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大聖堂内には神を讃える歌が流れ、普段とは違い煌びやかに飾られた場には、多くの周辺国の国賓の方々が顔を揃えておられる。


その大聖堂内の中央、赤絨毯の敷かれた道を、リルバートン新公爵様のエスコートを受け、エレクシア様がゆったりと歩みを進める。


祭壇の前に立ち、エレクシア様を迎えるのは国王陛下。


リルバートン新公爵様から国王陛下へとエレクシア様の手が移る。


祭壇に向き合い、大神官様の厳かな誓いの言葉に同意して、各々に婚姻誓約書にサインをして、陛下がエレクシア様のベールを捲り、暫し見つめ合った後に口付けを交わされ、大聖堂内に盛大な拍手が沸き起こる。


満面の笑みとはいかないけれど、普段よりも柔らかな表情で微笑まれるお二人。


この後は王都を一周するパレードの後に、婚姻祝賀パーティーが開かれる。


陛下とエレクシア様が豪華馬車に乗り込んだ後は、会場内の人々も続々とお城へと向かう。




どうも。わたくしはエレクシア様専属のメイドでございます。


単なるメイドなので名乗るほどの者ではありません。


卒業パーティーでの騒動に突っ込みを入れ、その後採用試験に受かっていた城でメイドとして働き始めて一年。


最初の三ヶ月は研修の為、色々な部署を転々として、その後に配属されたのが、エレクシア様の療養している場でした。


メイド長自らお世話していたエレクシア様。


卒業パーティーの場から去ったエレクシア様は、貴族牢に真っ直ぐ向かい、ベッドに横になるなり意識を失った。


疲れ果て倒れ、その後は意識も朦朧として、寝て起きての日々を送っていたエレクシア様。


何の罪も無いエレクシア様に罰を与えるわけにもいかず、かと言って卒業パーティーの時に仰っていたように、王家の内情を知りすぎてしまったエレクシア様を、一貴族令嬢として実家に帰す訳にもいかず、一先ずはお城で療養されているエレクシア様。


相当お疲れが溜まっておられたのか、わたくしが配属された三ヶ月目でも、まだはっきりと意識を保たれてはいなかった。


エレクシア様の世話はメイド長自らが行っていたけれど、メイド長はお城に勤めるメイドの総括も任されるお役目。当然忙しくてエレクシア様の世話が出来ない時もある。


わたくしの実家は貧乏子爵家なので、ボケ倒したお爺様の専属メイドを雇うお金もなく、家族全員での介護経験もある事から、エレクシア様の世話を任される事も増えて、お爺様の介護をしていた時のように、ついつい日々の出来事を話してしまっていたら、ある時エレクシア様がわたくしの話に笑っていて、それを見たメイド長がわたくしをエレクシア様専属に任命された。




元王妃や王子はエレクシア様に仕事を丸投げしていて、それだけでなく、宰相や大臣達も自分の仕事をエレクシア様にさせていた事実が判明。


宰相や大臣達は王妃や王子の不正を正直に謝罪したことで、自分達は疑われないだろうと思ってたらしいけど、陛下はとても聡明で明晰だった。


あっという間にエレクシア様に押し付けられていた仕事の内容を調査して、その中には宰相や大臣達が担当するべき案件が幾つも有った事を調べあげた。


当然王妃と王子だけでなく、宰相や大臣達もクビ。


陛下は、優秀過ぎて宰相達に閑職に追いやられていた人材を発掘して、要職に抜擢。


その影には、新宰相となられた侯爵家の次男オズワルド様が関係していらっしゃるとか。


オズワルド様は、陛下の学園生時代首席を争ったご学友だった方なのだとか。


新宰相様は、閑職に追いやられながらも、国内の情勢や元宰相や元大臣達の動向を密かに調べており、外交から帰国された陛下へと速やかに報告され、調査にも加わり、閑職に追いやられても尚、国のためにと手を尽くしていた方々を、空いた大臣の席に大抜擢されたそう。


