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たぶん...悪役令嬢だと思います  作者: 神楽 紫苑
第3章 私リリア!運命が動き出したの。
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証拠品の捜索開始

「その名で僕を呼ぶな!あんな奴らと一緒にするな…。」

アレスに連れられてきた獣人は眉を顰めて私を睨みつけた。

体自体は痩せ細っていて性別は分かりづらいが、声は低く…明らかに男性の声をしている。


「ちょっと失礼。」

私はクルリと振り返り、運ばれていく男達の一人をとっ捕まえると顔を上げさせた。

先ほど失神したメイカー公爵だ。

パーンと平手打ちをかまし、目を覚まさせると公爵は目を見開き…私の顔を見て怯える。

レディに対してなんて失礼な男だ…と、思いつつも公爵の胸ぐらを掴み先程の青年の方へ顔を向けさせる。


「彼は何者?」

公爵は一瞬キョトンとしたかと思えば、青年を見てフンッと鼻を鳴らす。

「あいつは此処に捨て置かれた男だ。なんでも私に協力をしたいという変わった令嬢がいたのでな…その令嬢を推薦した御方だけでも信用は出来たが、令嬢はこの男を奴隷のように使って構わないと言うのでな…邸の雑用に使っていた。」

ニヤニヤと嫌な笑みを浮かべる公爵を見てイラッとしたが、話は最後まで聞き出さないとなと我慢する。


「つまり、獣人国の国境の壁を壊す手伝いをさせて欲しいと言った彼にそっくりな令嬢がロマネス殿下と共に現れたと?」

「そうだ!我々はロマネス殿下を次期国王へと推していたからな。そんな我々にロマネス殿下自ら手を貸して下さっ…た……え?」

公爵は自慢気に話をし…そして気づいた。


「なるほどね、黒幕はロマネス殿下で間違いないのね?」

「なっ!ひっ…ひっ…卑怯だぞ!」

「つまり認めると?」

否定しないと言うことは認めてしまう訳ですね?

ウンウンと頷くと周囲の異変に気づき顔をあげる。

騎士様方が青い顔で私達を見ているようだ。


「おいっ!今のは本当なのか?」

指揮を取っていた騎士様が駆け寄り、私達を問い詰めると公爵はガクリと項垂れてしまった。

公爵の様子に騎士様は私の方に顔を向ける。


「まぁ…調べればすぐに分かりますよ…きっと。」

「そうか…。」

私の言葉にこれからの事で頭が痛い騎士様は深い溜息を吐くと、直ぐに他の騎士様方に邸の捜索を命じた。


「公爵に於かれましては、とても残念な結果となりました。ペロッと黒幕のロマネス殿下の名前を吐いてしまうなど…彼の次期国王の座は永遠に無いと言っても過言ではございません。」

胸ぐらを掴んでいた公爵の耳元で誰にも聞こえないように囁けば…項垂れた公爵は全身から力が抜けたように膝から崩れていく。


「おやおや、大丈夫ですか?お若く無いのですから無理は宜しくありませんよ?そうですね、皆さんの仕事を早く切り上げる為にもサッサと犯罪の証拠になる物を見つけて差し上げないといけませんね?…え?そうですか?公爵も早く牢屋に入りたい…と、言うことで!」

公爵から手を離すと両手いっぱいに魔力を込める。

私達が此処に乗り込む前に見ていたであろう証拠の数々を探知魔法で探す為、部屋いっぱいに魔力を流した。


「ほうほう…チラッ」

見つかった隠し場所の近くに行き、チラリと公爵を見れば直ぐに目を背ける。

それを確認し執務机の一番下の引き出しに手をやると、公爵は乗り出すように私を見てきた。


「ほうほう…つまり二段目だと。」

「なっ!?」

一番下を開けようとしたのだが、それが一番下か二段目かは公爵からは見えなかったようで身を乗り出したのだ。

鍵がかかっていたので、ちょいちょいと魔法で鍵を開けると公爵がガタガタと震え出す。

そんなにやばい物が此処には眠っているのだろうか?

引き出しは二重底になっているのがモロバレなので、上に乗った書類を退かすと蓋を放り投げる。

書類箱が出てきたので取り出すと、書類箱の蓋を開けた。


「…………。」

「「「「「………………。」」」」」

箱から取り出し…摘み上げたそれは…カツラだった。

汚いので放りげておく。


「なーーーーっ!?」

公爵は慌てて身を乗り出すが、拘束されているので届かない。

そんな公爵を一瞥すると、直ぐに箱へと目を向ける。

他に入っていたのは幾つもの姿絵だった。

ブクマ・評価・感想・誤字報告ありがとうございます。

リリアさんが暴走し始めたようです。

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