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たぶん...悪役令嬢だと思います  作者: 神楽 紫苑
第3章 私リリア!運命が動き出したの。
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遠征初日

遠征先は“東の森“と言われる、比較的安全な森だ。

森もそれほど広くはなく、現れる魔獣も少ない。

今は秋で冬眠前に活発になる魔獣が悪さをし出す。

今回の討伐対象はそんな魔獣達だと言う。


移動に約一日かかるので、朝から出発し夕方に到着すると直ぐに野営の準備となる。

翌朝から探索を開始する。

最初の数日は同じ班のいつも班長を務める騎士様に付き、補佐をする。

班長を務める方は師範代を取得済みで、私達を試験する側だ。

ジン様は各班を周り班長に状況を聞いたり、指示を出したりするそうだ。

戦いだけでなく、野営地や準備なども試験の項目に入っているらしく到着すると私は周辺を探索し野営地を決める。



「班長、この辺りはどうでしょうか?」

森へ入って間もない辺り、平な草地で近くには水場もある。

周囲はあまり木が無く、見通しもいい。

「ああ、良い判断だな。ここに野営地を設営し食事と薪拾いと水汲み…後はテントの組み立て、それぞれに分かれるように指示を出しなさい。」

ジン様よりも少しだけ若い班長さんは、周囲を確認し私へと指示を出す。

それを受け、私は班員に声をかけると指示通りに慣れた手つきで作業を始めた。


私のテントは違う所にリオンと組み立てる予定なので、私はここでは班員に混じって作業する。

今日は薪拾いと水汲みを行なった。



夕食を食べながら明日からの討伐日程を確認し、その後はリオンと合流した。

明日からは森の中心地に全班が協力して設営し、そこを拠点に各方面へと分かれての討伐となる。


二人用のテントは少し手狭だが、リオンと二人ならば丁度いい。

屈強な男性だと…ちょっと狭いかなと思う。


「双子だからって若い男女の僕達が一緒で良いのかな?」

寝袋に包まれながらリオンが呟く。

その横で同じように寝袋に包まれた私が思わずクスリと笑う。

「リオンは私を襲う気なの?」

「いや、全然。」

私の問いに即答するリオン…それはそれで魅力が無いのかなと思わなくもない。


「アレスに殺されちゃうしね。」

リオンはどこか面白がって言った。

「アレスはリオンを殺したりしないよ?きっと私と心中すると思う。」

テントを見上げながら言えば、隣のリオンが苦笑する。

「それはもっと嫌だから…やっぱり襲ったりしないよ。」


こうやって二人で夜を過ごすのは意外と多い。

幼い頃は勿論だが、冒険者ギルドに登録してから二人で依頼をこなし…遅くなれば簡単にテントを張って雑魚寝する。

そしていつも決まって話をするのだ。


「いつまで…こうやって二人で居られるかな…。」

少し感傷的になって呟けば…リオンは首を此方に向けて話し出す。

「二人きりで居られるのは少なくなるよね…だけど、もっと大人数で過ごす事が増えるんじゃ無いかな?

僕とリリアと、僕の妻になる人とアレス…そして僕達の子供も!」

嬉しそうに話すリオンに先程の寂しい気持ちは霧散して、私も笑顔になる。

そうか…家族が増えればきっと楽しいんだろうな。


「リオンと二人もいいけど…皆んなと一緒もきっと楽しいね。」

私の言葉にリオンが嬉しそうに頷いた。


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