新宰相様が見出だし、陛下が承認された新大臣の方々はとても有能で、これまで自分の地位を守ることに固執していた宰相や大臣達の杜撰な政策の抜本的な見直し、と言うのが行われたそう。


宰相始め大臣の方々も、一気に若い世代に入れ替わったので、お城の中もとても活気付いたし。




三ヶ月間メイド長が手厚くお世話をしたエレクシア様は、徐々に健康を取り戻し、その後、わたくしが配属された頃から、心の方も回復していった。


そうすると、幼い頃から詰め込み式の教育を強いられ、その後の仕事漬けの日々を送っていたエレクシア様は、自らは何もせずただ世話をされる日々に落ち着かなくなったようで、陛下との面談が許された際、仕事が欲しいと申し出られた。


陛下はこれまでのエレクシア様の働きを認めておられ、休養を勧めたけれど、お医者様の勧めもあり、無理の無い範囲での仕事を始められた。


これまで息付く間も無く働いていたエレクシア様は、却って何もしないことがストレスになる恐れもあるとのこと。


そんな状態にまで追い込んでしまった事を、陛下や新宰相様はとても反省されている様子。


それでも三年間、ほとんど国内政策の中心となって執務をこなされてきたエレクシア様は、その能力を遺憾無く発揮され、陛下や新宰相様や大臣の方々の大きな助けになったそう。




そもそもの話、陛下が国内情勢に目を向けてさえいれば、こんな騒動は起こらなかったのだけど、何代も前の陛下が武力に勝る隣国国王の理不尽な要求を断った事でいさかいが起こり、隣国との関係が悪化、それは代替わりしても続き、小競り合いからの戦争を回避されようと、代々の陛下は周辺国との同盟関係を結ぼうと奔走されてきた。


それを阻止しようとした隣国からは何人もの刺客が送り込まれ、その刺客によって前陛下は命を落としてしまわれた。


前陛下が命を落とされる寸前、今後を憂えた前陛下は、今生陛下の婚約を決め、その後に生まれるだろう子供達の婚約もお決めになってお亡くなりになられた。


証拠がなく、隣国に攻め入る武力もなく、十五歳と若くして即位された今生陛下は、急遽婚約者である元王妃と婚姻し、数日共に過ごされただけで、前陛下の意思を継ぎ、周辺国との同盟を結ぶために外交に出られていた。


自国に帰れるのは月に数日程、その数日も、小競り合いの絶えない地の視察や騎士団への慰問に当てられ王都へ戻られるのは数年に一度の頻度、それがこの十五年。


無事に同盟関係が結ばれ、やっと国内に目を向けられるとなった矢先に、卒業パーティーでの騒動。


調べれば調べる程出てくる不正の数々。


それを国民の命に関わるギリギリのところで阻止していたエレクシア様。


前々陛下の時代から宰相や大臣だった者達が幅を利かせる中、一見宰相や大臣達の言いなりになっているように見せかけて、国民に向き合った政策を行っていた、と言うのだからエレクシア様は天才なのだろう。


噂では新宰相様が職を辞してエレクシア様を宰相にしようと試みたとか。




まあ、そんなドタバタも、エレクシア様の専属メイドであるわたくしも否応無く目の前で見せられてるのだけど。


新宰相様は事実エレクシア様を宰相にしたいようだけど、エレクシアさまご本人は全く乗り気ではない。




「貴女様のその才能を、是非ともこの国の為に役立てて頂きたい!そうすればこの国はより発展するでしょう!この国には貴女が必要なのです!」




端から見ると、妻も子もいる新宰相様が、熱烈に未婚令嬢であるエレクシア様を口説いているように見える。


あまりに熱心になりすぎて距離が縮まってくれば、専属メイドとしてエレクシア様との間に割って入ることもしばしば。


エレクシア様は宰相職には心動かされない様子。


無表情ながらたまにウンザリした空気を醸し出してるもの。




エレクシア様は、長年の虐待に近い教育とその後の仕事の丸投げ、婚約破棄等々の慰謝料を、王家と、元王妃と王子の個人資産から、公爵家当主夫妻の個人資産から、元宰相や大臣達から、とかなりの額受け取っているので、仕事をしなくても今後一生働かなくても贅沢な暮らしが出来る余裕がある。


