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地下へ


 差し込む光。


 確認できる範囲には、下に向かう階段。

 その先も続いているのだろうと推測は容易かった。


「灯り要るわね。」

 自然と頷き、

「そうですね。ランプ持って来ましょうか?」


 白頭巾、少しの間。


「そうねえ。できれば松明の方がいいかな?」

 今度は神父、少しの間。


「あります。確か、倉庫に。」

 言い終わらない間で、向かっていた。


 その背中を見つめ、

(やっぱり、せっかちね。)

 笑う口元。



 直ぐに戻って来た神父。その胸には、松明の束を抱えていた。


 その松明の数に、眉と目は呆れ、

「ありがとう…。」

 口は礼を言った。



 束をほどき準備する。


「私は、左手に持つだけにしとくから、適当な数をお願いね。」


 言う前から、予備の腰に松明を数本下げている神父。

「任せてください。」

 

「よろしく…。」

 今度は、口も呆れた。




 階段を降りる白頭巾。


 松明が照らさぬ先は地獄へ続くのかと思える程に暗い。



 しかし、直ぐに階段は終わりを迎えた。


 階段下に設けられた場所は、目の前の木の扉で行く手を遮られていた。


 神父は、振り向き自分達が降りてきた階段を見る。

「まだ、入り口が見えますね。」


 釣られ白頭巾も振り返りる。

「本当。」

 高さにすれば十メートル程。


「さてと。」

 扉に向き直り、

「これは、普通の扉のようね。」

 松明をかざし、監査した。


「ここで正解みたいね。」

 白頭巾が松明で照らしたものは閂の後。


「閂ですか…。」

 自然と口から溢れた神父。


「そう、向こうからこちらへ来させないための仕掛け。」

 改めて口に出されると、現実味を帯びる。

「入る方には効果は無いけどね。」


 白頭巾の言う通りに閂は外されていた。



「行きましょうか。」

 扉に手を掛ける白頭巾。


『ギィー。』

 期待通りの音を立て、扉は向う側へと開く。

 開いてみると判ったのは、木の扉の厚さ。人間が生身で頑張っても破れそうには無い。


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