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たぶん...悪役令嬢だと思います  作者: 神楽 紫苑
第3章 私リリア!運命が動き出したの。
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遠征準備

リオンが脱兎の如く走り去った後、私の近くまで来ていたクレア様は舌打ちをし…戻って行ってしまった。

正直…ガッカリだ。

ヒロインといえば、清楚で儚げで守ってあげたくて…そして控えめで。

そんなイメージだったから大きな声で相手を呼んだり、音を立てて走ったり、舌打ちしたりするクレア様に幻滅してしまう。

まぁ…私の勝手なイメージで、押し付ける気はない。


その後、カフェに行きランチをテイクアウトすると騎士団へ行く途中の中庭でリオンと合流した。

リオンの位置が何故分かったか?そんなのは勘だ。

…と言うのは嘘で、リオンとはこの学園内ぐらいの広さであればテレパシーで話せたりする。



その日も順調に段位を取得し、ジン様からは「まぁ、師範代レベルには達しているな。」との言葉を頂いた。

訓練場で出来るのはここまでで、準師範と師範代の最終試験は遠征で少数を率いて討伐に当たる。

準師範は主に補佐、師範代はリーダーを務める。

明日にでも帰ってくる副団長に再度、簡単な試験をしてもらい…その二日後に騎士団長と遠征へと行く予定が組まれた。

遠征中の授業は冬季休暇で補講を行ってもらえるそうだ。


「それと、君達には関係ないが…来週からジュード殿下とロマネス殿下が騎士団に来るそうだ。」

試験が終わり、遠征に関する説明の途中で騎士団長が思い出したかのように教えてくれた。

遠征は凡そ二週間で、ほぼ私達は殿下方に会うことはないという。


「そもそも、二人の場合は帰ってきたら師範代になるから他の生徒達とは違う事をやってもらうしな。そういえば二人は数字に強いか?」

「「数字?」」

他の生徒は一から訓練を開始するので、私達とは違うという。

数字に強いか?と聞かれ不思議に思い首を傾げた。


「ああ、事務室にも行ってもらおうかと思ってな。」

頬を指で掻くジン様の様子にどうやら騎士団の事務室は結構大変なようだと察する。

私達が了承すれば嬉しそうに笑っていた。


「先生!おやつはどれくらい持っていって良いんでしょうか?」

「…は?おやつ?」

遠征の説明の最後にリオンがジン様に向かって挙手して質問した。


「先生!バナナはおやつに入りますか?」

「え?バナナ?」

リオンの質問の後に続く私の質問に更に混乱したジン様。

因みにこの件は二年前に冒険者登録を終え、依頼を受けた時から私が行っている…ただの冗談だ。

その事をジン様に説明すると何故かツボに入り…暫く笑いが止まらなかった。

見た目が厳ついのに可愛い笑い方をするジン様。

世の女性はキュンキュンするに違いない。


「あっ、冗談ではなく…魔法鞄は持って行っても良いのでしょうか?」

「ああ、問題ない。必要な食材は騎士団で用意していくが個人的に欲しい物は自分達で用意してもらっているからな。」

どうやら持ち込みは大丈夫なようだ。

勿論、遠征の邪魔にならない程度にして欲しいとは言われてしまった。

戦うのに邪魔になっても困るからね。



そして翌日の午後に副団長と対面し、私もリオンも試験をしてもらって無事に合格を貰う事が出来た。

その次の日は遠征に行く騎士団員達の班割を行い、前衛10名と後衛10名で結成され三班に分けられた。

班毎に遠征前の連携訓練を行い、動きを確認する。

ついでに各団員の戦う時の癖や体力なども確認させてもらった。


「前衛と後衛…配置換えは出来ますか?」

私の問いに騎士団長は「任せる。」と言ってくれたので私は早速、配置換えを行なった。

騎士団員は戸惑いながらも位置を変え、動いて貰えば本人達もどこかしっくりくるようで動きが良くなった。

リオンを見ればやはり同じように配置を変えていた。


その後は騎士団の食糧庫に行き、持っていく食材を見せてもらう。

多めに持って行くとはいえ、騎士団は若い男性ばかりだ。

足りるのかと不安になる。

個人的に…いくつか予備を持って行こう。

それと私とリオン用にテントを一つ渡される。

若い女性である私の身を案じての事で、リオンと二人だけで使うように言われた。


そして明日はいよいよ遠征へと向かう。


ブクマ・評価・感想・誤字報告ありがとうございます。


悩みに悩んで二回も書き直してしまった…。


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