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はい!予告してみた短編です。

全三話、1日一話投稿します。

よろしくお願いいたします!

「エレクシア・リルバートン!貴様との婚約は今日限り破棄する!お前のような浅ましく悪辣な令嬢との婚姻など考えられぬ!そして!私はこちらに居る私の最愛!アリュール・リルバートンを新たな婚約者とする!」


まるで演劇の一場面かのように、晴れやかで華やかな卒業パーティーのど真ん中で、突然始まった婚約破棄騒動。


パーティーの片隅で料理片手に友人達とお喋りを楽しんでいたのに、無粋な大声で中断されて気分が悪くなり声の方に振り返ったら、何と!騒動を起こした張本人はザクセン王子殿下。

しかも婚約者である筈のエレクシア様に対峙してその実の妹の腰を抱いての宣言。


「え?これって何かの余興?ザクセン殿下自ら?」


思わず呟いたら、


「バカねそんな訳ないでしょ!生徒だけならまだしも、ここには父兄も参加されてるのよ」


隣の友人からこそっと指摘された。


「そ、そうよね。ならあれは本気で言ってるって事?」


「あの方々も無い頭を使って企んだんじゃない?こんな大勢の居る公の場で宣言してしまえば、王妃様でも取り消すことは出来ないって?」


「無い頭って、貴女も中々言うわね?」


「本当の事じゃない。この学園の生徒なら全員が知ってることだわ」


「まあそうだけど」


ザクセン殿下とアリュール様が在学中からずっと不貞行為に励んでおられたのは学園内では有名な話。

本人達は隠しているつもりのようだけど、隠し方が雑でバレバレ。

ちょっと覗けば見える場所であられもない姿で絡み合っているのを見てしまった生徒は多い。


「でも、あの始末はどうするのかしらね?」


「婚約者の前で堂々と浮気宣言ですものね。でも、それを止めて当然のリルバートン公爵夫妻は何も言わないわね?」


「そう言えばそうね。公爵家内で婚約者がすげ替わるだけだから問題ないとでも思ってるのかしら?」


「いやいや、それは…………」


と、友人とこそこそ話している間も、ザクセン殿下によって、エレクシア様の悪行とやらが数々述べられている。

ただ、その内容は、教科書を破られた捨てられた、机やロッカーに悪口を書かれた、ダンス練習用のドレスを破かれた、廊下を歩いてたら足を掛けられ突き飛ばされた、集団で囲まれて嫌味を言われた等々。

どれもこれも悪辣な!って宣言される程の行為とは思えない。

そもそもリルバートン公爵家の令嬢でザクセン殿下の正式な婚約者であるエレクシア様が行うにしては、幼稚過ぎて納得がいかない。


「実の妹を相手に!そうした数々の嫌がらせを行うような性根の腐ったお前とは婚約破棄だ!」


一際大きな声で、エレクシア様に指を突きつけながらキメ顔で仰るザクセン殿下。

元々あまり評判の良い殿下ではなかったけど、その本性を知らなかっただろう父兄の方々は驚いて唖然とされ、本性を知ってた生徒達は呆れてものも言えなくなってる。


「は~~~~~~~~」


静まり返る会場に、長い長いため息が吐かれた。

信じられないことに、完璧な令嬢として評判のエレクシア様の口から。

信じられなくて二度見した。

友人も三度見してるし。

ため息と共に普段はビシッと伸びている背筋が緩み、フラッと姿勢を崩されるので、倒れるのか?!と心配になったら、ドカッとばかりにその場に座り込んだエレクシア様。

しかもその座り方が!ドレスで隠れているとは言え、あれ、あぐらかいてるよね?騎士達が地面に座り込む時の姿勢よね?!しかも!片膝に片肘のせて頭支えてるし!

完璧令嬢のあり得ない姿に、誰も声を掛けられない。

その上エレクシア様は、ドレスの中に手を突っ込んで、ヒールの高い靴を脱ぎ、ザクセン殿下と義妹のアリュール様に向けて投げつけた?!

