表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『神ノ技能 魔方陣転写』をもらいました。能力も見た目も人外ですかね  作者: とみっしぇる


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

52/65

52 子爵邸襲撃終了

サハミ子爵邸を襲撃して、捕まっていた女の子2人を助ける。


ちょっと考え、異形変身を解かないことにした。




子爵邸に来る前に、わざわざ「化け物」となって、ギルド前でダンガル商会と子爵邸の襲撃をほのめかした。


彼女達を普通に助けると、ここまでの仕込みが意味をなさなくなる。


胸が痛んだが、ローズをカプセルホテルから出して、地下牢の入口に置いた。


右足は痛々しいままだ。


彼女は「被害者」でなければならない。


異形変身のまま地下室に降りると、5つの牢屋があり、牢番が1人いた。


「ひっ、化け物」


牢番の頭をつかんだ。


「ワルいヤツラ、女フタリ捕まえたとイッテタ。鍵空けろ」


仕事をさせると、牢番にポイズンニードルを撃ち込んだ。


女2人は同じ牢屋に捕まっていたが当然、牢から出てこない。

私を見て、抱き合って震えている。


「ワタシ、ここのやつに、子供殺サレタ。だからミンナ殺した」


「わ、私達は誘拐されて・・」


「ダカラ助ける。付いてこい」


先に地上に出て待っていると、2人が出てきた。


ローズを指差した。


「この女も捕まっタ。ヤツラに抵抗して足をキラレタ。お前達とイッショに助ける」


それ以上は言葉を出さず、ローズを抱き上げて子爵邸の正門まで行くと、反対側に多くの人の反応があった。新ポイズンニードル門の下の方に100発打って人を退避させ、それから門を粉々にした。




正門前を遠巻きにして人が集まっていた。


何人か、私が連れてきた女に気付いて恐る恐る近付いてきた。


先頭は冒険者ギルドのギルマス。彼に、解放した女2人とローズを託した。


「サンニン、捕まってた。タスケタ」


「お、お前は言葉が分かる魔物なのか。なぜ子爵邸を襲った?」


「ヤツラ、子供殺した。だからコロシタ。やつらの匂い覚えた。ヤツラの家族もコロス、かばったやつもコロス。そのオンナたちの恨みもハラス。みんな、みんなコロス」


言ってるうちに興奮してしまった。


女の子達を助けに来た人達に悪いけど、殺気を当ててしまった。



「ほ、本当にやつらの関係者しか襲わないんだな」


「ヤツラの匂い消えればイイ。キエルまで、こうスル」


収納していたヤリステの惨殺遺体を置いた。


「ひいいいい!」

「うえええぇ」

「あわわわ」


こうやっておけば、ダンガル商会、サハミ子爵家の残党を殺していっても「異形の化け物」のせいになるだろう。


それにこの状況なら、子爵邸で何人か殺したローズも、完全な被害者として扱われるはずだ。


ちょっとくどいが、急いで考えて仕込みをした。


そして私は 立ち去った。


◆◆


次の日の朝、私こと「鬼の牙に返り討ちにあったアヤメ」は胸を包帯でぐるぐる巻いて、マイリの街に戻った。


一晩中、早くローズの元に行きたい気持ちを押さえ、時間を数えた。


マイリの街で起こった「サハミ子爵邸襲撃事件」は、魔物の仕業となった。


それ以上に、ギルドの報告から魔物の再襲撃を恐れた人々は、子爵、ダンガル商会関係者の排除に動くだろう。


もし、奴らの擁護をする人間がいれば、見せしめに異形変身で抹殺する。


それだけは決めている。


私はギルドに飛び込むようにして入った。


「ごめんなさい、受付嬢さん、このギルドでローズという女性を保護してもらっていると聞いたんだけど」


「あ、アヤメ様でしたね。ご無事で良かったです」


「それよりローズは?私の相棒なの」


「こちらです・・」



ギルドの近くにある救護院にローズは寝かされていた。


眠る彼女の頬に手を当てた。


「悔しかったよね」


私は救護院の人にお礼を言って、ローズを連れ出した。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