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たぶん...悪役令嬢だと思います  作者: 神楽 紫苑
第2章 私リリア!学園に通うの。
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ホワイトデーツアーにようこそ!

「チャリティーバザーに出したリリアとリナリア嬢の商品は完売したんだね。…良かったね。」

そう言ってアレスは私の頬を撫でる…。


エントランスでやらかした私達はその後、皆んなで昼食を摂った。

そして現在はお父様の提案で二人で庭園に来ていて…何故か隣り合わせで座っている。

こう言った場合、普通は互いの顔が見れるようにって向かい合わせじゃないのかな?

庭園がよく見えるようにって事かな?

椅子の配置は事前に決まっていたし、マリーも普通に私達を案内したし…アレスに「どうぞ。」って席に座らせてもらって…。

それだけでトクンッてときめいちゃったりしたし…。


「リリア…何を考えてる?」

私が思考を飛ばしているとアレスは少し不満気に私の手を取る。

さっきから…なんかずっと触られてるんだけど…気のせいじゃないよね?


「あの…その…アレスがずっと私の事を触っているなって思って…あっ!違うの!嫌とかじゃないんだけどね…恥ずかしぃ……。」

うぅぅ…なんだこれー!!恥ずかし過ぎるぅ…。

チラッとアレスの顔を見ると、真っ赤になった顔を片方の手で隠しながら…「ごめん。」って…。

ごめんって言ってるのに、手は今も繋いだままだ。


「無意識だった…会えて嬉しくて、それを確かめるように触っていたかも…でも嫌じゃないなら触れさせて?」

そう言ってアレスの赤面が私にも伝染して…私の熱くなった頬をアレスが撫でた…。



◇◇◇◇◇


「リリアとアレスのホワイトデーツアーへようこそ!皆様、押さないでくださーい!!あと、お静かにお願いしますね?ここからは僕、リオンがご案内します!」

庭園に近い広間の窓からはリリア達が良く見える。

僕が真っ先にこの部屋に入って様子を見ていると、お父様とお母様が現れた。

続いてリナリアとお兄ちゃん…最後に祖父母まで覗きに来ていた。

因みにその後ろには家庭教師のトレイルさんと僕の侍女のアリー、リナリアの侍女のケリーに執事達も勢揃いだ。


「声が聞こえないのが残念ね…。」

お母様がポロッと漏らしたその言葉に、僕は魔法を発動させる…。

僕の魔法はお祖母様に似て、防音なども出来るが…逆の事も出来る事を最近になって気づいた。

因みにリリアは防音と盗聴の魔法は少し苦手なようだ。


「……嫌とかじゃないんだけどね…恥ずかしぃ……。」

僕の魔法で会話の内容も聞けるようになると、何故か皆んなが僕を吃驚した目で見ていた。

不思議に思ってコテンと首を傾げると、更に苦笑される。


「リオンも…規格外だな。」

お兄ちゃんが漏らした言葉を僕は聞かなかった事にする。

そう言われるのは僕ではなくリリアであって欲しいから。


そう思って庭園の方に振り返ろうとすると、目の端でヒョコヒョコと金髪が揺れるのに気づく。

リナリアが一生懸命に見ようとしてるけど、大人達が邪魔なのか可愛い動きでヒョコヒョコしている。

僕はリナリアの手を取ると背後から抱き締めるようにして二人で庭園を見る。

そんな僕達を少しだけ羨ましそうにお兄ちゃんは見ていたから…。


「お兄ちゃんは僕の背後にどうぞ!」

そう言ってお兄ちゃんの服の裾を引っ張ると…お兄ちゃんは何度か戸惑うような仕草をする。

暫く考えてから…おずおずと僕の背中に抱きついてきた。

少しだけ重みが加わり、リナリアが振り返ると…お兄ちゃんがいる事に目を見開く。


「なんだよ…邪魔なら退くけど?」

「…邪魔じゃない!……嬉しい。」

二人の遣り取りに思わず口の端が上がりそうになる…この二人も見ていてもどかしい…。

ここにリリアが居たら共有出来るのにな。


「お兄様…ごめんなさい。お兄様の部屋に入った事も、大切な物を壊してしまった事も…ずっと謝りたかった。」

僕に背を向けた状態のリナリアが…ポツリポツリと言葉を溢す。

声の感じから…恐らく涙も溢しているのだろう。


「なんで…あんな事したの?」

今度は僕の後ろで声が漏れる。


「お兄様が…お兄ちゃんやお姉ちゃんの事ばかり言うから…寂しかったの。」

震える声に僕は思わず強く抱き締める…。

すると僕の背後から、更に強く抱き締められた。


「今度から…そういう事は言葉にしてくれないと困るよ?…僕もごめんね。」

どこか照れ臭そうな…でも優しい声のお兄ちゃんに僕は思わず微笑んでしまう。

僕に抱き締められたリナリアも「うん。」と言って頷いていた。


リナリアは涙を拭うためハンカチを取り出すと…僕の背後のお兄ちゃんがリナリアへ話しかける。

「リナリアも、そのハンカチを貰ったんだな。」

その言葉にリナリアがキョトンとした顔で振り返る。


「これは…私が刺繍したハンカチだよ?」

僕お得意のコテンをリナリアがすると、今度はお兄様がキョトンとする。


「言ったでしょ?とても可愛い令嬢だって…。」

「えぇぇぇぇ!!」

僕の言葉にお兄ちゃんは大きな声で叫び声をあげるのだった。


ブクマ・評価・感想・誤字報告ありがとうございます。

ちょっと長くなりそうなので、短めに切ってしまいすみません。

やっと…仲直りのきっかけが作れました。


慌てて書いたので…誤字が多かったら申し訳ないです。

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