第2話 最初の話2
「うーん・・・」
NANIWAの一角にある雑居ビルの二階に"暁探偵事務所"と書かれた札がもうしわけない程度にかかっている一室からその声は聞こえていた。
ジリジリと夏の日差しが容赦なく照りつけるこのビルの通路は熱気でむせかえっており、熱い空気が溢れていたので大人2人が通れる程度のはばの通路はまさしく灼熱の地獄のようであった、そして部屋数はこの探偵事務所と空き家三件を含めて四つ程がところ狭しとならんでいる。
そのせいか、聞こえる声はかなり大きめであり、声の主は何か悩んでいるようであったがそれが暑苦しさを幾分か水増ししているようにも感じられた。
ではここで中を見てみる事にしよう、中は広々としていて入ったところに、3人掛けの黒のソファーがガラスのテーブルを挟んで二脚置いてあり、その奥の両端の壁には、みっちりではないにしろホドホドに並べられたファイルが並んだ引き戸の棚があり、それにはさまれるように机が二つ並んでいた。
片方は、机の上に雑然と色々な本と、パソコンが置かれており、もう片方は綺麗に片付けられており可愛い猫のグッズが机を飾っており、声の主は今机に座っている女性であった。
そして、廊下に溢れていた熱気もここの事務所に鎮座しているクーラーによってかろうじて押し止められていたが、ブラインドが閉じられた窓からくる暖かい空気には少し苦戦しているようであった。
そのせいだろう、女性はなるべく窓には近寄らないようにパソコンの画面とにらめっこしていた。




