表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
紫の灯  作者: 志水燈季
来店
5/57

5、紫の実技

都築紫(つづきゆかり):このお話の主人公。放浪し、灯に辿り着く。

皆川円(みながわまどか):灯の接客担当。

荻田雅(おぎたみやび):灯の店長兼調理担当。



「うわー、凄い!上手。雅さん、比じゃない」

「全くだ。引退しようかな」


 好き勝手な事を……。――まあ、褒められて悪い気はしないが…。しかし……。


「うん。合格合格。明日からでも働いて!」


――んな、無茶な…。

 という、俺の目を読み取ったのか、――んな、馬鹿な! というか常識だ!――円が言う。


「気が早すぎ、雅さん!まだ、何の説明もしてないんだよ?」


「流石だな、親父(・・)。買い物には便利なその潔い性格。人にまで、当てはめるなよ、――毎度のことながら」


 円の横から口を出してきたこの青年。名を荻田司(おぎたつかさ)。雅の息子だと教えられたときは流石に驚いた…。

 面接――とも言えないが――をしていたら、入り込み、大体の事情を聴き、「じゃあ、料理しろ!」と言って来た。あれよあれよという間に、とりあえず作らされたのが…。


「美味しい、炒飯!このパラパラ加減が…、絶妙!」

 試食を務めているのは、円。


「円はね、この3人の中で、最も舌が肥えてるんだよ。」

 解説、司。――道理で、いきなりカウンターの椅子に座っていた訳だ……。


「うん、円のOKも出たことだし、――で、いつから働く?」

 名前といい、日付といい、一心不乱な性格だな、この店長。他のことは気にしない。

「僕らとしては、いつでも歓迎です。」

「いや、司君、君が言ってどうする。僕に言わせてよ。」

「そうだよ。せめて私!でしょ!」


――この3人何なんだろう……。いきなり、無銭飲食未遂な奴を雇うのに、誰も反対しないのか!

 平和な奴らだ……。

 そう、思った俺は思わず言っていた。



「良いっすよ。別にいつからでも」


「「「……」」」3人沈黙。


――何で、黙るんだ!!やっぱり言わなきゃ良かったか!


「――あっ!もう消えた。惜しい!」

 最初に口を開いたのは、円。――っつか、何が?!

「うーん、中々貴重なものだな……」

 これは、雅。腕組みまでしてる。

「え、やっぱり?写真、撮っときゃ良かった、紫君の初写真」

 後悔まで、始める司。――へ?俺の写真?っていうか、今……。

「え!ずるい!名前知ってるの?」

 円…。そういえば、教えてなかったか、こいつには。なにしろ、即、料理。だったから、そんな暇も無かった。――教えておくか。隠す理由も無い。



「都築紫。(みやこ)(きず)く、(むらさき)。で、つづきゆかり。調理担当志望」

 円は、一瞬驚いた顔をしてみせたが、すぐに微笑み、

「接客担当の皆川円です。都築紫君、家庭料理食堂、「灯」へようこそ!料理、笑顔、共に素敵でしたよ。」


 灯って、ここの店の名前だったのか…。そんな感じはしてた…。っていうか、俺笑ってた……!?



「だから、円、それ、俺の台詞でしょ!もう、2人して、俺の気持ち代弁するんだから…」


  雅の主張は最後まで無視され続けていた。

そういえば、灯が店の名前だって、書いてなかったような気が…。人名の次は店名…。何だか書きそびれていました…。とにもかくにも、ここまで読んで頂けてありがとうございました。

今回から「登場人物紹介」という立派なものでもないですが、入れていきたいと思います。次からは司も入りますね。よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