表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

最悪のハッピーバースデー

作者: 猫

文明は現代とほとんど変わりません。初投稿です。

「固有異能」略して異能――それは全ての人間が持っている超能力のようなものだ。大体4歳から5歳の間に発現するとされている。







「お父さん、今日は一緒にいれるんじゃないの?」


 この日は少年の5歳の誕生日。ずっと前から約束していたらしい。少年の様子は今にも泣き出しそうだ。


「しょうがないわよ○○、お父さん急にお仕事が入っちゃったんだから。」


「すまんが誕生日は母さんと二人で過ごしてくれ。プレゼントならそこに置いてある。」


 少年はべつにプレゼントの心配をしたわけではない。ずっと仕事で家を空ける父と久しぶりに一緒に過ごせる日だったのに急にできないと言われたことが悲しかったのだ。


「…もう知らない!お父さんもお母さんも大っ嫌いだ!死んじゃえばいいんだ!」


 この時少年は両親が嫌いになったわけではない。むしろ世界で一番大好きだった。ただ上手くいかない現実が嫌になってそれを言葉でぶつけただけだったのだ。













 ……それだけだったのに。



「ぅぺえ?」


   

 その瞬間、少年の両親が()()()

 比喩でも何でもなく雑巾を絞るように捻れたのだ。


 辺り一帯に血飛沫が飛び散り、返り血で少年は真っ赤に染まった。


「ぇ?」


 しばし呆然としていたが、だんだん何が起きたのか理解してきた。死んだのだ。父と母が。



「うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」


 どれくらい泣いていただろうか?喉が枯れ涙も出尽くした頃『それ』は現れた。


 目だ。少年の背丈ほどある大きな目が空間から瞼を開くようにして現れた。


 突然現れた怪物に対して少年は無警戒だった。親を失ったショックでおかしくなったのではない。『それ』は自分になんの危害も加えないと警戒する必要など無いとなく分かったからだ。


突然ドアが蹴破られた。


「動くな!警察だ、大人しく手を上げ…!大丈夫ですか!?」


近所の住民が通報したのだろうか。おそらく警官であろうその男性は周囲の状況に一瞬固まるも、すぐに少年を見つけ駆け寄った。血塗れの少年の無事を確かめるために肩に手を置き、その瞬間警官は捻り殺された。


しばし呆然とするも少年は理解した。父と母を殺したのはこの巨大な目玉の力であると。そしてこれが自分の異能なのだと。


少年は考えることをやめた。


「もう、死にたい。」


一瞬巨大な目が驚くように開かれたが、すぐに元に戻った。そして、少年の目の前は真っ白になった。


(あぁ、これでお父さんとお母さんのところに行ける。)


しかし、目を開けるとそこは瓦礫の山だった。所々に赤いペンキのような痕が見える。それには良く見覚えがあった。


(あれは…さっき見た…血…)


「うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


何が起きたのか理解してしまった。できてしまった。この街の人が全員自分の異能で死んだのだと。


巨大な目は嬉しそうに目を細め、その下の空間から口を出現させて言った。


「ハッピーバースデー、シン。」


――――――――――――――――――


シン=カウス

固有異能『呪神』

シンの命令に何でも従う。しかし、基本殺す、壊す等のことしかできない。

シンに危害を加えるものは自動的に攻撃する。また触れた場合も同様。

今回は異能の発現と同時にシンの命令がでたため両親を殺した。また、シンは死にたいと願ったがシンを殺すことはできないので、シンの死にたいと思う要素を全て無くしてしまえばいいと判断。結果街一つ瓦礫と化した。

面白かったらコメントください。あと誤字やこうしたら良いよっていうアドバイスがあったらコメントください。とにかくコメントください。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