第7話 氷河期のお仕事
みなさん就職活動ってしてましたか?
僕の経験則ではあるんですけどね。
人生で一番就職しやすい時期ってあるんですよ。
それは新卒採用の時期ですね。
どの企業も新卒採用の採用枠ってのは用意してあるものでして。
僕もその新卒採用で入社出来たタイプです。
当時は倍率が100倍200倍当たり前の時代だったので運が良かったです。
まぁ運が良かったにも関わらず退職してしまったのですけどね。
氷河期の恐ろしさを痛感したのはその後の就職活動です。
その時期って周りを見ると遊園地が倒産、病院が倒産、建築会社が倒産、銀行も倒産。
今では考えられないような企業が倒産しまくってました。
そんな中で就職活動は大変でした。
そもそも求人が無いんですよ。
それで当面はアルバイトをしようと当時はアルバイト情報誌ですね。
それを買って応募するんですが、その情報誌は10ページくらいしか無くてですね。
バイトですら求人が絞られていて応募できる求人を選べるような状況でも無いんです。
ですから求人を見たら片っ端から応募するんですよ。
それでも求人倍率は何倍もあってですね。
ライバルは元銀行員、元看護士、元医師なんかが相手になります。
僕の同級生は医師免許を取りながら同時に教員免許も取って公立校の教師になった人も居ます。
大安定の公務員がもてはやされた時期でもありました。
まぁ、そんな状況で応募して面接に行った会社は事務所は借りたてのアパートの一室。
給料は歩合制、諸手当無し。
今なら闇バイトかって話なんですけどね。
そんなでも仕事が無いよりはましだと面接が合格して仕事を始めるのですが。
ポケベルを持たされまして勤務時間は無い様なものでどんな時間でも呼び出されます。
ベルが鳴れば事務所に電話をするのですが、通信費は全て自分持ち。
「いつから休んで無いんだ?」と自問自答しても思い出せないくらい休みも無く。
会社の言い分としては「歩合が出るんだから休日出勤とかも無い」だそうでして。
仕事が忙しいのであれば我慢も出来るんですけどね。
氷河期奴隷ですから。仕事があってお金がもらえるってだけでありがたいと。
ちなみに生活保護は受けられないんですよ。
「健康で仕事出来るでしょう?」と言われます。
仕事くれって話なんですけど、そこは管轄外なものでしてね。
仕事が終わると事務所に戻るわけなんですがね。
そこで上司から「酒とつまみを買ってこい」とパシリに行かされます。
「はい」と言ってダッシュで買って来て酒盛りのお相手をします。
酒の相手をして飲めない酒を無理やり飲まされまして。
で、何かやれと無茶ぶりをされたり、髪が伸びて来たから切ってやるとか。
散々と付き合わされて酒も飲まされてゲロをトイレで吐きまして。
まだまだ倒れられません。
ここから気合を入れて後片付けをします。
0時に終われば運が良い方ですね。
翌日は朝の6時でも5時でもポケベルが鳴って仕事に行かされます。
そんなことが毎日のように続きましてね。
ストレスが溜まれば酒盛りで囲っていた鍋だろうがなんだろうが飛んできました。
鍋のお豆腐は熱いです。
ダチョウ倶楽部はすごいなと思いました。
そんな日が続くものですから倒れます。
病院で点滴を打ちながら「申し訳ありません。いま病院で点滴をうってます」
こう説明すると
「点滴持ちながら移動出来るよね?」
それで思いました。
車のドアの上にある手すりって点滴をかけるために作られたのかもと。
頑張ってたのですけどね。
頑張っても体は平気では無かったみたいでして。
退職せざるを得ない状況になってしまいました。
と言うよりは仕事を続けられる体では無くなってしまいまして。
ちょうどこの時のお客様のお嬢さんが良くしてくださいまして。
そのあと押しと言うか助けと言いますか介護と言いますか。
まぁこの時に知り合った女性が後に1人目の嫁ちゃんになるわけですけど。
その話はまた後ほどにしましょう。




