第2話 地を資本に、資本を力に
「地を資本に、資本を力に」
当時、地租改正への不満を抱えていた地主層は、国家との対立要因に
土地は税負担を生むだけで、売却市場は未整備、担保力を活かしきれない“死蔵資産”となっていた
厚生省は、統合社会保障ファンドの資金を使い地主の土地を適正価格で買い取る仕組みを構築し、地主は現金化によって得た資金を社会保障ファンドへ出資し運用益を得る
国は取得した土地を工場用地・鉄道敷設・水利事業・都市開発・農地再配分 に再利用
地主層の抵抗は消滅し、成長のステークホルダーへ転換
土地買い取りによって得られた大量の資本がファンドに流入すると、統合社会保障ファンドは一気に国内最大の投資主体に
鉄道・港湾・道路
電信・通信網
都市再開発
工場建設(軽工業・重工業)
水利改良・灌漑
各地の学校・病院設立
ゴールド購入による準備強化
等に投資される
「土地は死蔵資産にあらず。民の地を国の礎となし、未来へ運用すべし。」
「土地の所有権を社会的契約の上に再構築したことに、近代日本の成熟を見る。地主も民も利を得、国家も富む。斯くの如き制度こそ“文明の商法”と言うべし。」
結果
・土地の流動化
・資本の集中と効率化
・労働市場の安定
・農業生産性の劇的向上
・工業化のスピードが欧州に肉薄
・財政規律が強固化
・国債依存の縮小
・日本円(円貨)の国際信用が向上
海軍も陸軍も
・統合社会保障ファンドが出来れば社会保障が国の予算から外れるため、国家財政の圧迫が避けられ、ひいては軍事予算の増加につながるかも?
・子育て支援により子どもが増えれば兵も増やせるかも?
・教育が進めば質の良い兵を得られるかも?
・技術が進めば軍事力も飛躍的に上がりる
・「軍人年金」や「死亡弔慰金」、「遺族年金」は間違いなく充実する
と餌をまき、賛成を得る
「軍は国を守る矛である。だが、矛を振るうには、民の信頼と支えが要る。福祉がそれを担うなら、我らは矛としての務めを果たせよう。」
「統合社会保障ファンドは単なる福祉政策にあらず。それは民の貯蓄を国家の戦力へ転ずる“経済兵站”である。兵站の強き国こそ、真に戦に勝つ。」