投げられたハイヒールは、片方ずつアリュール様とザクセン殿下の額にスコンと間抜けな音をならして命中。


「キャッ!」


「ヌオッ」


と叫ぶザクセン殿下とアリュール様。

おおう!なかなかのコントロール。


「エレクシア!本性を現したな!」


いきり立つザクセン殿下に、それ以上の大声で、


「うっさいわね!あんたの戯れ言にはもう飽き飽きなのよ!悲劇のヒロイン気取りの妹とやらにもうんざりだし!婚約でも何でも勝手に破棄すればいいでしょう?まあ?あんたの言った悪辣な行為とやらには全っっったく、心当たりが無いけど!」


はんっ!と鼻で嘲るように笑って見せるエレクシア様。

誰も見たことの無いその姿に唖然呆然の会場内。

あまりの普段とのギャップに、ザクセン殿下も腰が引けてる。

腰が引けてるながらも引くに引けなくて、


「は、はん?今更言い訳か?そんなもの誰が信じる?」


「誰が信じようが信じまいが、関係ないわよ。そんなのもうどうでも良いし。私はただあまりの自分の人生の意味の無さに絶望してるところだからほっといて!あーーーーーほんっっっと無駄だった!こんなことになるなら、さっさと逃げてどっか別の場所で好き勝手したかったわ~~」


そう言ったエレクシア様の目は全く光の無い、死んだ目をしてた。


「は、ははははっ、ははははははっ!やっと自分の立場を理解したのか!そうだ!お前の未来に希望などない!」


虚勢なのか自分の立場を誇示するためか、無駄に高い笑い声を響かせるザクセン殿下。


「まあ、私の未来も無いけど、あんた達の未来もお先は真っ暗よね。お互い様って事で、もう終わりにして良いかしら?これ以上あんた達に付き合う義理もないし」


「何を言う?!その前に散々虐げてきた妹に謝罪をするのが筋だろう!地に頭を付けて謝れ!」


「そうですわお姉様!わたくし、お姉様が謝って下されば許して差し上げますから!」


唾を飛ばす勢いで喚くザクセン殿下の横で、胸の前に手を組み、肩を震わせながら上から目線で訴えるアリュール様。

そんな二人に、死んだ目をしたエレクシア様は、


「は?なに?さっきあんたが述べた子供の悪戯レベルの事を私がやったって、本気で信じてる訳?バッカじゃないの?私の!どこに!そんなことやる暇があんのよ?あんたが丸投げした仕事片付けてんの誰だと思ってんの?暇が無いから学園に来たのだって片手で数えられるくらいだわ!そもそもあんたが名前を呼ぶまで妹の顔もろくに知らなかったっつーの!それでどうやって虐めんのよ?」


「ひ、酷いわお姉様!たった一人の妹の顔も知らないなんて!それがもう虐めじゃなくてなんなのよ!」


「あんたよくそんなこと言えるわね?会ったこともない妹の顔を知らなかったからって、責められる謂れはないわ!あんただってそこのアホ王子が私の前に立ったから、私を姉だと知っただけのくせに」


「それ程までに妹の存在を疎ましく思い虐げてきたのだろう!」


「はぁ?本っっっっとに馬鹿ね!生まれる前から決められてた婚約で、私は三歳からずっっっっと、お城で暮らしてるのよ?城に連れてこられる前から妃教育だなんだと言われて家でも隔離されてた私が!妹の顔を知らなくたって責められる謂れはないわよ!両親と会えるのは年始のパーティーの前に数時間だけ、それ以外はずーーーーーーーっと休みもなく王子妃教育を受けてたわけ!その内あんたの頭の悪さが判明して、王子教育まで受けさせられる羽目になったし!学園入学前にやっと教育が終わったと思ったら!今度はあんたの仕事を押し付けられて!あんたの母親に言い付けたら、何て言ったと思う?ザクセンが望むのだから、貴女が滞りなく進めなさい。夫の言葉を叶えるのが妻の役目です。とか言ったのよ!ええ、ええ!王子教育を受けてたお陰で仕事は支障無く進められたわよ!やっと仕事にも慣れて、少しくらいなら学園に通える、と思ったら!あんたの母親に言われたのよ!貴女も次期王妃として慣れる為に、わたくしの補佐をなさい、って!そして王妃の仕事まで丸投げされたのよ!親子揃って最悪ね!そんな!私が!ろくに顔を会わせたこともない妹を!通ってもいない学園でどうやって虐められるってのよ?!そんな暇も手間もかける暇なんて無いんだよクソが!!」


