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いち 最弱使い魔使いに悲報のようです

三作目ですが頑張ります!処女作であるカタストロフ・クリーク、二作目の異世界召喚されて面倒だと思ったけど心のオアシスがいるので頑張ろうと思うもよろしくお願いします!

学校に行きたくない。

教室に入れば雑魚が来ただのどうのこうの。

机を見れば死ねと書かれていたりとかとか。

校舎裏に連れて行かれては殴られたり蹴られたり金取られたり。

全ては俺が雑魚だから。今の世界実力主義だから。

つらい。

そう思いながら俺、桐生理央は今日も教室へ向かう。そしていつも通り授業受けて殴られて金取られて帰って来る。自分の家に。

…そういえば、今日先生なんか言ってたな。

………………………。

…………………………。

……………………………あ。

使い魔だ。使い魔の召喚しなきゃいけなかった。クラスの奴にはスライム連れてくんなよとか言われた。…気がする。

ま、金取られたんだから、まともな触媒がないのは事実。

とりま魔法陣書こう。俺の魔力は平均の1万分の1。初等魔法どころか紙を数ミリ浮かせることすらできない。それだと発動できるものも限られる。

と、いう訳で20秒で書き終わった。さて、触媒だ。

本来触媒は金塊やダイヤや肉片、肉塊と、そこら辺なのだが、そのそこら辺が1つもない。

………。

…………。

……………。

………………チョコレート?

いやいやいやいやいや。やる気なさ過ぎな。

スライム引く気満々じゃないか。使い魔召喚は引き直しが、出来ない。使い魔使いにとって、運命を分ける、つまり人生をかけたガチャみたいなものである。

金塊とかとかを触媒にしたら☆3以上確定みたいな感じで俺みたいにチョコレートを触媒にすると☆1〜☆5がでる、無料ガチャみたいなもんだ。実際、レア度は5段階じゃない。

D、C、B、A、S、SS、SSSの7段階である。

まあ、チョコレート以外で何かあるかと聞かれても何もなーい、テヘペロ。としか言いようがない訳でして。


「……もう、いっか。チョコレートを授けよう」


さよなら俺の大好物のチョコレートよ。また買ってこよ。


「【我の言葉を聞き入れ、現世に現出せよ。黒き悪魔よ。白き天使よ。どうか。どうか我に祝福を】!」


ちょっとした欲望が入ってしまい、「どうか」を2回言ってしまったがもう終わったことだ!どうにでもな…………

ここで思考が途切れた。暴風が突然吹き荒れ、これを予想していなかった俺はぶっ飛ばされたから。狭い部屋でぶっ飛ばされた俺は見事に壁に激突。後頭部を強打した。そしてその反動で頭は跳ね返り開いていた歯と歯の間隔は狭くなっていき、後頭部を打った影響で出てしまった舌を思いっきり噛んだ。


「ぬううゔうぅぅゔうぅうぅうゔぅぅゔうぅううゔぅぅうぅうぅぅうゔうぅう!」


もはや叫びかも分からないが、叫んだつもりだ。めっちゃ痛い。ほんと痛い。ダブルで痛い。ゴロゴロゴロゴロと痛みにより転げ回る。そうしているうちに、風がなくなった。なので魔法陣がある方を見た。そして息を飲む。

白い翼を広げ、薄い水色の髪がなびき、エメラルド色の瞳をした幼女様がいらっしゃるではないか。…俺に幼女趣味はないのですがね。


「あなたがわたしのますたー?」


ゾッとした。俺はこんなにも可愛い幼女に恐怖を覚えた。なぜ?


「…………………………君は?」


「わたしは……………………………らふぁえる」


ラファエル!?SSS級の使い魔だと!?嘘だろ?


「よろ、しくな。ラファエル。…俺は桐生、桐生理央だ」


「そう。で?あなたがわたしのますたー?」


またゾッとした。なんなんだこの恐怖の正体は。


「あ、ああ。そうだよ。さ、早速、《リンク》しよっか?」


「うん」


《リンク》。それはマスターと使い魔がお互いの今までの記憶を相手の脳に焼き付ける儀式。これをすることですぐに信頼関係が出来るという訳だ。出来ない場合もあるが、結局はマスター抗えないっていうね。使い魔は。

お、送られてきた。ラファエルのきお……く、が。

吐き気を覚えた。彼女の過去を見て、吐き気がした。同時に恐怖の正体が分かった。

だから、恐怖を感じたのか。彼女が人間を信じていなかったから。憎悪を抱いているから。

俺は顔を上げ、恐る恐る彼女の顔を見る。驚いた。笑って、いたから。


「き、君は…」


言葉が全く出ない。何を言っていいか分からない。俺が必死に考えていると、ラファエルが俺の頬に触れてきた。


「あなたは…しんようできる。あなたは、こころやさしいひと。あなたは、わたしとおなじ」


俺と、同じ?バカ言え!お前の方が数万倍も酷いだろ!