宰相職になど就いて、また仕事漬けの日々には戻りたくないんじゃないかと思う。




そんな予想をしていたある日、メイド長とわたくしへの呼び出しがかかった。


呼び出した相手は新宰相様。


しがないメイドが断れる筈もなく渋々指定された応接間に行ってみれば、そこには新宰相様だけでなく陛下までおられた。


慌ててカーテシーでご挨拶して、緊張のあまり固まっているわたくしは、新宰相様に促されて着席させられた。




「本日は呼び出しに応じてくれてありがとう」




話し出したのは新宰相様。


メイド長は黙礼するだけで特に何も言わなかったので、一応私も礼をしたあとに、




「いえ」




と、粗相をしてはいけないので言葉少なに返すことしか出来ない。




「今日呼び出したのは、リルバートン公爵令嬢の事なんだ」




リルバートン公爵令嬢って誰?と一瞬思ったけど、すぐにエレクシア様の事だと思い出した。


エレクシア様ご本人も実家のリルバートン公爵家の話は一切しないので忘れてた。




「リルバートン公爵令嬢はこの国にはなくてはならない人物な事は、君達も理解しているだろう?」




当然!とばかりに頷くメイド長の横、




「ええと、大変優秀な方である事は分かります」




毎日のように貴方が口説いてるからね!と心の中でのみ突っ込む。




「だが幾ら言葉を重ねても、リルバートン公爵令嬢は宰相への就任を承諾して下さらない。そこで、常にリルバートン公爵令嬢のお側に支える君達ならば、リルバートン公爵令嬢を説得出来る方法を思い付かないかと呼び出したのだよ!是非意見を聞かせてくれたまえ!」




意外とポンコツよね?この新宰相様。思わずメイド長と目を合わせてしまう。


失礼な事を考えながら、キラキラした目で見てくる新宰相様を見る。


メイド長が何やら目で訴えてくるので、渋々自分の意見を言ってみる。




「ええと、卒業パーティーの時に、エレクシア様が仰ってたように、長年重責を押し付けられ、使い潰された、とまで仰っておられたエレクシア様は、心身の健康を取り戻すまでに三ヶ月もの時間を要しました」




失礼かな~?無礼になるかな~?とビクビクしながらも正直な気持ちを伝えてみる。




「ああ。それは本当に申し訳なかったと思っている」




陛下を落ち込ませてしまった!




「そ、そうではなく、責めているのではなく、その様に追い詰められてしまったエレクシア様に、どれだけ仕事に魅力があると語られても、優秀さを褒め称えたとしても、エレクシア様のお心には響かないのではないでしょうか?」




新宰相様も陛下も無言になってしまった。


隣のメイド長は激しく頷いてるけど。




「では、どうすれば良いのでしょう?リルバートン公爵令嬢程の方を、離宮で幽閉などしてしまえば、国の損失です!」




嘆く新宰相様に、言ってやんな!とばかりに力強く頷くメイド長。




「エレクシア様は、それをお望みなのかもしれませんが、この国の一国民としては、エレクシア様がその類稀な能力を存分に発揮され、どの様に国が発展していくのかは見てみたいものです」




「そうでしょうとも!ですが承知して頂く方法が皆目見当も付かず……」




新宰相様興奮し過ぎじゃないかしら?




「そうですね。エレクシア様のお心を動かしたいのであれば、仕事のお話ではなく、今まではろくに与えられなかった愛情面での接触を図っては?」




「いえいえいえ!私には愛する妻と子が!」




「いえ!宰相様ではなく!」




「え?ああ、そうですよね!ハハハハ!」




大丈夫?このポンコツ宰相様?仕事は出来るらしいけど、前宰相みたいな老獪な雰囲気とか、見るからに切れ者と言った雰囲気皆無なんだけど?メイド長の目が冷え冷えですよ?




