もう、わたしの心が持ちません!?〜メロすぎ幼馴染アイドルとの禁断の恋〜
テレビ画面の中で、完璧なビジュアルとキレのあるダンスを披露しているのは、今や国民的アイドルグループのセンターを務める政宗。
「……かっこいいなぁ」
画面の向こうの彼は、遠い世界のスターそのものだ。けれど——。
「この前の音楽番組か、見てくれてるんだ。てか、なんで目の前に本物がいるのにTVなんか見てるの? 実物にいるじゃん、目の前に」
「ひゃいっ!?」
不意に耳元で囁かれた低くて甘い声に、私の心臓が大きく跳ね上がる。
振り返ると、さっきまでテレビの画面の中にいたはずの政宗が、ゆるっとした部屋着姿でソファの背もたれに肘をつき、いたずらっぽく微笑んでいた。
(……待って、距離近い! 無理無理無理!)
普段テレビで見せるクールな表情とは一転、無防備に乱れた髪と、私だけにしか見せない柔らかい眼差し。このギャップが本当に心臓に悪い。
(しぃ、今日もかわいい。俺が出てるやつ見てくれるの嬉しい。)
心の中でそんなダダ漏れの愛しさを隠しながら、政宗は身を乗り出して顔を近づけてくる。
「い、いいじゃん、別に! 録画してたから見返したかったの!」
慌てて画面に視線を戻すけれど、正解は真逆だ。
(こんな無防備でカッコいいラフな姿、直視なんてできるわけないじゃん! 画面越しで呼吸を整えないと、直視したら心が持たないの……!)
「ふーん……」
政宗は私の隣にすっと腰を下ろすと、長い腕を伸ばして私の腰を抱き寄せ、ポンと自分の膝の上に私を乗せた。
「ちょっと、マサ!? なに、いきなり……!」
「画面じゃなくて、俺を見てよ。……彼女になったからって、こんなに照れられたら、俺まで歯止めがきかなくなるんだけど」
耳元に落ちてくる吐息が熱い。包み込まれるような大きな体温に、頭がクラクラしてくる。
ずっと一番近くで彼が努力する姿を見てきた。夢を叶えて国民的アイドルになった今も、こうして私を誰よりも甘く溺愛してくれる。
「しぃ、こっち向いて?」
頬を優しく撫でられ、逃げ場を失った私の視線が、政宗のまっすぐで甘い瞳とぶつかる。
(もう……本当に、わたしの心が持ちません……!)
芸能界一のモテ男で、私の幼馴染。彼からの甘すぎる攻勢に、今日も私の心臓は限界を迎えていた。




