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たぶん...悪役令嬢だと思います  作者: 神楽 紫苑
第2章 私リリア!学園に通うの。
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幕間 婚約の儀

アレスからのプロポーズを受けたその日の夜は私とリオンの9歳の誕生日のお祝いをしてもらった。

その時に、私とアレスは両親や家族…マリア様に婚約したいと告げると何故か大人達がバタバタと忙しなく動き始めた。

お父様は執事のスティーブさんやマリーやアリーなど使用人全てに指示を出す。

私とアレスが不安な顔になっていると、背後から祖父母が優しく頭を撫でてくれた。


「大丈夫よ、明日は朝から婚約の儀をしようと考えて動いているだけだから。」

「えっ!?そんなに急いでするものなのですか?」

お祖母様の言葉に私もアレスも驚くと、お祖母様が苦笑した。


「急がないと、他の人に取られちゃったら嫌でしょ?こういう事は早い方がいいのよ。」

ちょんっと鼻の頭を突かれて私もアレスもキョトンとする…が、その意味を理解して顔が熱くなった。

でも…確かに取られちゃうの嫌だし…嬉しいかも?


「お心遣い、ありがとうございます。」

アレスが祖父母にお礼を言うと、二人は嬉しそうに「おめでとう。」と言って両親の方へと行ってしまった。


「アレス!」

マリア様がシャンパングラスを片手に近づいてくると、グラスを持ったままアレスを抱きしめる。

アレスは慌ててグラスを奪ってテーブルへと置いていた。


「良かったな、二人共…おめでとう。」

キリッとクールな印象のマリア様だが、今日は何だかふんわりと柔らかい印象だ。

そして、顔は蕩けんばかりに緩み…私達を祝福してくれる。


「いいか!リリアも勿論、アレス自身もちゃんと大切にするんだぞ?リリア、アレスが無茶しそうな時は止めるんだぞ?」

私達に念を押すと…マリア様はすぐに料理の方へと移動してしまった。

私が不思議に思っていると、アレスが耳元に顔を寄せて…マリア様の番の話をしてくれた。

話してくれるのは良いのだけど…耳が擽ったくて、なんとなく恥ずかしい気分になる。


「早速イチャイチャしてるしーー!!僕も混ぜろ!」

私とアレスが話し終える頃、背後からリオンが私達に向かって抱き付いてきた。

思わず前のめりになり、なんとか足で踏ん張る。


「私もーーー!!」

リオンに続いてリナリアまでもが私の腰の辺りにタックルを決めた。

流石に堪えきれず、バランスを崩すと…アレスが私を支えてくれた。


「もう!危ないだろ?」

すると背後からお兄様がリナリアをベリッと引き剥がす。

リナリアは「ごめんなさい。」と直ぐに謝ってくれたので、笑顔で「大丈夫だよ。」と返した。


「それにしても…やっとか。」

お兄様もリオンも溜息混じりに私達を見る。

その言葉にアレスは嬉しそうな笑顔で「あぁ。」と応える。


「これからは、堂々とイチャイチャ出来るよ。」

更に嬉しそうに…アレスはとんでもない事をお兄様とリオンに話していた。

堂々と…イチャイチャって!?

アレスの横で私がアワアワしていると、お兄様もリオンも更に呆れた顔をする。


「既に堂々とイチャイチャしといて…これ以上何をするって言うんだい?」

…え?そんな既にとかって…してないし!

イチャイチャとか人前でしないし!

更にアワアワすると、アレスが私の腰を引き寄せて…ぎゅぅっと抱きしめる。

そして…おでこにチュッて…ちゅぅって!?


「にゃーーー!?にゃにするの!?」

恥ずかしさのあまりに変な言葉を叫ぶと、何故かアレスとお兄様とリオンに爆笑されてしまった。

人が恥ずかしがっているのに…なんだよ!と蹲れば…。


「お姉ちゃんは…恥ずかしがった顔も可愛いよ?」

と、隣のリナリアにポンポンと頭を撫でられてしまう…もう本当に無理。




翌日、朝食をサッサと済ませた私達は広間へと用意されたテーブルに着く。


「婚約の儀を始める。」

全員が着席したのを確認したお父様は、私とアレスの前に誓約書を置き…婚約の儀が始まった。

婚約中に守らなければならない事や、結婚の時期とか…嫁入りなのか婿入りなのかとか…そう言った細かい事を確認し誓約書として残す。


「結婚の時期だが…成人は16歳なんだが、出来たらリリアが18歳になってからにして欲しい。」

お父様が険しい顔で私達を見たので、私はアレスを見た。

アレスも私を見つめていて、互いにコクンと頷く。

その様子にお父様がホッとした顔をすると話を続けた。


「16歳で結婚する事も出来るが、子を産む際に若すぎると母体が持たない。

出来たら、リリアには安全に子を産んで欲しいからな。」

…子!?…赤ちゃんって事!?

まぁ…そうだよね、結婚したら子作りするもんね。

確かに若すぎると負担も大きいしね。

いや、出産の経験なんか無いんだけど…さ。


「まぁ、子が出来る行為さえしなければ…多少はしても大丈夫だと思うけど?」

同席していたマリア様がサラッと問題発言をし…暫く婚約の儀が中断した。



「では、結婚はリリアが18歳の誕生日を迎えた日にし…アレス君がクリスティア家に婿に入ると言う事で問題は無いかな?」

お父様が話を纏めると、全員が合意し…私とアレスが誓約書へとサインをする。

そして針で指を刺し、誓約書へと血を垂らすと…魔法が発動した。


「これで、婚約は成立した。おめでとう!」

お父様に言われ、私はアレスを見ると…アレスも私を見て微笑む。

それが何だか嬉しくて私も笑顔になると…お父様がどこか寂しそうな顔になった。


「我が家の娘達は…なんでこんなに婚約するのが早いんだろうか?」

「良いじゃないですか、売れ残るよりマシでしょ?」

お父様とお母様がゴニョゴニョと少しだけ揉めたが…その後はお母様が上手く説得してくれて、お父様の機嫌も直ったようだ。


婚約の儀を終え、部屋を出る際にマリア様とお祖母様に呼び止められる。

「改めて、おめでとう。仲良くするのよ?」

お祖母様の嬉しそうな顔に私もアレスも微笑み「ありがとうございます。」と返すと…何故か私とアレスをぎゅぅっと抱きしめるお祖母様。


「…避妊薬はお姉様と相談して安心で安全なのを用意しておくから。」

私とアレスだけにしか聞こえない小さな声で囁くので…私は顔から火が出そうな程に熱くなった。

隣のアレスも赤面して…俯いている。


「ふふっ、婚約出来て本当に良かったわね。」

ブクマ・評価・感想・誤字報告ありがとうございます。

少し体調が悪くて…文章がおかしいところがあったら申し訳ないです。


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