王都へ…そして家族との再会
翌日、馬車に揺られ王都へと向かう
王都まではそれほど遠くなく、朝出れば昼には到着する。
「そういえば、馬車の転落事故をリュークには話してなかったな」
お祖父様が突然爆弾を投下した
私とリオンは思わず口を開いて固まる。
「まあ、心配させるのも悪いから黙っていたのよ?あれ以上リリアの意識が戻らなければ話していたわ。」
忙しい両親のために特に外傷もなかったからと報告してなかったようだ。
「それに王都の邸に連れ戻されたら嫌だからな」
きっとこれが祖父母の本音である。
私は領地から離れたくなかったから祖父母の意見に賛成だ。
リオンを見るとうんうんと頷いていた。
相変わらずリオンは可愛い。
同じ顔なのに仕草が可愛いのだ。
私がやると何故か態とらしくなるからしない。
緩やかな景色もいつの間にか騒がしい王都に近づく。
王都の西門を通り抜け王城へと近づいて行くと邸が見えてきた。
高位貴族は城に近いところに邸を設けるらしい
邸の門を潜りエントランスの近くで馬車が停まる。
あれだ、駅とかのロータリーみたいに一方通行で時計回りに進める感じだ。
邸に入りリビングに案内されると両親と兄妹が待っていた。
「リオン、リリア、おかえり。父上と母上も足をお運びいただきありがとうございます」
お父様は嬉しそうに駆け寄り迎え入れてくれる。
祖父母はにっこりと笑みを返す
「「お父様!お母様!お久しぶりです」」
たまたまリオンと声を合わせながら返答すると吃驚した顔をしていた。
特に兄のリーマスは暫く吃驚したまま固まっていた。
「疲れたでしょう?こちらに座ってお茶にしましょう!」
お母様は柔らかく微笑むと席に着くように勧められた
その後ろから妹のリナリアが顔を出し、私たち双子の顔を見比べる。
「同じ顔してる!」
私たちを指差しながら大きな声で叫び、今度は私とリオンが吃驚する。
リオンと顔を見合わせ苦笑すると「リナリアはお母様に似てるね」と声をかけた。
リナリアは嬉しそうに「そうなの!」と答えた。
どうやらリナリアの声はかなり大きいらしい
耳が少しキーンとなり、思わず仰け反るとリオンも同じ格好で仰け反っていた。
「動きも同じ!」
再び私たちを指差し叫んだ。
そのやり取りをリーマスはじっと見つめていた事に、私もリオンも気付くことはなかった。