第6話 ブラックジャックは居ない
「胸が苦しい」
胸?と言うか呼吸が苦しい。
喘息の発作とは違う、とにかく息苦しい。
仕事中にそんな症状があって忙しい最中に職場を抜けて病院に行ってきました。
一番近所の独り先生の内科の病院。
貸しビルの中にある小さなところに行って来たわけですよ。
とにかく仕事が忙しかったので、ぱっと行ってぱっと戻って仕事をしたかったんですよね。
そんなこんなでレントゲンを撮って見ましょう。
レントゲン写真を前に先生からの説明をしてくれます。
「右の肺が少し縮んでますね。安静にしてたら元に戻る事もあるから、2~3日したらまた来てください」
とくに処方薬も何をするでもなく戻って仕事するんですけど。
息苦しいのは良くならないと言うよりはだんだん酷くなってきます。
2日後に再度病院に行ってレントゲンを撮るわけです。
先日に撮った写真を並べて「ほら、前回よりも肺が縮んでますね。息苦しいでしょう?」
「息苦しいです。」
「紹介状を書きますね。」
「紹介状?」
「ここでは処置にしようが無いので、肺気胸で有名な病院を紹介します。」
「そうですか。お願いします」
ってことで再再度病院に行くことになったわけなんですが...
職場の反応がね。
「また病院?一回でどうにかならんの?」
「すみません」
そうは言われてもどうしようも無い。
それに苦しい。どんどん悪化してる。
で、紹介された病院に行くと。
「今すぐ手術します」
「いますぐ?」
「ほら、右の肺がこんなに縮んでるでしょう?片肺があれば窒息はしないけど苦しいでしょう?」
「そうですね」
「じゃあ、横になって」
「横になって??ここで?」
「胸に管を通すだけだから。大丈夫。俺を信じろ。すぐ終わらせる。安心して欲しい」
「あっはい。」
もちろん局部麻酔をしてするわけなんですが、
肋間って言うんですかね、肋骨と肋骨の間に膜があるらしいんですが、
この膜って麻酔が効きにくいらしくてね。
2人の看護師さんに両手両足を抑えられて先生が馬乗りになって太い針を胸に刺し込んでくるんです。
体重を乗せてグイグイと。
そりゃあ痛いです。
「あれ?刺さらない?大胸筋が。あれ?」
「ぐぬぬぬ」
痛いんで力が入っちゃうんですよ。
力が入ってパンパンの大胸筋に太いストローくらいある管を通す用の針が刺さっていかないんです。
筋トレの敗北が判明した瞬間でした。
そしてそのまま入院に相成りました。
んで、翌日。
経過を見る為にレントゲン。
「縮んでますね。もう一回くだを刺し直します」
「あー。はい」
再度の施術なんだけど、もう力が入る状態でも無く今度はすんなり?刺さりました。
まぁその間も職場からバンバン電話がかかっていて。
「手が動けば仕事出来るよね?」「足は大丈夫だから会社来れるよね?」
この時は月の残業が120時間とかだったので、そう言う職場はこういう反応になります。
「すみません。絶対安静なので、勘弁してください」
まじで色々と勘弁してほしい。
医療ミスと言うつもりは無いし医者の言うことも正しいのでしょう。
だけど信用は出来なくなったなぁ。
ちゃんと治ったから良しとしましょう。
ところで肺気胸ってクセになるらしいですよ。
タバコは絶対ダメです。
それでもタバコはやめないで吸い続けてるんですけどね。
禁煙でストレスを溜めるよりはずっと心身に良いでしょう。