「いらっしゃるでしょう?少々年齢差はありますが、エレクシア様がお隣に並び立っても全く遜色無いどころか、エレクシア様を従えてもあまりあるお方が」




メイド長が良~い笑顔で笑ってる。


私の意見はメイド長とも同じ方向のよう。




「はあっ!そう言う事ですね!確かに!何故私はその可能性を考えなかったのか!そうですよ!その方法ならば、全てが上手くいくじゃないですか!」




ずっと考えてた。


優秀で美人で優しいエレクシア様が、このまま埋もれるように世間から消えて行ってしまうのは勿体無いって。


新宰相様のように能力重視で考えてたんじゃなく、今まで辛いばかりだったエレクシア様を幸せに出来るのは誰か、って。


そして思い付いたのはこの国の頂点に立つお方。


幼い頃から仲の良かった婚約者を病で亡くし、喪も明けない内に決められた前王妃とは、完全な政略結婚で、愛情を育む暇もなく各国を奔走されていた陛下。


聡明で明晰で誠実な陛下は、二度目ともなれば、間違いは犯さないでしょう?


エレクシア様を大人の余裕で甘やかせられるでしょう?


親にも周囲の大人にも愛情を与えられず育った令嬢なのに、エレクシア様はちゃんと愛情が何であるかを知ってた。


それは凄い事だと思う。


以前聞いた話では、元王妃の代わりに行った孤児院の慰問で、子供達と触れ合う内に色々な事を学んだのだとか。


親を亡くした子供達は、愛情に飢え時には乱暴な行動に出たり、攻撃的な口調で相手を責めたりしてしまう事もあって、そんな子供達を見て触れ合う内に、自分にも愛情を求める子供のような心があった事を知ったそう。


それを素直に表現出来る場所がなかっただけで、幼く柔らかく繊細な心が、自分にもあったのだと気付いたそう。


そんなエレクシア様を、溢れる程の愛情で抱きしめられる大きな存在は、他に居ないでしょう?


ちなみに孤児院の子供達からは、卒業パーティーでのあの乱暴と言うか、はすっぱな平民言葉も習ったのだと、インパクトのある口調で訴えれば、日頃から聞く耳を持たないザクセン様にも伝わるかも?と思われたと、照れたように恥ずかしそうに仰られていた。凄く可愛かった。


たぶん私とは別方向からの視点でエレクシア様を評価していたメイド長とは、特に話し合った事はないけど、意見は一致していたよう。


大興奮の新宰相様に退出を許され、部屋を後にする。




新宰相様がどう陛下を説得したのか知らないけど、陛下はエレクシア様との時間を持つようになられた。


エレクシア様ご本人も、陛下の息子で婚約者であったザクセン様には欠片の愛情もなかったそうで、陛下との時間をとても不思議そうに、でもとても穏やかに過ごされている。


二人で過ごされる時間が増える程に、お互いを思う気持ちは深くなっていくのが目に見えるよう。


そんなお二方を近く遠くから見つめる目の多いこと多いこと。


皆様生温かく見守ってる。


新宰相様や大臣の方々は生温かくと言うよりも、若干ニヤニヤ気味だけど。


エレクシア様は嫌がってはいないけど、戸惑いが大きいみたい。


悩ましい溜め息が増えた。




そんな、徐々に距離を縮めていくお二方を遠目に見てニヤニヤの止められない新宰相様や大臣の方々は、密かに婚姻式の準備に取り掛かっている。


大聖堂の日程の確認をして、招待客のリストを作り、予算の概算を出して、パレードの道順を選定して安全確認と治安をより良くする為に巡回を増やして。


これ、エレクシア様が婚姻に同意したら、婚約期間無く即婚姻に持っていかれるのでは?と暴走気味な周囲を呆れた目で見ていたら、普段冷静に物事を見ているメイド長まで暴走しだした。


