お茶会のあと
リナリアとのお茶会にクロード殿下とのお茶会と立て続けにあり、少し疲れた私とリオンはお夕飯までの短い時間を私室でお休みする事にした。
リオンのお部屋に入ると、私はソファーにグッタリと座り込む。
リオンもお腹を摩りながら同じようにグッタリとしていた。
「お夕飯…食べられるかな?」
「紅茶でお腹がタポタポするね。」
お茶会2連発で、少し動いただけでもお腹の中がタポタポと言う。
ちょっと苦しいな。
「そういえば、さっき何を言おうとしてたの?」
クロード殿下とのお茶会の途中、リオンが私にテレパシーで話しかけて来た事を思い出す。
あの後は二人の秘密を暴かれないように色々と誤魔化していたから…すっかり忘れていた。
「ん?…あぁ!あの時のリリアが凄い事になってたから教えようと思ってたの。」
「え?凄いこと!?」
あの時は平常心を保つために必死で、顔の表情にも気をつけていたつもりだったが…?
「うん、顔は表情が作れていたし顔色も良かったんだけど…首とか耳が真っ赤だったの。」
「えっ!?」
え?そんなとこまでは無理だよ!?
出来るの?修行すれば出来るものなの?
「まだまだ修行が足りませぬ…。」
「頑張って!リリアなら出来るよ!!」
何の根拠もないが…きっとリオンが出来るて言ってくれているので、努力してみようと思う。
出来たら完璧だよね!
「今日は色々と有り過ぎて疲れちゃったよぅ…。」
「ちゃったよぅ…。」
再びグッタリとソファーに凭れかかる。
「…リオンはちゃんとお兄ちゃんぽくて良いよね。」
リナリアとのやり取りを思い出して私はお姉ちゃんぽく無いなと感じた。
前世も今世も妹ポジションが強くて…私にとってリナリアは初めて出来た妹だから、どうやって接して良いのか難しい。
だから、お兄様もリオンもちゃんと“お兄ちゃん“が出来ていて羨ましいのだ。
「え?そう?そんな風に考えた事もなかった。」
自然にお兄ちゃんを出来てるリオンを見習わなければ…。
私も出来る様になると良いな。
「リナリアの事…私、知らない事ばかりだった。」
私の言葉にリオンも頷く。
ケリーとお母様以外の家族は、きっとリナリアの事をあまり知らないんだと思う。
知らなかった…と言うのは家族として問題だ。
幼いリナリアに私達は無責任過ぎた…リナリアはどんな気持ちで私達を見ていたのだろうか…。
「僕はリリアと二人で過ごす事が多くて…他の家族の事を知らな過ぎるのかもしれないね。」
リオンも同じように思ってくれただろうか?
これからは出来る限り、リナリアや他の家族の事も知っていきたい。
「今のままじゃダメだと思う…これからは自分の事ばかりじゃなくて周囲もしっかりと見える人になりたいな。」
「そうだね、僕もそう思うよ!直ぐには無理かも知れないけど、お互いに気をつけていこうね。」
ふんわりと笑うリオンはやはりどこかお兄ちゃんって感じがした。
二人ならば出来るかもしれない…互いに補い合えると良いなぁ。
「まぁ…まずは、ジュード殿下だね。」
「うん、ジュード殿下の事だね。」
互いに黒い笑顔で今後のジュード殿下の事をお夕飯が始まるまでじっくりと話し合うのだった。
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今日は短めですみません。




