第116話 ラクーン・ドック大戦 第2話
「あれはなんだ?」
叔父さんが円盤から降りてくる一団を双眼鏡で覗く、よく見ると銃らしきものを持っている。
「どれどれ」
栞も双眼鏡を取り出して覗く。
「まったく阿呆やねぇ、文字通り戦争仕掛けて来たって事かいな」
そう言う栞はその口調とは裏腹に楽しそうであった。
「や、やあ栞さん? ひょっとして楽しんでます?」
圭吾がそういうと栞はカラカラと笑って否定する。
「まさかそんな事はあらしまへん、住人の避難とか加来部署への通達とか大変やし」
とはいつつもどこか楽しそうであった。
「住人の避難って、ここに住んでるやつらほぼ腕に覚えのあるやつらが多いじゃないか、それに市街戦になるならアイツの出番だろ?」
叔父さんが冷静に話す。
「アイツってなんやおっちゃん」
ココアがたずねると、それはだなと説明をはじめる。
「このいろは街は、栞が物流担当を取り仕切っていてな、それで街の警備担当がー」
叔父さんがそういいかけると勢いよく部屋の扉が開く。
「おう、栞っち! なんか私達に喧嘩売ってきてるやつらいるけど知り合い!?」
友達感覚で栞を呼び入ってきたのは、額に立派な角2本生やした人物であった。
姿はパッとみた感じ、やや紫がかった紺色のボブカットが似合う女性の、ようたが細身で引き締まった身体、それに逞しい腕が主張していたし、特殊部隊が着るような身体にピッチリと密着した服で男性と認識するには充分だった。
「コイツがさっき紹介しようとしていた警備担当リーダーの紫紺だ」
叔父さんがそう紹介すると、紫紺と呼ばれた男性は圭吾とココアに気づきおじぎをするのであった。
「どうも、お客様さん私が先程紹介にあずかった紫紺といいます、以後おみしりおきを」
そういうとニッカリと人懐こい笑みを浮かべるのであった。




