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たぶん...悪役令嬢だと思います  作者: 神楽 紫苑
第3章 私リリア!運命が動き出したの。
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計画通りですわ!

「ふっ…ジュードは凄い顔で僕を睨んでいたね。」

応接間に着くとリオンが直ぐに防音の魔法をかけ、私達だけになったのを確認してからクロード殿下が話し始めた。


「ジュード殿下にもラライカ様が流した私の噂話が届いているのでしょうか?」

私の疑問にクロード殿下は「勿論!」と即答する。

今日…私達が学園に来ていた事を知ったのがお昼だったとして、もしかしたら明日以降に何か動きがあるかもしれないな。

ウンウンと一人頷けば、クロード殿下は思い出したかのように問いかけてきた。


「聖女様には連絡してあるのかい?」

「はい、手紙を送ったら直ぐに返事が来ました。三日後に王都の教会で会う約束をしております。」

私の返事にクロード殿下は頷くと「スケジュールを調整して僕も行くよ。」と返してきた。


「学園の授業が終わったら直接向かい、リシェ様と獣人達とは教会の前で落ち合います。」

ざっくりと予定を話せば、クロード殿下はウンウンと頷いた。

そうこうしている間に、騎士団長のジン様が部屋へと顔を出す。


「さっきは吃驚したが…あれで大丈夫だったかな?」

ジン様がソファーへと座ると、そう言って悪戯っぽく笑った。

渋いおじ様の茶目っ気のある顔に思わず私の頬も緩む。

イケおじ最高!…なんて思っていれば、いつものようにリオンから小突かれてしまう。


「君達が此処にいるって事は…ワインバル王国で無事に救出と捕縛に成功したんだな?」

「「はい!」」

ジン様の問いに笑顔で答えると、ジン様も安心し顔を緩めた。


そして、ワインバル王国での事を話すと…何故かクロード殿下とジン様が吃驚した顔で話を聞いて…。

話し終えると二人は更に難しい顔へと変わって、私もリオンもどうしたら良いかと顔を見合わせる。


「…とんでもなく面倒な事になったのは分かった。」

ずっと黙って聞いていたクロード殿下がボソリと呟くと、隣のジン様も同意し頷く。

王族が絡んだという証拠が出てしまい…しかも、その人物が現在オステリア王国に留学している訳で…。

ワインバル王国でもどうするべきか悩んでいるに違いない。


「チャミシル嬢と血縁関係がある青年は今はどうしてるの?」

話の途中に出たペルノについても気になったらしく、クロード殿下が私達を見て問いかけた。

リオンと顔を見合わせ、リオンに“どうぞ!“とアイコンタクトをされたので私が答える。


「青年は現在、私達の邸にいます。事件解決後になりますが…彼は私達の使用人として雇う事になりました。」

「「え?」」

本人の希望で!と言うと、クロード殿下もジン様も心配そうな顔で「大丈夫?」と聞いてきたので笑顔で頷く。


「話を聞いたところ、彼は事件の被害者でした。今回の事件の被害者の方々と同じように“今後どうしたい“か質問をしたところ、彼は“行く当てが無い“と答えたので私達の使用人として働かないかと提案しました。」

「彼がもし…僕達を裏切ったとしても、それは僕達に見る目がなかっただけの事ですので何の問題もありません。」

私に続いてリオンも答えると、クロード殿下とジン様は顔を見合わせ…そして苦笑した。


「とても二人らしい答えだね。」

「そうだな、そのように思っているのであれば心配は無用という訳だな。」



そして、今後の事について少し話を詰め…解散となった。

応接間を出る時に、ジン様が私へ近づくと耳打ちする。

「先程の訓練場での遣り取り…何人かがクロード殿下とリリア嬢の事で騒いでいたから、明日にでも噂は広がるだろう。」

その言葉を聞き、私は一度だけ頷くと笑顔でジン様へと向き直る。


「計画通りですわ!」

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