幸運99%
某は、天ヶ崎君と仲を深めるために校門で彼を待ち伏せることにした。早く来てくれないだろうか・・・・。春といえども、朝であればまだまだ寒い。風邪をひかないように注意をしなければいけない。少し人が増えてきたな、そろそろ天ヶ崎君が来るかもしれない。あの絹糸のになめらかで、艶やかな黒髪は天ヶ崎君だ。しかし、あの周りの女子たちはなんなのだろうか。天ヶ崎君の後ろに着かず離れづの距離を保っている。一緒に登校しているのだろうか、けれどもそれにしては、距離が離れている様だし何とも言えない。よし、ひとまずは話しかけてみよう。
「天ヶ崎君、おはようございます。」「!」
なぜ、驚いているのだろうか。同じ学校で学ぶ仲間同士なので、挨拶ぐらいしても大丈夫だと思ったのだがもしかして、天ヶ崎君は、知らない人にはついていかないの延長で挨拶をしないように言いつけられているのかもしれない。天ヶ崎君のご両親は、心配性だな。とりあえず、知り合いになれるように自己紹介をしなければな。
「某は、1年6組の某 かなた といいます。」「知っているよ。同じクラスだし。某さんどうしたの。」「そうでしたか。いえ、同じクラスの学友の姿が見えたので、仲を深めるために教室まで一緒に行かないかと、誘おうと思ったのだ。」あぶない、あぶない天ヶ崎君、某と同じクラスだったのか。天ヶ崎君が先に同じクラスだと述べてくれてよかった、そうでなければ今頃、雰囲気は悪くなっていたかもしれない。
「そうなんだ、俺は一人で来たから、誘ってもらえてうっうれしいよ。」
今、天ヶ崎君舌を噛んだだろうか、いや完璧な彼にはあり得ないな。だが、顔色があまり良くない、体調でも悪いのか。
「それでは、一緒に行こう。」