気づけば、抱きしめていた。ぶっ飛ばされる覚悟は出来ていた。だが、ラファエルは優しく抱き返してきた。その瞬間、涙が出てきた。


「俺が、守ってやる」


そう言っていた。何も保証出来ないくせに、そう言ってしまっていた。


「ありがとう、りお」


礼を、言われてしまった。…頑張るか。


「おう。ラファエル、ラファって呼んでいいかい?」


「うん」


「ありがとう。じゃあラファ。チョコレート食べるか?」


「りおのきおくのなかにもあった。とてもあまくておいしいやつ。いる」


「はい。どうぞ」


俺は市販の1個1個包まれていると一口チョコレートを手の平に乗せた。するとそのまま食べようとしたのでめっちゃ慌てて止め、取り出し方を教えた。

チョコレートを食べたラファはとても満足気だった。


***


「よし、ラファを起こそう」


翌日、とうとう学校に行く時間になってしまったため、ラファを起こしに行く。

驚いた。起きてた。


「おはよう。ラファ」


「りおのきおくのなかにあった。あさおきたらするあいさつ。おはよう」


「うん。よく出来ました。はいこれ持って」


俺はカバンを渡す。自由帳と鉛筆と色鉛筆とチョコレートが入ったカバンを。


「さて、行くか」


「りおのきおくのなかにあった。がっこうってところにいく」


「そうだぞー。辛いけど行くしかないからな」


「りおのきおくのなかにあった。いじめ」


「あはは、そうだな。ラファが側にいてくれるなら問題ないよ」


「わかった。ぞばにいる」


ラファはしっかりしてるなあ。感心感心。俺の心の支えだ。


「ありがとう」


そう言って頭を撫でる。ラファの頭を撫でた時の嬉しそうな表情はほんと可愛い。


「そうだりお。かわいいってなに?ほめているというのはりかいできたけどそれいがいはぜんぜんわかんなくて」


「え?えーっとープリティー、は英語にしただけだし、何だろう。抱きしめたくなる?愛おしい?ふむ、かわいいってなにって言われると難しいな」


「そっか。…いわれてわるいきはしない」


「そっか。…よかった」


こんな楽しい時間も終わり。教室の前に来た。ゴクリと唾を飲む。


「行こう。ラファは何も言わなくて、いいからな」


「りょうかい」


ガラッとドアを開ける。俺が一歩踏み入れると、クラストップ。山野翔が一言言ってくる。


「おー、雑魚!スライムどこー?」


それを聞いたみんなは大爆笑。いやいや、全く笑えませんよ。


「おいで、ラファ」


「うん」


俺は手招きし、自分の席に座る。その隣にラファが座った。

俺は机の上に書かれている文字を消し、ため息を吐いた。


「ごめんなー、こんなマスターでさ」


「もんだいなっしんぐ」


「どこで覚えたこの短期間で」


「みなさ〜ん、授業はじめますよ〜」


間延びした声が響く。このクラスの担任だ。確か名前は…………………………結城紗南だっけ?


「今日の1時間目は〜自分の使い魔の紹介をしてくださ〜い。では〜1番から」


聞いても無駄。俺はシャットアウトする。声を。


「では〜桐生君〜」


来ちゃった。嫌だなー。シャットアウトしても自分の名前は聞こえちゃうんだよなー。


「…彼女はラファエル。全ての回復魔法を使え、浄化魔法、光魔法、水魔法そして氷魔法を使えます」


「あら〜ラファエルって確かSSS級だったよね〜」


俺は何も答えず、また声をシャットアウトした。そして最後の1人辺りで解除する。


「では〜次の時間のことを言うね〜!朗報だよ〜。あ、桐生君にとっては悲報かな〜」


何だ?俺にとっては悲報?


「次の時間は〜使い魔交換バトル大会で〜す!このバトルは指名制度!誰々君誰々ちゃんと戦いたいと言ったら勝負する。放棄は敗北!勝った方に交換権が渡されるよ!引き分けは交換権どっちも無しだからね〜」


……………………は?

待て待て待て待て待て!悲報中の悲報じゃないか。何だよそれ!


「試合時間は〜授業中だけ〜。授業が終わるとその試合も強制終了で〜す。では、次の時間に戦いたい人います〜?」


手を挙げた。山野翔が。


「桐生君と試合したいで〜す」


「だって桐生君。放棄は敗北だ・か・ら・ね?」


まずいまずいまずいまずいまずい!どうする勝てっこない!どうする!まじで!


「よお、よろしくな、桐生君」


「りお、わたし、いやだ!このひと、いや!」


「……ラファ…………」


「あらら、嫌われちゃったか。まあマスターが俺になったら使い魔は抗えないんだがな」


守るって、言っちゃったもんな。言っちゃったけど、どうしたら………………………あ。

冷静になれ!俺が交換権を持つことは無意味。なら、引き分け。


「分かった。しようか。試合」


「あ、言い忘れてた〜。使い魔は試合に出れないよ〜」


はい予想通り。


「だと思いましたよ。でも、俺の意思は変わらない!」


***


「りお…」


「大丈夫だよ。何としてでも守ってやる。約束、しただろ?」


「うん」


「…ごめんな。ラファ」


そう言って、俺は場外の無いバトルフィールドに立つ。

もしも負けたら、自殺する。あいつの手に渡る前に、自分で死ぬ。マスターが死亡した際、マスターが使い魔の未来を決められる。誰かに渡すか、元の世界に戻すか。選んでいない場合は前者となる。なので10分休憩の間に決めておいた。元の世界に戻すと。

誰も、そこまで覚悟があるとは思っていないだろう。

怖いな。死ぬの。あーあ、まだ死にたくねぇんだけど。

………………。

あと1歩が踏み出せない。どうしよう。


「もんだいない!!」


ラファがめいいっぱい叫んだ。

恐らく、俺が負けることが問題ないんだろうな。死ぬつもりだって言ったら、絶対ああは言わない。

でも、ありがとう。


「勝負だ。山野君」


見せてやる。最弱なりの防衛戦を!


いきなりピンチ。理央は切り抜けられるか。

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