第6話 最初の話6
「なるほど、よくわかったよココアちゃん」
「わかってもらえてよかっです所長、まあ人タイプの猫ならわかりませんけど」
腰に手を当てて頷くココアだったが・・・
「しかたない、これは依頼主に返しておく事にするよ」
そう言って一つの封筒をとりだす、それはわざかだが厚みが感じられるモノだった。
「しょ、所長それってひょっとして・・・」
ココアがおそるおそるたずねると圭吾がもったいぶって答える。
「うん、今回の依頼料、そこそこの家でね、溺愛してる猫ちゃんの為ならいくらでも払うってんでとりあえず資金含めての前金五万ほどいただいてきたんだよ」
「ご、五万!!」
その数字を聞いて、葛藤するココア、自分も猫タイプの星人だからわかるが猫は気まぐれなところがあり、行動パターンがつかめないところがあり、探すのは恐らく地味で大変な仕事である。
「けど、五万あったら」
五万あったら、宇宙特区法より補助金はでてるものの、夏になっていく季節しばらくはクーラーの電気代とか心配しなくていいなと思い承諾するココアなのだった。
自分の中で天使と悪魔の戦いを制したココアをみて圭吾が口をひらく。
「心は決まったようだねココアちゃん、さてとりかかろうか」