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三月四日 追記
三月四日 追記
もう遅い。
もう遅い。
もう遅い。
彼は焚死した。
なにもかもが遅かった。
彼は死んでしまった。
彼は灰になった。
例えば私がネブカドネザルであったなら!
私は私の偶像を建立し、彼に見せつけ、威厳によって炉の炎を七倍にしていただろう。
では彼はさしずめシャデラクだろうか!
炎を前に平生を崩さず、頑なに真実をのみ胸に抱く。
私と彼、ネブカドネザルとシャデラクはともに炎へ身を投じよう。
ネブカドネザルは燃え尽きるだろうか、王の尊厳の熱に耐え切れず。
しかしシャデラクを殺すのは神の炎のみ。
人間の王の炎などぬるま湯に等しいのだ!
王は最期の瞳に彼をまざまざと見る。
今にも燃え尽きる手を彼の頬へ差し伸べるだろう。
二人は見つめあい、シャデラクは王の最期を記憶に焼き付ける。
「あなたこそ廉直の人であった。私の愛しい人よ」
なんということだろう、私はネブカドネザルではなかった!