怒涛の王家の内情の暴露に、誰も身動きも出来なくなってる。

エレクシア様の仰る通り、学園内でエレクシア様のお姿を見た事はなく、通常の授業に参加されている姿も見たことがない。

わたくしも友人も同じクラスなのに。


「ねえ知ってる?あんたがその泥棒猫な妹と浮気を楽しんでる間、あんたとあんたの母親に丸投げされた仕事をこなしてた私。そんなのは普通通じるわけはないのよ。私、ただの未成年の婚約者でしかないもの。でもこの三年、誰もあんた達親子を諌める事も仕事が滞る事もなかったのはどうしてだと思う?宰相を始め大臣達も、あんた達親子が仕事をしてない事なんてとっくに知ってた上で、あんた達親子が仕事をするより、私一人で二人分の仕事をしてる方が、断然スムーズに仕事が回るから全員で口裏合わせて黙ってた訳よ。あんた達が居る意味って何なのかしらね?まあもう私には関係無いけど!あーーー、それにしても無駄だった!もう馬鹿馬鹿しくてやってらんないわよ!」


本当に心からうんざり!と言わんばかりに両手を後ろについて、足を前に投げ出すエレクシア様。

あまりに投げやりで疲れている様子で、令嬢としてのマナー等、誰も突っ込めない。

死んだ目で睨まれてるザクセン殿下と妹のアリュール様も何と言葉を返して良いのかわからない様子で、お互いを小突きあっているし。


誰もが声を掛けられない場に、重々しく低い声が響いた。


「今、エレクシア嬢が言った事は事実か?」


声と共にエレクシア様の元へ近づかれるのは我が国の国王陛下。

エレクシア様はそれでも姿勢を変えずに陛下を死んだ目で見るだけ。

陛下はエレクシア様の横に、エレクシア様がしていたように地面にあぐらをかいて座り、エレクシア様を覗き込むように見た後に、


「で?誰も余の問に答えぬのか?」


大声を出している訳でもないのに、重々しく響く声。

陛下が地べたに座った事で慌てていた周囲の方々が、硬直したように固まってしまう。


「ザクセン、答えよ。エレクシア嬢の言葉は事実か?」


「ちちち、父上!エレクシアの言った事は全て嘘です!エレクシアは実の妹であるアリュールを長年虐めていたような悪辣な女なのです!だから私はその悪辣な女に婚約破棄を申し渡しました!次の婚約者は、同じリルバートン公爵家の令嬢でも、エレクシアとは全く違う、心優しいアリュールに致します!」


「ほう?ザクセン、お前は余の知らぬ内に随分と偉くなったようだな?前陛下の決めた婚約を国王である余の許可無く破棄し、新たな婚約者を自ら選ぶとは。余は未だ引退した覚えは無いのだがな?」


「え?いや、それは、エレクシアは王妃に相応しくないからであって!ですから私は…………」


ブツブツと言い訳をしているようだけど、全く陛下の問の答えにはなっていないザクセン殿下。

陛下と共に入場してきた筈の王妃様は少し離れた位置で立ち尽くしている。

埒が明かないと思われたのか、陛下は、


「宰相、エレクシア嬢とザクセン、どちらの言い分が正しいと思う?」


下から睨むように聞く陛下に、


「恐れながら陛下、エレクシア嬢の言葉に偽りはありません」


「エレクシア嬢の言葉に偽りが無いのなら、そなたを筆頭に我が国の大臣達は、国の重要な政を、王子の婚約者でしかない未成年の令嬢に任せていた、と言う訳か?それはそれは!随分と怠慢な事だな?」


愉快な事を聞いたとでも言わんばかりに迫力のある笑みを浮かべられる陛下。

目が全く笑ってないけど!

