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ろく 1日1歩、平和な日常を歩く。

テスト週間だからか今日だけでこれを書き上げました。も、もちろん勉強したんだから!本当なんだから!

さて小芝居は置いておいて、どうぞ!お楽しみください!

覚悟を決めたその翌日の放課後。俺はすぐさま理事長室へ行く。コンコンと2回ノックし返事を待つ。


「はーい、誰だい?」


「桐生です」


「おお、入って入って」


許可が出たためドアを開ける。


「失礼します」


「いらっしゃい、どうしたのかな?どのみちカウンセリング室行く予定だったんだけど」


「理事長にのみ、お話ししたいことがありまして」


そう言うと理事長はいつもの少し軽い雰囲気から真面目な雰囲気になった。


「僕だけ、か。何かな?」


「俺の両親について調べてください」


「それは君自身が1番よく知ってるのでは?」


「いえ、恐らく《世界の頭脳》の方が知ってるのではと」


「ふーん、何故?」


「理事長は見てなかったと思いますが使い魔交換を賭けた大会でなんですけど」


「ああ、僕見てたよ。君の戦い」


俺は何故見ていたのかをさほど気にすることなく、続けた。


「なら話早いです。感情が高ぶっちゃった時に俺言ったんです。『母親が殺された』って。俺の記憶では、単独事故により死亡。なら、『母親が死んだ』の方が正しくないですか?あと、ラファが俺の過去は自分と同じくらい酷いものだって言ってたんです」


「確かに天使は揃いに揃って酷い過去を持っていると聞くね」


そう。数は少ないが天使と契約した使い魔使いにアンケートをした結果、全員が途轍もなく酷かったという。ラファも…これは俺が言いふらしていいものではないな。


「はい。その天使と同じって、よっぽどじゃないですか?」


沈黙。理事長は長考した後、口を開く。


「分かった。その代わりあの時のランチの約束にディナーも付け加えてくれ」


「分かりました。ありがとうございます」


「いいとも。美里には今日は行かないと伝えてくれ」


「分かりました。失礼しました」


それから俺はカウンセリング室に寄り、理事長が来ないことを告げ、帰った。


***


夢を見た。


何かがただ燃え続けるだけの夢


その炎の色に、心当たりがあった。


そう、俺の、左目のーーー


***


「………初めて見たな。こんな夢」


俺は呟き、体を起こそうとする。しかし、重い。頭痛もする。体が燃えるように熱い。目眩もする。体温計で体温を測る。38.6度。


「普通に風邪引いてんじゃん」


「りおー」


「ん?どうした?」


「がっこうは?」


「すまん、休む。風邪引いちまった」


「りおのきおくのなかにあった。なんかすんごいつらいげんしょう」


そう言ってラファはトタトタとキッチンに向かって走っていった。と思ったら戻ってきた。


「りお、はいおみず」


「ん、サンキュ。ありがとうな」


「うん」


「…治せたりはできるかい?」


「わたしたちはかぜとむえんだからかぜをなおすまほうとかはしゅうとくしてないし、あるのかもわかんない」


「…自力で治すよ」


俺が諦めたように言うと、それがいいと言われた。そっかあ、風邪と無縁か。


「ふう、朝ご飯はチョコとか入れてる箱にあんぱんとチョコデニッシュがあるから好きに食べて」


「ん」


ラファは短く返事し、俺の部屋を後にした。さて、学校に電話しねえとだな。

学校の職員室に電話掛けるのは面倒いな。美里さんに掛けるか。


プルルルル『はいもしもし』


「桐生です。美里さんですか?」


『そうだぞ。…風邪か?』


「あ、はい。なので休みます、と」


『了解した。安静にな』


「はい。ありがとうございます」


『ん』プツリ


はあ。体が怠い。意識がイマイチはっきりしない。寝るかー。


「ラファー、お昼になったら一回起こしてくれないか?」


「りょーかい」


うし、寝るか。マジで怠い。


***


「りおー」


「…あ、ああ。ふぅ…」


ちっとも怠さが解消されてねえ。


「だいじょうぶ?」


「んー、何とかなるかな」


「そっか」


「昼ご飯は……買ってくるか」


俺はそう言ってのそりと立ち上がろうとする。するとラファがそれを手で止める。


「わたしがかってくる」


「え、でも….」


「わたしがかってくる!」


意地でも聞かないと言わんばかりの眼差しにかなり衰弱している俺は早々に引き下がった。


「分かった。買ってきてほしいもの書くから店員さんに渡してきてくれるか?お金は2千あればいけるな」


俺はバックにメモとお金を入れた財布を入れ、ラファに渡す。


「ん。いってきます」


「頑張って…」


***


「ふーんふん、ふーん、ふふふーん」


スーパーに向かう途中。私は鼻歌を歌いながら歩を進める。なんの歌かは分からないけど理央の記憶にあったものだ。理央がまだ赤ちゃんの頃に母親が歌っていたものだ。理央が赤ちゃんの頃の記憶はその歌だけだったのは赤ちゃんだったから仕方ない。


