第7話 迷子の迷子の仔猫ちゃん第1話
「さて、今回のターゲットはこの猫さ」
圭吾がそういってとりだしたのは一枚の写真、そかには白毛のふくよかな猫がうつしだされていた。
「うわっ、これはまた貫禄のある猫・・・」
ココアが思わず正直な感想を述べる。
「こらこらココアちゃん、言いたい事はわかるけどね? こう見えても俊敏ですばしっこいらしいよ?」
「なんでもリードつけて散歩させてたらいつのまにか首輪すり抜けて、いなくなってたらしいんだよね」
圭吾がそう続けるが、ココアが"そんなアホな"っていう顔をする。
「リードつけて猫を散歩て、それが猫にとっては多分窮屈で逃げたんちゃいます」
そう、猫は本来自由気ままな性格、それなりに社会性はあるものの散歩するのも、食事するのも、寝床につくのも自由なのだ、それをリードつけられたんじゃたまったものではないだろう。
「ま、とりあえずいつもどおりに、聞き込みとポスター刷って情報集めましょ所長」
そういうとココアはよっこいしょと、イスから立ち上がるのであった。
「いやぁ、いつも助かるよココアちゃん」
「所長はもっとちゃんと動いてください」
「いやはや、ていたいねこれは」
圭吾がそう笑いながら答えると、ココアはいつもどおりにまんざらでもなさそうに軽く溜め息を、つくのであった。