第108話 スマートオンライン 第3話
「ほぉ~これはこれはなかなかの出来、一部感触のおかしいのもあるけれど」
圭吾がそういって近くの枯れ枝を触って間色を確かめてみる、確かに枯れた木の感触はするのだがすぐ下の石ころは石というかゴムまりのようである。
「けどこっちはちゃんと石の感触するけど、枝が逆にゴムまりみたいにブヨブヨやなぁ」
ココアが面白そうに枝を弾いて遊びだす。
「にゃははは、なんやこれおもろいで所長」
一度面白く感じるとやめられないのか楽しそうに枝を弾き出すココア。
「ココアちゃん遊んでる場合じゃー」
圭吾がそう言って止めようとした時どこからともなくチャリーンとわかりやすいお金の効果音がして金色の何かが飛び出してくる。
「なんやびっくりしたぁ、なんやろかこれ?」
ココアがそう言って覗き込むとそれは金色の円状のもので地面から少し浮いたところでクルクルと回っており、よくみると真ん中に$のマークが書かれていた。
「なるほどね、これは多分この空間内だけで遣えるお金みたいなもんじゃないかな?」
そういうとココアに触ってみるように促してみる、ココアもおそるおそるさわってみるとまたチャリーンというわかりやすい効果音がなり"100ドル手に入れました"という文字がココアの前に浮かび上がる。
「おお、ほんとやん! どれどれもっとでえへんかな?」
それを見てココアが面白そうに同じ枝を弾くがパキッと乾いた音がして折れてしまいスウッと消えてしまう。
「どうやら、同じところからは出ないみたいだな、けどまあゴムまりみたいな感触のところからでるのであれば・・・」
そういうと圭吾は先ほど拾ったゴムまりみたいな石を地面に何回かバウンドさせてみるとー。
"テテレテッテレー!!"
と何か古くさいファンファーレが鳴り響き卵がポンっと先ほどのお金と同じように飛び出してくる。
「なるほど、かならずしも同じようにものがでてくるわけではないのか」
圭吾がそういうと卵に触るとまたしてもお金の時と同じ様にファンファーレが鳴り響き"卵を手に入れました"と文字がうかびあがる。
「どれどれ手に入れた品はどうやってみるんだったかな確か・・・」
そう言って腕にはまっている腕時計のようなものに触ると最初は栞に遠隔操作でだしてもらっていたHOMEアイコンが出現する。
「どれどれ、このアイテムってやつかね」
そういってアイテムと書かれたところを押すと画面がきりかわり黒い掲示板みたいなのがあらわれるが、よく見ると左上にぽつんと卵と表示されていた。
「お、これだな」
そう言って圭吾が卵と書かれたところを押すと小さい掲示板枠が更に飛び出してきてそこには卵が最初に飛び出してきた時と同じ様にクルクルと回って表示おり、こう書かれていた。
「栄養満点」
その説明分を見た2人は一瞬目が点になってしまうが次の瞬間。
"ブフォッ"と笑いだす、どうやら何かしらツボにはまったようである。
「ハハハッ、栄養満点て今時ほんまに何かしら書くこと他にもあるんやないの」
「いやいや、その前に何で石から卵、センス良すぎる」
そしてひとしきり笑った後ー。
「なんや、笑ったら喉かわいてきたなぁ、バーチャルでも喉かわくんやなぁ」
「そ、そうだねちょうどあそこに"Bar"って書いてある看板があるからいこうか」
そう言いながら圭吾が指差すその先には、西部劇のいかにもといった感じのお店があり確かに"Bar"と看板に書かれていた。
「仕方ないなぁ、今ここでのお金持ってるのうちだけやさかいにおごっといたるわ所長はん」
「はいはい、ありかとうねココアちゃん、後でちゃーんとかえしますよ」
「はいは、いっかいやで!」
「はーい」
などと漫才のようなやりとりをしながら店に入っていくのであった。