その目を向けられた宰相様はその場に土下座して、


「申し訳ございません!エレクシア嬢の執務能力を惜しみ、殿下や王妃殿下への無駄な説明に取られる時間を惜しみ、悪しき事とは思いながらもエレクシア嬢の現状を見て見ぬ振りを致しました!」


地に頭を付けての謝罪に、宰相様だけでなくその場に居た大臣達も同じ様に土下座しだした。


「そこで呆然とした顔で立っている我が妃よ。そう言えば最近のそなたは芝居に茶会にと実に行動的だったそうだな?余の記憶が確かならば、今エレクシア嬢が着ているドレスはそなたが余の婚約者であった頃のドレスと同じものに見える。なあ我が妃よ、何故その様な古いドレスを息子の婚約者に着せている?息子の婚約者であるエレクシア嬢の監督はそなたが自らかって出た事であったな?」


陛下の底冷えするような眼光の鋭さに、立っていることも儘ならなくなった王妃様は、その場に座り込んでうつむいてブツブツとなにかを言っている。


「は~~~~~。まずはエレクシア嬢。奴等への処罰よりも前に、王家の犠牲になった詫びとして、何か望みを叶えよう。何なりと申せ」


自暴自棄なのか自棄っぱちなのか、エレクシア様は陛下が隣に居られるにも拘わらず、足を投げ出した体勢のまま、


「陛下。それならば、賜る毒は安らかに眠れるような毒をお選び下さい」


「毒、とは?詫びの品としては少々物騒ではないか?」


「陛下自ら謝罪して頂いても、私の無駄に使い潰された十五年は返ってきません。今さら全く馴染みの無い実家の公爵家に帰ることも出来ませんし、何より、私は王子妃教育と王子教育を受け終え、王子の仕事だけでなく王妃の仕事までこなしておりました。貴族に知られては不味い事も多く知りました。私がお城を出るのはとても不味い事態を招くでしょう。ならば当然私が賜るのは王城の離宮での生涯監禁か毒杯。監禁は退屈なのでご辞退申し上げます。王族が賜る毒は二種類あると習いました。出来れば苦しまずに眠るように息を引き取れる毒にして頂きたく願います」


真っ直ぐに陛下の目を見て話すエレクシア様。


「毒ってそんな!」


驚いて思わず出てしまった言葉はアリュール様から。

真っ青な顔で口をおさえカタカタと震えているように見える。


「何を驚いているの?王子妃、いずれは王妃となるならその程度の覚悟は当然持つものでしょう?まあそれも貴女達のせいで台無しだけど。まさかまともに会ったこともない妹に殺されるとは思わなかったわ~」


「わ、わたくしは、そんなつもりは!」


「ならどんなつもりで姉の婚約者と浮気してたの?王子とは四六時中ベッタリと人目も憚らずイチャ付いてたくせに、王子が仕事なんてしてないのは一目瞭然でしょう?その婚約者である私が学園に居るかどうかも確認せずに、私を陥れようと画策して、今さらそんなつもりじゃないなんて、誰に弁解してるつもり?」


エレクシア様の言葉に何も返せずに泣き出すアリュール様。


「貴女と王子の浮気は当然両親も知っていたのでしょう?そりゃ、幼い内に手放した娘より、手塩に掛けて育てた娘をより高い身分の相手に嫁がせたいと思うのは親心なのかも知れないけど、まさか娘を死に追いやってまで蹴落とそうとされるとは思ってもいなかったわ~。あ~~~、本当に私のこの十五年は無駄、無意味だったのね~」