パーティー会場の飾り付けをどうするかを執事長に相談し、出される料理のメニューを料理長に相談し、服飾担当のお針子を集め、ウエディングドレス用の刺繍の図案を吟味して、国中のレースを集めさせ、宝飾品に使われる宝石の産出地を調べだして。


メイド長は自らお世話していたエレクシア様を相当気に入ってしまったのね。


噂に聞く前王妃は、ろくでもなかったらしいからね。




密かに、でも熱狂的に周囲が盛り上がるなか、陛下はゆっくりと、でも着実にエレクシア様との距離を縮めていき、最近では成人直後の令嬢には目に毒なくらい色気を駄々漏れにしてエレクシア様を見つめてる。


油断して正面から陛下の微笑みを見てしまったメイドが、何人犠牲になったことか。


改めて思うけど、陛下って有能なだけじゃなく、容姿も凄いのよね。


陛下のご兄弟も、その優れた容姿を求められ、他国へと嫁がれて行かれたし、同盟関係にも大いに活躍されたそうだし。


わたくしから見れば、もう色々な面で天才過ぎて、遠くから眺めるだけでお腹いっぱいだけど。


あんな容姿も中身も整い過ぎた方の隣に立つなんて、考えただけで無理なんだけど。




案の定、と言うか、周囲が無言でガンガン推す気配に負けたのか、陛下の駄々漏れの色気に落とされたのか、エレクシア様が陛下の求婚にうなずかれたのを見た周囲は、それはもうお祭り騒ぎで婚約期間などすっ飛ばして、最速で婚姻式の準備に取り掛かった。


その勢いは、陛下とエレクシア様を唖然とさせる程の勢いだった。





まあ色々ありはしたが、無事婚姻式が終わり、パレードを経て婚姻祝賀パーティー。


何故か新宰相様とリルバートン新公爵さまが手を取り合って号泣してるけど。


周辺国から招待されてパーティーに参加されている、陛下のご兄弟姉妹の方々も心から祝福されている。




陛下とエレクシア様の年の差は十六。エレクシア様の倍近い年齢差があるけれど、不思議とお二人が並ぶ姿はしっくりときて、何の違和感もない。


並んでいる姿を見たことはないけど、前婚約者の元王子ザクセン様と並んでもこうはならなかっただろう。


前陛下が急逝され、若くして即位された陛下は、隣国の情勢を見ながらも周辺国との同盟を結ぶ為に奔走されて、と誰が見ても苦労の連続だった。


それを支える筈の妻と息子はどうしようもなかった。


そんな苦労の絶えない陛下に、若く有能で美しい、新しい妻が出来た。


前王妃の仕事を肩代わりして、よく孤児院への慰問や、貧民街での炊き出しにも参加されていたエレクシア様は、平民からの人気もあり、国中から祝福されたのは当然のように思えた。




そんな祝福ムードに浮かれる中、国中の貴族を招待した以上、招かれざる客も来てしまう。


陛下やエレクシア様を自分の婚姻相手として狙ってた紳士淑女の方々はまだ可愛らしいもので、周囲の雰囲気に押されて顔を引き攣らせながらも一応祝福してるし。


でもそんな方々とは違い、一際不穏な空気を醸し出している一団は、何故か会場隅に固まって、ギラギラとした視線を陛下とエレクシア様に向けていた。


事前に来るだろう事を予測して、騎士に見張らせてはいるのだけど、どうにも嫌な予感がしてしょうがない。

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[一言] 王様と結婚…やらかした王家に 気持ち悪い >噂では新宰相様が職を辞してエレクシア様を宰相にしようと試みたとか また使い潰す気なのかな?バカなの?
[一言] 日本でさえ機密を漏らさぬように天下り先という受け皿があるんだから、大臣達は幽閉とかにならないのだろうか?
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