第93話 カルア・デイズ第9話
「なぁなぁなぁ栞ちゃん、はやくはやく」
栞がカルアを保護した翌日、保護の名目として一週間程の休みを貰った次の日の朝である。
「うん・・・、カルアさん・・・?」
朝はやくにおこされて眠たそう目をこする。
「あーっ、栞ちゃん、さんじゃなくてちゃんって呼んでっていったでしょ?」
そう言ってカルアが寝ぼけ顔の栞に顔を近づける。
「ひゃあっ!?」
いきなりカルアが顔を近づけるのでビックリして一気に目を覚ます栞。
「あ、あ、だから近いてカルア・・・ちゃん」
そして目を覚ましたのを確認すると満足そうにニッコリ笑うカルア。
「ささっ、はやくはやく栞ちゃん、今日はここらへん案内してくれるって言ってたから楽しみすぎてはやく起きちゃった」
カルアがニコニコしながらそう言うのを聞いて思い出す。
「あー、確かにそういってたような気がする・・・」
なんとなくそう言ってたような事を思いだし身体を起こして伸びをする。
「んーー、せやったねぇ、それやったら朝ごはん食べていこか」
栞はそういうと台所に移動して顔を洗うと、冷蔵庫から色々と食材をとりだす。
「カルアちゃん、なんか食べられへんモノとかある?」
食材をゴソゴソとさわりながらたずねる栞。
「うーんとね、貝とかイカが無理・・・かな」
照れ臭そうに笑いながら答えるカルア。
「りょーかい、ほな牛肉あるからそれ食べよか」
その言葉に目を輝かせながら栞に抱きつくカルア。
「わぁーい! お肉!!」
「今、包丁持ってるから危ないてカルアちゃん!」
「えへへへ、ごめんごめん、じゃあアッチでまってるね」
そういうとカルアは戻ってテーブルにつき、それを見て調理を始めると、その包丁のリズミカルな音に耳をすまして小刻みにリズムをとりはじめるので、微笑みながらそれをながめる栞であった。
「はいはーい、できたでぇ」
栞がそういいながら、料理を皿に盛って運んでくる、少しスパイシーな匂いがとても食欲をそそる。
「おおっ! なんか美味しそうな匂いなになに?」
食欲を押さえられない感じのカルアが目を輝かせてたずねる。
「ああ、これはなカレー粉ってやつで牛肉を炒めたやつなんや、おいしいでぇ」
そういいながらお箸を渡すと、鷲掴みすると頭にハテナマークをつけて不思議がるので慌ててフォークを持ってくる。
「おおっこれなら使える!」
そういうとフォークで器用に料理を食べ出す。
「ほらほら落ちついて食べなはれ」
そう言ってカルアの頬をふく、そんなこんなで食事が終わり食器を片付ける。
「さて、着替えよか」
そういうと栞は紫のワンピースを取り出して着替え出す。
「それ初めてあった時の服!」
カルアが嬉しそう尻尾を半分振りだす。
「ああ、せやったねぇ」
「私も着てみたいなぁ」
カルアが唐突に首をかしげながら栞をながめる。
「カルアちゃん?」
「いやぁね、そういう服着た事ないから着てみたくて・・・ダメ?」
少し考えて栞が1つのワンピースを取り出す、それはピンクの色合いがふんわりとして可愛いやつてあった、たまには違う色合いの服を欲しくて買ったのはいいものの恥ずかしくて結局着ていないやつであった。
「こんなんしかないけど・・・着る?」
栞がワンピースを見せてたずねると目をパアッと輝かせてうなずく。
「うんうん、最高っ!! いっつもズボンとかやからこんな可愛いやつ着たかったんだ!」
そういうとカルアは嬉しそうに栞からワンピースを受けとり袖を通す。
「おお、似合ってる似合ってる?」
クルクル回りながら栞にみせる。
「はいはい、似合ってるでカルアちゃん」
「ほんと!? ありがと!」
そう言われてカルアは喜んで栞の手を繋ぎ玄関に急ぐのであった。




