顔で微笑んだ。

その顔に顔面がキュッとなって思わず目を瞑ってしまう。

ま…まぶしすぎるっ!


そんな私の顎にアレスの手が触れ、クイッと上を向くと…柔らかい物が首に当たった。

ビクッと体を震わせると、アレスがクスリと笑い…それが更に擽ったくて身を捩る。

私が動かないように両手をアレスの手が掴むと、首筋にチクリとした痛みが走った。

チュッ…チュッとリップ音が聞こえて羞恥に体が熱くなる。

最後にペロリと舐め上げられ思わず「…あっ…」と声が漏れてしまい、恥ずかしさからベッドへと顔を埋めた。


すると、私の頭の近くでベッドが軋む音がし…。

「…リリア、それはダメだよ?…そんな風にされたら我慢が出来なくなる。」

耳元で囁かれたアレスの声に驚いて振り返ると、目の前にアレスの顔があって…その美しい瞳と目が合った。

甘く蕩けるような優しくも欲望に染まったアレスの瞳に釘付けになる。


「……んっ……」

深い口づけを何度も繰り返し、唇が離れる度に甘い声が漏れ…その声に更に煽られ再び唇を重ねる。

何度目かのキスの後、アレスは指で私の首筋を撫でた。


「…リオンに頼んで傷を消してもらう?」

シャツで隠れるアレスと違い、胸元が開いたドレスの私の首は目立つだろうと問いかけられたが…その顔はどこか寂しそうだったから私は首を左右に振った。

「このままで…スカーフやチョーカーでなんとか隠すよ。…だってこれはアレスと“本物の番“になった大切な痕なんだもの。」

笑顔で答えれば、アレスも嬉しそうに笑って…そして最後にもう一度だけキスをした。


ブクマ・評価・感想・誤字報告ありがとうございます。

キリが悪くて、長くなってしまいました。

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