第3話 くるまボカン
みなさん車は持ってますか?
僕は田舎暮らしなので車は必需品なんですよ。
なにせ最寄りのJR駅まで車で20分ですからね。
駅には駐車場がありまして、電車に乗り換えるってムーブをする人が多いです。
僕は職場まで5分のところに住んでるので楽なんですけどね。
若い時はと言いますと、やはり車を購入しました。
ラリーとかで見るまぁまぁ良い車を5年ローンでね。
今考えると無理してたなぁと思うんですけど、なにせ若かったものですから。
そんな車に乗ると行くんですよね。峠に。
同僚が何人か集まって3台とか4台で終末の夜に集まってさ。
全員男よ?残念ながら...
車を持ってない人は助手席に乗って「さぁ出発だ」と峠に向うわけ。
バリバリのイニシャルD世代ですから、ユーロビートのCDをかけてね。
テンション上がるのよなー。あれ。
車もそれなりに良い性能だから初心者でもスピードが出ちゃうんのよ。
助手席の奴はうひゃーうひゃー言うのだけどさ。
そいつは頭がちょっとアレな奴でして。
落ち着きがない系のね。あえて言わんけど。
峠を走ってる真っ最中に「CD変えて良い?」とか「トイレ行きたくなった」とか
まぁ。想像出来ちゃうでしょう?そのウザさと言うか。
それでも同期の仲間だしってんで誰も無下にはしないんだけどね。
それで峠って登ったら必ず下るのよ。
当たり前だけどね。
その下りの時って登りの時より運転が難しいのよ。
きついコーナーの時にそいつがやりやがったのよ。
「あぶねー!」って叫んでね。
何をやったと思う??
カーブの最中に「あぶねー」と叫んで助手席からサイドブレーキを引きやがったのよ。
解る人には解ると思う。この非常さ?非情さ?異常さ?
そのまま減速もしないで壁にドーーン!
「怪我は無いか?」
紳士で冷静な俺は聞くのよ。
「ごめん。俺のせいか?ごめん。俺のせいか?」
元気そうだから怪我はなさそうだな。
ってんで降りて車を確認。
フロントから側面がぐっしゃり、フロントガラスもバラバラ。
「これは...」
「俺のせいか?ごめん。俺のせいか?ごめん」
あやまられても元には戻らないし修理って話にするにしても結局は運転手の責任だよなぁ
と考えているところで何やら焦げ臭い。
「おいおいおいおい。まさか」
慌ててボンネットを開けると火が出てるんだわ。
ヤベーヤベーってしてるうちに、仲間の車が来るんだわ。
ヤベーヤベー。
取り敢えず水だ!!水を汲んで来よう!
仲間の車で水を汲みに行くんだけど。
完全にヒヨっちゃってさ。
「ここにヒヨっちゃってる奴いる??全員だよなー!!!」
事故してる車を見ちゃったものだから、超慎重の安全運転で水を汲みに行くわけ。
車まで戻った頃には完全に全体に火がまわっていてデカいキャンプファイヤー状態よ。
ひとつふたつのバケツの水程度じゃあどうにもならない。
警察と消防を呼んで—火を消してもらってー
事情聴取してー
「車は自分でどかしてねー」で警察も含めて解散。
動かない消し炭の車を動かさなきゃならない難問まで残る始末。
深夜の割増料金でレッカーを呼んで保管までしてもらって、確か14万くらいかかったかなぁ。
はぁ~~~。
いま思い出しただけでもため息しか出てこないな。
結局その友人とは弁償とかそういう話にもならずに切れて連絡もつかなくなった。
まぁ友人なんてそんなもんよ。
今回のお話しは僕の人生のほんの一部でしかない。




