俺だから、俺なのに、俺だって
初めて投稿します。
久しぶりに書く小説なので、ちょっと練習という意味で短編書きました。
ごゆるりとお読みください。
風が冷たくて、肌寒いかと思っていたら、日差しのもとへ出ると暖かいを通り越して暑い。
通りを歩く人々を見ると、恋人、夫婦、友達同士、親子、それぞれの笑顔が眩しい。
俺だって愛すべき妻はいる。なのにどうして、こんなにも痛いのか。
空を見上げれば快晴で、雲一つない青空が清々しい程に憎たらしい。
こんなにもネガティブに考えてしまう俺なのに仲間もいる。なのになんで孤独なのだろう。
一歩間違えれば自死を選んでしまいそうになるほど、今日の空は美しくて憎たらしい。
愛されている実感があれば、他に何がなくとも生きていけると思っている。
愛されている実感なんて、じゃあ、どういうものかと聞かれても分からないのだけれど……。
それでも尚、それを求めてしまうのは、きっと俺のエゴなのだ。
今ある幸せに気が付こうともせず、隣の家の芝生ばかりを気にしていて、妬んでいるだけなのだ。
誰かが誰かに愛されている姿を見ること、ただ単純に妬ましかっただけなのだ。
自分が感じることのできていない実感を、誰かが感じられていると言うことが、たまらなく羨ましかっただけなのだ。
実際、この考えが正しいかどうかは分からない。分かったところで何も変わらないし、きっと変えられず、結局また悩むことは明白だ。
しかし、今日の空を見ていると、そんなことはどうでも良いと思ってしまう。不思議なものだ。
好きな人へ想いが届かなかった日、愛すべき人からの愛が見えなくなった日、仲間からの信頼さえ分からなくなった日、どれもが過去だ。
過ぎ去った「過去」を後悔し、未だ来ていない「未来」を憂う。本当に大切なのは今在る日の「今日」だろう。
初冬の澄んだ空気に包まれ、真っ青な空を見ていると、ネガティブな俺なのに前向きになってくる。
なんだかんだ悩みすぎる俺だから、悩むくらいなら一歩進んでみろと言いたくもなる。
俺だって生きている。生きていける。
それでいいか。と思えたところで家路につくとしよう。