そう言っておもむろに立ち上がったエレクシア様は、スタスタと歩き始めた。


「エレクシア嬢、どこに?」


陛下が声を掛けると、


「まあ全て事実とは言え、王子殿下と王妃様への暴言は、不敬と取られても仕方ない事でしょう。ですから貴族牢に参ります。なるべく早く毒杯を賜るようお願いいたします。決意が鈍って死にたくないなどと叫び出す前に」


そうして会場入口まで行くと、誰もが見惚れるような優雅なカーテシーをして去っていかれたエレクシア様。

その姿が見えなくなるまで見送って、立ち上がられた陛下は、


「エレクシア嬢に支払われている筈の予算の確認を速やかに行え」


「エレクシア嬢への予算の確認、で御座いますか?」


「本来なら有り得ん事だが、エレクシア嬢は三歳から城で暮らしていたと言う。ならば当然身支度や生活に掛かる費用は王子の婚約者として予算が取られていた筈だ。だが今日エレクシア嬢が着ていたドレスは王妃が余の婚約者だった時代の物だ。ならば本来エレクシア嬢がドレスを仕立てるべき費用はどこに行った?」


「は、は!直ちに!」


宰相様以外の、各大臣達が会場から走り出ていく。


「で、問題の我が妃と息子よ。婚約者でしかない成人前の令嬢に、自分の仕事を丸投げしていた、とか。なあ?己の責務を放棄して、遊興三昧に他の令嬢との不貞。エレクシア嬢も言っていたが、お前達が王族で居る意味はあるのか?仕事にかまけ放置した余にも責任はあるが、お前達はこの責任をどう取る?」


陛下の身内に向けるとは思えない温度の無い視線に、ザクセン殿下と王妃様はガタガタと震えながら、


「こ、こ、心を改め、責務を全う致します」


「わたくしも!愚かな行為を反省し、国のためにこの身を捧げます!」


「信じられぬな。エレクシア嬢の言葉を信じるならば、三年以上、教育期間も含めればもっと前からか?そなた達は余を、国を裏切り続けた。正式な沙汰は調べが済んでからだが、最低でも王族からの除籍は覚悟しておくように。皆のもの、折角の卒業パーティーを台無しにしてしまい悪かった。詫びと言ってはなんだが、後日改めて城でパーティーを催そう。是非参加してくれ」


そう仰った陛下は、殿下も王妃様も一瞥することもなく会場を出ていかれた。

卒業パーティーは中止になった。



後日お城で開かれた卒業パーティーの最初に、陛下自らご説明下さったことによれば、騒動を起こしたザクセン殿下は王命の婚約を勝手に破棄し、不貞を行っていたことで継承権の剥奪の上王族籍からの除籍。王妃様は長年の公爵令嬢への教育と称した虐待と、本来王子の婚約者用として用意されていた予算の使い込みで、離縁されてザクセン殿下共々王妃様の実家に帰され、多額の慰謝料を請求されたそう。浮気相手のアリュール様は、既にザクセン元殿下と肉体関係を持っていた事実が判明し、二人は正式に婚姻されたそう。

城を出される前に、ザクセン殿下は断種され、王妃様は喉を潰す毒を飲まされたとか。

不貞を煽った責任を取らされ、公爵家には相当な金額の慰謝料が請求されているとか。

王妃様と王子殿下の仕事を丸投げされていたことを知っていて放置していた宰相様や大臣の方々は揃って罷免になったとか。

そして一番気になっていたエレクシア様は、まだ詳しい事は言えないけど、王家での預かりとなり、無事に過ごされているとか。


思ったよりも詳しくご説明頂けて、皆も納得したものの、王家と公爵家の絡む醜聞に、この国の未来に不安を持った私達。その後のパーティーは不安を払拭するために深酒をする者、自棄っぱちになり深酒をする者、空位になった王太子の座を得るのは誰になるのかを議論する内に深酒をする者、その後醜態を晒す者、とカオスな事になったのは当然の結果、なのかしら?

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