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程良くイカれたこの世界で、俺だけはマトモだと思いたい  作者: 無味あり


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ガチャリ。


トーマはトリギースに肩を組まれ、ギルドマスター室を出た。


トーマはそこを後にするなり、顎に手を当てる。


「…ふむ。」


彼らがギルドマスター室で何をしていたのかというと、それは討伐依頼の最終報告と今回の試験内容の確認。


今回の試験に参加するパーティーは、単独のトーマ含めて、4パーティー。


これらで、ここティスラータから王都まで、とある貴族を護衛するというのが試験内容らしい。


「なんか悪かったな…。せっかくだから、思いっきり嫌がらせでもしてみるかと張り切っていたんだが、どうやらそんな空気じゃなかったらしい。まさかお前が試験前だってのに、あんなに依頼を押し付けられているとは思わなかったんだ。」


「…トリギース。」


「でも、あまりカッコウさんをあまり責めてやるなよ。ここだけの話、最近、魔物の動きが活発でな…。あの人も困ってたんだと思う。」


「…なるほど…それで…か…。」


確かにカッコウは質が悪い。しかしながら、あんな無茶な依頼の出し方をする人物ではなかったのだ。


おそらく本人にも自覚はないのかもしれないが、増える討伐依頼に焦りを持っていたのかもしれない。


「まあ、今日は他の連中もいる。ゆっくりと休め。あの人が言ってた通り、トーマは何もしなくていいからな。(他のやつの試験にもならないし。)」


「そうか…なんか悪い。お前のことを勘違いしてた。ただのイカれた野郎じゃなかったんだな…。」


「ったく…ホント素直じゃないな、お前。」


「いや、素直に思ったことを言っただけだが?」


トーマのその言葉にトリギースは苦笑を浮かべており、どこか苦労性の人物のように溜め息を吐くと、トーマの頭をガシガシと撫で、他のメンバーたちが揃っているところへと向かった。



「よし!それじゃあ、今回の試験内容を説明する前に自己紹介をしろ!」


「わかった、俺はジリッド。コイツら【狼の牙】のリーダーだ。見ての通り前衛だな。」


と、まず荒くれ者という表現が正しい、年齢的に傭兵上がりもしくは兼任の斧を背負った男、ジリッドの5人とも男という華のないパーティーから自分たちの紹介を始め、次はトーマより少し年上の男3人に女性1人というなんとも揉めそうな紅一点のパーティーが自己紹介をしてくれた。


どうやら年長者から順に自己紹介を行うことになったらしく、トーマも短く自己紹介。


「ソロで活動しているトーマだ。よろしく。」


そして、最後にカッコウが将来有望だと言っていた、全員16才の幼馴染だというパーティーの紹介が始まった。


「俺はリーダーのトラスタ。前衛だ。この通り剣を使う。」


「私はシエト。副リーダーで弓を使うわ。」ハッキリ!


「僕は魔術師のラグネ。言わなくてもわかるように後衛さ。」メガネを中指で押し上げ、カチャリ。


「え…えっと…わた、私は…ハイネ…治癒術士です。こ、後衛…で…す。」もじもじ。


さて、これで自己紹介は終わった。


まあ、ずっとトラスタには睨まれているけど、とにかくこれでことに移ることができるだろう。



すると、ちょうどよくギルドのドアが開き、2人の女性が入ってきた。


「どうやら時間通り集まっているようです、お嬢様。」


そうドアを開けた彼女はどうぞと手をやった。


「ありがとう、エマリア。」


おそらく彼女がこの依頼主らしい。


「はじめまして、皆さん。私はメアリー・ティラマリス。このティスラータ含むティラマリス領主の娘です。」



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