7.「水人」の中身
都築紫:このお話の主人公。かつて放浪し、灯の調理担当となる。
皆川円:灯の接客担当。
黒瀬夏摘:紫を灯に招き入れた中学生。
「――で、夏摘に連行されたお兄さんがここの料理人になっちゃった訳だ」
「そうなのよ。良い腕よ」
先程から円は美少年と会話をしていた。
――「夏摘」……、ここに俺を入らせた美少女中学生の事だな。見たところ、同い年――同級生か?
「おーい、紫君。ちょっとこっちへいらっしゃい」
――やっぱ、呼んだな、円!昼のピークを過ぎ、人がまばらになったところで、そんな気はしてた……。――俺の話題をするし…。
「紫君。こちら、カッちゃんの幼馴染で、クラスメイトの白石文人君。2人は学年で勉強、スポーツともにトップを争ってるの。水人の中でも特にこの2人は覚えておいた方が良いわ」
まさに、少女漫画のヒーロー的な雰囲気だと思ったけど……中身までとは…。――ん?っていうか――
「水人、というのは、俺らのクラスの愛称みたいなものかな。――っていうか、円さん、大袈裟すぎですよ。俺は、その「水人」の学級委員務めてる白石文人です。「白黒の白」に「石」に「文章の文」に、「人」で、「白石文人」ね。都築紫さん。これからよろしくお願いします」
俺の疑問を察知してか、解説までした少年。正真正銘の天才、ってこういうことを言うんじゃねーのかな。人を見下すでもなく、どちらかというと謙遜する性格。でも、大袈裟じゃなく、その事実を肯定している方が強いかも知れない。
「ああ…こちらこそ…。」
「あー、文人、やっぱりここに居た!「才能ある料理人」見にきたんだろう!」
「おお、匠真、満月。お前らか。」
「へへー、あとで、父様も来るって」
「あら、来られるの、トリちゃん。抜き打ちテスト?!」
「「円さん、久しぶりー!」」
――一気に騒がしくなったな。
呆然としてる俺に対し一気に騒がしくなるテーブル――に居た――。
「あ、紫君。こちら、水人の1人、藤原匠真君と、羽鳥満月ちゃんよ。――2人共、こちらが都築紫君よ。」
「こんにちはー、藤原道長の藤原、に、匠――囲われてるカンジのタクミね。に、真実の真で、匠真。藤原匠真。夏摘や文人のクラスメイトの1人ね。これからよろしく!」
「かっるいなー、匠真は。同じく水人ね。この説明は受けました?―ま、取り敢えず一文字の羽に、何にもつかない普通の鳥で、「羽鳥」。あと、満月って書いて「みちる」。たまに、「月の字」忘れる人、居るのよ。失礼でしょ、紫さんは気を付けて下さいね!4文字で「羽鳥満月」ですから!」
「うわー、お前の名前を忘れるなんて、何て勇者だ、というか命知らずだ…」
「――確かに」
「――凄いわね、それは」
「――ん?3人共それどういう意味!?」
――ハイテンションだなー、揃いも揃って。文人は冷静だが、決して暗いわけではない。むしろ客観的な性格。匠真は逆だな。満月も中々なものだと思うが…。
紫君は無視されている訳ではないんですよ?ただ彼も文人と似て客観性が強いんです。能力は文人の方が上ですが。それにしても匠真…彼、もうちょっと大人しめなキャラにするつもりが…。満月の方がハイテンションな性格は上です。
ここまで読んで頂けてありがとうございました。次回はもっとキャラが増えるので、疲れそうです…。