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第26話

これからもよろしくお願い致します。

 あれから何年経過したでしょうか。

 首都から少し離れた小さな畑と小屋がある草原。

 季節は春頃。

「んー髭がなぁ」

 渋い顔つきをした壮年の男は、鏡で何度も顎に生えた無精髭を何度も確認していました。

 灰色のビジネススーツをしっかり着こなしています。

 左袖は相変わらず垂れて、右目は塞がったまま。

「アンタ、なにやってんの? レヴェルのボスに会いに行くんでしょ」

 つり目で睨みつけては無愛想を前面に出している女性。

 しばらくの間に成長した妖艶さが漂う体型は母親譲りでしょう。

 動きやすい服装で農作業を行っている最中です。

「アリアン、俺だって男なんだ。少しくらい格好良くしたいさ」

「カナンに会えるからじゃないの?」

「だといいがな。あいつは何で見た目変わらないんだ、なんか俺だけ年老いた気分だよ」

「白髪が生えてる時点でもう終わり」

「……なんともいえないな」

 アリアンは畑に種をまきながらも窓越しから茶化してきます。

 その土地へ踏み込んだ見知らぬ誰か。

 小屋や畑を眺めては何かを探しているようです。

 肩より下に届く黒髪と赤い瞳、真っ赤なマフラーを首に巻いて口元を隠しています。

 しばらくの長旅が原因なのでしょう、ボロボロになったローブは埃まみれ。

 倭刀を腰に差しています。

「それじゃあ行って来る」

 男が小屋を出てきました。

 その姿を発見した途端、隠れていた口元がマフラーから現れ笑みを零していました。

「?」

 男は気付いたのでしょう、遠くにいる誰かに。

「……」

 何も声に出さない、ただ見ている少女。

「お前」

 少女の手首には無数の切り傷。

 何回自分で切りつけたかわからないほど。

 男は慌てて駆け寄ってきました。

 無精髭を生やした男を見るなり少女は、

「ヘンなの」

 面白そうに呟きました。

「お前、なんか雰囲気変わったな」

「そっちこそもうお兄ちゃんじゃなくてオジサンだね」

 明るく微笑む少女はかつての深緑の瞳をした少女を思い出させます。

「オジサンか、ああ、老いてくってのは悲しいな」

「アハハ! そうだ私、今ね、聖母様の護衛をしてるんだよ」

「そうか、凄いな」

「クローンも人間も関係ない、政府の人たちも徐々に内側だけど話も聞いてくれるし、今回政府に初めてクローンが参加できたの!」

「……」

 男は今一度、あの小さかった手を握りました。

 もう、包帯は巻かれていません。

 綺麗な白い肌を眺めています。

「……ここからもっと向こうにレンガでできた街があるんだよ、今はもう廃墟だけど墓地がある。そこに俺の仲間が眠っているんだ一緒に行かないか? 途中都にも寄るが」

 愛するべき人も、と内心呟きました。

「いいの?」

 戸惑う少女に男は頷きます。

「ああ」

 草原の上に立っている少女と男。

 天気は晴天です。

「私の名前、覚えてる?」

「ああ、当然。お前こそ俺の名前覚えてるか?」

「うん! リュウだよね」

「そう。さぁリア、行くか」

 2人は手を深く握り締めあいながら草原を歩いていきました。

 ほんの少しずつですが、世界は変わり始めています。

 クローン研究は未だ続けられていますが、新た作られたクローンの寿命が長くなっているそうです。

 クローンを雇う会社も増えて、区域を分けることもなくなりました。

 ですが、必ずそれを良しとしない勢力もいるものです。

 いずれはクローンを狙うテロが発生し、対クローン用に作られているサーガの実験が密かに行われているかもしれません。

 終

下手な文章ですがどうもありがとうございました。

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