その後…※クロード視点
※今回はクロード殿下の視点になります。
「あー…、残念だったね。」
と、しか言えないな。
僕は俯いている彼等を見ながら苦笑いを浮かべた。
リオンの言う通り…本来ならば彼等が呼びつけるというのはダメだ。
謝罪する側が相手の都合を聞いて、それから謝りに行くのが正しい。
今回…この部屋に入ってくれただけでも有り難いという訳だ。
ジュードの取り巻き達がサッサと謝罪していれば、きっとリオンも怒らなかったのだろう。
僕でもきっと同じ…いや、もっと嫌味を言ったかも知れない。
「あの…僕達はどうしたら…?」
クリスの弟のジョニーが、不安気に尋ねてくる…。
僕はクリスへと目配せすると、クリスは溜息混じりに答える。
「謝りたいなら相手の都合を聞いて、こちらから出向くべきだよ。どこの世界に謝ってやるから来いって言う奴がいるんだよ…。」
クリスの言葉に何故か全員が驚いた顔をするから、そんな彼等に僕も驚く。
ジュードもきっと同じレベル…いや、もっと悪いのかも知れないな。
「これを機にジュード殿下の取り巻きは辞めるんだろ?なら、しっかり勉強して来年は特進クラスを目指したらどう?」
今回…ジュードは彼等を切り捨てた。
そんな彼等は普通クラスで居づらくなるだろうな…。
だが、碌に勉強をしてない彼等には特進クラスは難しいだろう。
特に今年の一年生は規格外揃いだと言うからな…。
「今のままでは恐らく無理だろうな…。知っているかい?君達が今回相手にしたのは特進クラスのテストで満点を取る子達だったんだよ?」
僕がリオン達の情報を与えると彼等は驚愕の表情のまま固まった。
その様子に思わず笑ってしまいそうになる。
「当たり前だろ?二人は僕よりも厳しい教育を何年も受けてるんだから…今日だって本当なら今頃は邸に戻って復習と明日の予習をしてたんじゃないかな?」
そう言ってリーマスが得意気にリオン達の話をし出した。
朝は早くから…それなのに、しっかりと遊ぶ時間やお菓子を作る時間を確保してると言うのだから彼等のスケジュールは一体どうなっているというのだろうか。
恐らくは僕よりも忙しいんじゃないかと思う。
しかも嫌な顔一つしないどころか、楽しそうだって言うから…本当に規格外だ。
「…一日でも、あの二人と同じ様に過ごしてみたら…二人の凄さが分かるだろうね。」
そんな事をボソッと呟けば何人かがキラキラした目で僕を見る。
僕を見たところで実現させるのはクリスティア家なのだからと、僕はリーマスを見た。
「おい、変な事を言うなよ…。お父様に聞いてみても良いけど…って何でクリス達までこっち見てるのさ!」
クリス達までも興味を持ってしまったらしい…悪い事をしたな。
まあ、その辺はリーマスがきっと何とかしてくれるだろう。
「では、今回の罰則は二週間の謹慎。異議はあるかい?」
僕が生徒会のメンバーに声をかければ、皆が頷く。
異議はないようだ。
「では、今日はもう帰っても良いよ?もうしないようにね!」
そう言って彼等をその場に置いたまま僕は隣の生徒会室へと向かった。
先ほど怒らせてしまったリオンが気になっていたのだ。
あんな風に怒りの感情を全面に出す彼は初めて見た…。
彼はいつだって優しい笑顔で対応してくれていたからだ。
ジルやリリア嬢が付いているとは言え、彼等も困った顔をしていたから心配だった。
扉を開き三人の座るソファーに行けば、そこに座っていたリリア嬢とジルが僕の方へと顔を向ける…。
しかし…。
彼等は何故か苦笑いで私を見返すだけだった。
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