「ん、ついたー」


スーパー。色々な物が売ってあり、お金さえ出せば欲しい物が買える場所。とりあえず品を扱う人、店員を探す。理央の記憶では緑色のエプロンをしている。あ、いた。


「すみません」


自分自身でも拙いと感じる言葉。天使になるタイミングが早かったせいで見た目や体の発育具合が5歳くらいで止まっている。実年齢はもう理央を普通に超えているというのに。


「はぁーい、何ですか?」


「これにかかれているものをいっしょにさがしてください」


そう言ってメモを渡す。


「わっかりました!こっちだよー」


と言って手を差し伸べる店員。それなりに人がいるので迷子になったら面倒だと思った私は素直に手を握る。

今思ったが私が理央の年齢を越しているのは理央も知ってるはず。なのにあの接し方諸々は何なのだろうか。悪い気はしないし嬉しいんだけど、やはり見た目だろうか。涙脆いのも無関係とは思えないな。

などと考えているうちに店員がメモに書いてある物を全てカゴに入れてくれていた。


「はい、後は、あそこでお金払ってきてね」


分かっていると言おうとしたが意味がないと思い頷く。

私はレジに行き2千円を置く。すると千円戻された。


「はいお釣り108円ね」


「ん」


「ありがとうございました。またお越し下さい」


問題無く終了。後は帰るだけ。…褒めてくれるかな。うん。褒めてくれるさ。


「ふーんふん、ふーん、ふふふーん」


帰り道もこの歌を歌う。この心地良い歌は、歌っていても全く飽きる気配が無かった。


「ただいまー」


余裕で理央に聞こえる声で言う。しかしうんともすんとも言わない。心配になったので様子を見ると、少し苦しそうに寝ていた。

私は少しばかり部屋の温度を下げるために冷気を発生させた。そして私は握る。私と同じくらいに苦しい思いをしているこの手を。


「おもいだせるといいね」


今の私の密かな願い。呟き、祈った。


***


目が醒める。まず感じたのは手。柔らかくてひんやり冷たい。次に全身が涼しさを感じる。ラファが冷気を生成して部屋全体を少し涼しくしてくれたのだろう。そのお陰かは定かではないが怠さが激減している気がする。


「ちゃんと昼は食ったのか」


俺が頼んだインスタントの味噌汁は机に置かれていた。


「……夕方か、がっつり寝てたなぁ」


俺はゆっくりと手を解きラファを抱えラファのベッドに寝かせる。うん、ラファを抱える程度ならいける。

なら料理もいけるんじゃねと、思った矢先にインターホンが鳴る。


「……はーい」


誰だろうと思いつつドアを開ける。


「やあ理央君!会いにきたよっ!」


「お邪魔しまーす」


「………悠さんと、涼音?」


「うむ、お見舞いにね。場所は美里さんに聞いたんだ」


「そうなんですか、それで、その袋は?」


俺は野菜やらが入った袋を指差す。すると悠さんはニヤリと笑った。


「料理でもって思ってね」


そんでもってウインクを決められた。それによって訪れた沈黙を涼音が破る。


「それよか体調は?食べれる?」


「ああ、うん。何なら逆に食欲が有り余ってるかな」


「良かった。じゃあ作るからまだ寝てて」


「お言葉に甘えることにするよ」


何かすると言ってもどうせ止められるだろうし、これ以上風邪を移す原因を増やしたくない。そう思い素直に頷きベッドへ向かう。


「まあ私何にもできないけどね」


と、言いあははと笑う。


「まあ居てくれるだけでも俺は嬉しいよ」


「じゃあそうする」


そして何故か見つめ合う。俺は耐えられなくなって目を逸らしクスリと笑う。もう一度涼音を見ると彼女も笑っていた。

それから悠さんが作った高級料亭のような見た目と味の料理をラファとアルテミスを含む5人で食べ、少し世間話をした後お開きとなった。


「美味かったな、ラファ」


「うん。りおもあれくらいになれる?」


「あー、厳しいかなあ」


「そか」


少ししゅんとした。そんなラファも可愛い。


「まあ、努力はしてみるよ」


俺はそう言い、ラファの頭を撫でる。ラファはそれを気持ち良さそうに受けていた。

俺は思わず、笑みがこぼれた。

淡々と平和な日常が流れる。そんなある日、理央の父親が現れて………

次回、俺の家族


……に、なると思います!変更なんて日常茶飯事!ではでは次回をお楽しみ!

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